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ピンチをチャンスに!COVID-19下で力を発揮したアプリ教材(ワンダーラボ株式会社 )

2020年11月11日

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ワンダーラボ株式会社 カンボジア法人代表 
渡邉大貴(わたなべ・だいき)さん

 カンボジアの学校でアプリ教材「Think!Think!(シンクシンク)」の活用可能性を調査しているワンダーラボ株式会社。その取り組みがカンボジア国内で大反響を呼び、私立学校の15校約2万人の生徒に教材を利用してもらえることになりました。
 今回、COVID-19のピンチをチャンスに変えた同社の取り組みについて、同社カンボジア法人代表の渡邉大貴さんにお話いただきました。

カンボジアで教育の課題に挑む

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現地の小学生にアプリ教材を紹介する渡邉さん

 カンボジアは、2030年に高中所得国入りするという国家戦略のもと、技能職を担う技術者を育成するため、科学(Science)・技術(Technic)・工学(Engineering)・数学(Mathmatic)の4分野「STEM教育」の促進を急務としています。そのため、教育・青少年・スポーツ省(以下、教育省)は、STEM教育の促進を優先課題の一つに掲げています。
 その一方で、カンボジアは他のASEAN諸国に比べ、初等教育の学生の中で、最終学年まで残る卒業率が低いのが現状です。その要因が、教育者の教育水準の低さや、家庭内における教育の重要性の理解不足による中退等がある、と事前の現場視察で感じました。
 そこで、既存の教育に加え、私たちワンダーラボが得意とする「理解する力・思考する力の育成」でカンボジアの教育水準を高め、卒業率の向上と、STEM領域の能力向上に貢献できるのではないか、と考えました。そして、JICAの事業を活用し、思考力教育教材である「Think!Think!(シンクシンク)」アプリのカンボジアへの導入可能性を調査することになったのです。

アプリ教材「Think!Think!(シンクシンク)」で思考力を育めるか。調査と実証活動を開始

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Think!Think!(シンクシンク)を使った授業を実施

「Think!Think! (シンクシンク)」は「考える事が好きになる」思考力教育アプリ教材です。思考力とは、限られた情報から目に見えない部分を想像する力。例えば、算数では 「立体の裏側をイメージする力」「図形問題で補助線をイメージする力」を指しています。
「Think! Think! (シンクシンク)」は、思考力の5分野の内、特に空間認識、平面図形、試行錯誤の3分野を鍛える問題を90種15,000問導入しており、パソコン、タブレット、スマートフォンなどのディバイスで動作するアプリ教材で、ゲーム感覚で問題に取り組むことで思考力が鍛えられることが特徴です。
事前の現地調査で教育省や現地の小学校に「Think!Think! (シンクシンク)」を紹介したところ、教育省担当者や現場の先生たち、子供たちから大きな関心が寄せられ、実際に使ってみて効果がどれほどあるのか試したい!という声を多数得ることができました。そこで、実際に効果を検証する実証活動を行うべく、2019年第1回公示のJICA中小企業・SDGsビジネス支援事業に応募、採択され、2020年2月から普及・実証・ビジネス化事業として活動を開始しました。

今からというところで・・・事業開始直後にCOVID-19の影響が拡大

 2020年3月上旬、各パイロット校のパソコンにアプリのインストールを完了し、初回の授業を行いました。現地の反応は上々で、地元政府の期待も高まり、教育大臣をはじめ政府要人を招いた式典も予定される等、万事順調に事業は進んでいました。
 ところが、その式典を翌日に控えた3月16日、COVID-19の影響で学校が閉鎖、外国人との面談、集会等の禁止通達がなされ、式典だけでなく、事業自体がストップする事態となってしまいました。

ピンチをチャンスに!政府とのオンライン授業配信で一躍、国民的人気教材へ

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国営放送でオンライン授業が配信されました

 事業のストップという大きなピンチに見舞われる中、逆にこのCOVID-19による学校閉鎖がこの事業にとっては追い風になります。
 何とか現地での実証活動を継続できないかと試行錯誤をしていた折、事業を通してやり取りのあった教育省の担当者から「アプリ教材を使った無料オンライン授業を配信できないか」と打診がきたのです。そこで、2020年4月にアプリを使った無料オンライン授業を開始することになりました。
 このオンライン授業は、教育省のオンライン授業プラットフォームや、カンボジア国営放送上で週3回放映され、毎回2万人以上もの視聴者数を記録。オンライン授業に登場したワンダーラボの講師は、一躍国民的スターになりました。
 また、地元のメディアでも大きく取り上げられ、一躍、このアプリ教材はカンボジアの誰もが知るような人気教材となったのです。

今まで難航していた私立学校向け販売も一気に加速

 その効果は同社のBtoB事業にも現れます。教育省の関与が低い私立学校へのアプローチが難航していたところ、コロナの学校閉鎖を機に私立学校側もアプリ教材を重要視するようになってきました。また何より、JICAと教育省の協力のもと実施したオンライン授業配信で、この教材の知名度が劇的に上がったことで、私立学校へのアプローチも一気にうまく行くようになりました。どの私立学校に行っても、アプリのことやワンダーラボのことをニュースで見た、と毎回言われたくらいです。
 2020年9月末時点で、BtoB事業として約15校2万人に約4ヶ月のフリートライアルとしてアプリが利用され、今後もさらに増える予定です。

今後のビジネス展開

 今年は引き続きカンボジアでの認知度向上に取り組む予定です。そして来年以降、向上した認知度を土壌にワンダーラボの教材を購買してもらえる仕組みをつくり、事業としてカンボジアで継続させながら、より多くの子どもたちに私たちの教材を楽しんでいただけたらと思っています。

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