第8回アフリカ開発会議(TICAD8)開催:複合的な危機に直面するアフリカに対するJICAの取組を発信

2022年9月12日

8月27日(土)から28日(日)まで、チュニジアの首都チュニスにて第8回アフリカ開発会議(TICAD8)が開催されました。今回のTICADは、岸田総理大臣がオンラインで参加した他、林外務大臣(総理特使)、サイード・チュニジア大統領(開催国)およびサル・セネガル大統領(AU議長)を共同議長として、アフリカ48カ国の代表が参加し、その成果として、「チュニス宣言」が採択されました。また、これに合わせて日本政府より、70項目からなる「TICAD8における日本の取組」が公表されました。

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岸田総理大臣による開会スピーチでは、「アフリカと共に成長するパートナーとしての日本」として、「人への投資」を重視する姿勢が示され、「官民合わせて今後3年間で総額300億ドル規模の資金の投入」、「30万人の人材育成」等のコミットメントが示されました。

本会合では、2日間の討議の結果を踏まえ、「①経済:持続可能な経済成長と発展のための構造転換の実現」、「②社会:強靭かつ持続可能な社会の構築」、「③平和と安定:持続可能な平和と安定の実現」の3本柱からなる「チュニス宣言」が採択されました。同宣言では「人への投資」の重要性が確認されるとともに、多国間主義の重要性、主権と領土の一体性の尊重、紛争の平和的解決の追求等が示されています。

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田中理事長が現地でのTICAD関連イベントに参加:民間セクターの役割や国際社会の連帯の重要性を発信

【画像】TICAD会期中、田中理事長はチュニスで開催されたTICAD関連イベント3件に参加・登壇しました。まず、8月27日、日本貿易振興機構(JETRO)が主催するビジネス・フォーラムに登壇しました。アフリカが直面する複合的危機の克服のためには、民間セクター、特に若年層とイノベーションがカギであることに言及し、JICAの取り組みとして、①ABEイニシアティブ、②Project NINJA、③海外投融資によるフィンテック支援の3つの事例を紹介しました。アフリカの各国・人々、民間セクター、国際社会との連帯の重要性を強調しました。

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【画像】8月28日、田中理事長は、ビジネス・フォーラムの一環として実施された「アフリカの民間セクター開発のための共同イニシアティブ」第5フェーズ(EPSA5)のローンチイベントに、財務省神田財務官およびアフリカ開発銀行(AfDB)アデシナ総裁と共に登壇し、EPSA5の実施促進を目的として、AfDBとの間で連携協定(MOU)を締結しました。また、日本政府は新たなEPSA5において、EPSA4では35億ドルだった融資額を40億ドルに拡大し、重点分野として連結の強化や農業・栄養分野を追加することを発表しました。このことを受けて、田中理事長は、JICAとAfDBが2005年以降EPSAを通じてアフリカの民間セクター開発のために協働し、73億ドルの資金協力を実現したことに触れるとともに、複合的危機下にあるアフリカにおける強靭性強化と人間の安全保障の確保、および国際社会における「連帯」を示していくことの重要性を認識し、日本政府の実施機関として責任をもってEPSA5の目標達成に貢献していくことを発表しました。

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【画像】同8月28日に、JICA、JETRO、国連開発計画(UNDP)、 国際連合工業開発機関(UNIDO)の4機関による日本企業のアフリカビジネス支援を目的とした連携覚書締結が行われ、田中理事長は、JETRO佐々木理事長、UNDPシュタイナー総裁、UNIDO安永局長とともにスピーチを行いました。田中理事長は、日本企業のアフリカビジネス展開を含むアフリカの民間セクター開発のために、4機関がそれぞれの強みを生かして協働していくことの意義について言及しました。

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田中理事長・中村理事がアフリカ各国首脳らと会談

8月25日から29日のチュニジア滞在中、田中明彦理事長および中村理事は、TICAD8に出席したアフリカ各国首脳や国際機関の要人らと会談を行い、各国における協力重点課題の確認、今後の協力に対する期待等について意見を交わしました。

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(左)セネガルのサル大統領、(中央)チュニジアのブデン首相、(右)コートジボワールのアシ首相

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(左)ブルンジのンダイシミエ大統領、(右)タンザニアのマジャリワ首相

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(左)アフリカ連合開発庁のベケレ-トーマス長官、(右)AfDBのアデシナ総裁

TICAD公式サイドイベントを実施:アフリカの課題について議論

JICAは、8月22日から26日までの5日間にわたり、24件のTICAD8サイドイベントをオンラインで開催し、約5,000人が視聴しました。これらのサイドイベントでは、「強靭で包摂的で豊かなアフリカ大陸の実現」というテーマの下、保健、気候変動、農業、地域統合、産業開発、平和、ガバナンス、DX等の様々な分野に関して、アフリカが直面する課題や今後の取組の方向性について、アフリカ各国政府・国際機関等の多様なアクターと共に議論しました。

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JICAは、アフリカのオーナーシップに基づく人を重視した開発協力を通じて、強靭かつ包摂的で、豊かな大陸に向けたアフリカの歩みを後押しするとともに、アフリカと日本のつながりや信頼の強化に取り組みます。

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