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12月3日は「国際障害者デー」:ベトナムで視覚障害者の社会参加を促進するICT教育の普及に取り組む日本企業

ICTでベトナムの視覚障害者のエンパワメントをめざす

国際障害者デーは、障害問題への理解と、障害者の社会参加をより一層促進するため、1992年に国連により定められました。世界では10億人以上が障害を持って暮らしていると言われますが、特に発展途上国では、障害者が適切な支援や情報を得られず、また差別などによっても社会への参加が妨げられています。

株式会社日本テレソフトは、福祉機器の製造・販売とコンピューターソフト受託開発を中心とする事業を展開しています。福祉分野ではソフトとハード面の開発技術を活かし、点字翻訳ソフトや点字プリンターなど、視覚障害者向けの福祉機器の開発を手がけ、今では国内でも大きなシェアを持っています。

一方、ベトナムでは、視覚障害者の数は100万人、弱視などを含めると300万人とも言われていますが、多くの障害者が就業もままならず、家庭に閉じこもって生活をしている人も少なくない現状です。その背景として、視覚障害者に特化した学校が少なく、専門的な教育が不足している現状があります。また、全国で65ヵ所ある盲人協会でも15ヵ所しかにしか点字プリンターがなく、視覚障害者に提供される情報も圧倒的に不足しています。さらに、近年スマートフォンなどのIT機器が急速に普及している中、最新の情報をタイムリーに得たり、外出先でメールを発信したりすることも、視覚障害者にとっては簡単ではありません。

日本テレソフト社は、JICA案件化調査などを通じて、ベトナムに点字プリンターの市場可能性があることを確認すると同時に、PC技術の習得を含めた包括的なICT教育プログラムパッケージが必要と判断。この度のJICA事業では、ベトナム盲人協会を現地協力機関として、視覚障害者向けの福祉機器を導入し、ハノイとフエにICT教育センターを開設、視覚障害者へのPC指導者の育成や視覚障害者へのPC教室実施することにしました。

ICT教育による視覚障害者の情報へのアクセス改善を含めた生活の質の向上への貢献に加え、視覚障害のある学生にも機材を利用してもらい、学習の効率化における効果を実証します。将来的には、個人向け販売以外にも、この事業の成果をもとに、日本の様に各地方の盲人組織や盲学校などへの機材の普及を目指しています。

今年8月には機材がベトナムに搬入され、ICT教育センターの準備を行いました。今月からは、いよいよ導入された機材とプログラムを活用して視覚障害者を指導するインストラクターの養成を開始予定で、21日に開所セレモニーが行われます。

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コンピューターやスマートフォンと接続して点字を読み書きできる点字ディスプレイ

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使い方の研修を受けるフエ盲人協会の女性スタッフ

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ハノイ盲人協会トレーニングセンター内のICT教室

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