【報告】オンラインイベント「やさしい日本語落語で一緒に笑おう」

2022年1月25日

集合写真

1月16日(日)、オンラインにて「やさしい日本語落語で一緒に笑おう」を実施しました。JICA北見デスクの木下推進員が落語家「じゃい家喜多美」となり、「やさしい日本語」を使った落語を披露し、大いに盛り上がりました。外国人の方9名、日本人の方27名、計36名の方にご参加いただきました。

第1部講演 なぜ、いま「やさしい日本語」か

講師:式部 絢子先生

イベントは2部構成で行われました。第1部は、主に日本人参加者の方々を対象として実施。講師には式部絢子(しきぶあやこ)先生をお迎えして講演いただきました。
日本、そして北海道で働き暮らす外国人の方々が増えているなか、災害をきっかけに生まれたと言われる「やさしい日本語」。いまでは災害時だけでなく、日常のコミュニケーション手段のひとつとして用いられるようになったことや、やさしい日本語のコツなどを教えていただきました。なかでも「はっきり」「さいごまで」「みじかく」の頭文字をとった「ハサミの法則」は、参加者の印象に強く残ったようです。
講演後には質疑応答も活発に行われ、多文化共生への関心の高さがうかがえました。

第2部 やさしい日本語落語と交流

サルを熱演するじゃい家喜多美さん

落語を補足する文字とイラスト

第2部は外国人参加者を交えてのスタートです。ブレイクアウトルームに分かれて少人数で自己紹介を行ったあと、「じゃい家喜多美」ことJICA北見デスクの木下推進員の「やさしい日本語落語」を、参加者全員で楽しみました。
ゆっくり、はっきりとした話し方で、「笑って下さい」と語り掛けるじゃい家喜多美さん。演目の中で分かりにくいところは、文字やイラストを使って補足されました。じゃい家喜多美さんはジェスチャーを交えつつ表情豊かに人物(とサル)を見事に演じ分け、参加者は笑顔に包まれました。

やさしい日本語落語のあとは再度ブレイクアウトルームに分かれ、面白かった点、分からなかった点について意見交換を行いました。
あるグループでは外国人の方から、「落語は初めてだったけど、ゆっくり話してくれたので分かりやすかった」「イラストがあって理解しやすかった」という感想がありました。他には、有名な落語の演目である「まんじゅうこわい」を日本人参加者が披露したグループもあったようです。

参加者同士の交流後は、講師の式部先生による総括がありました。式部先生からは「やさしい日本語は万能ではありません。何でもやさしい日本語にするのではなく、私達が既に持っているコミュニケーション手段にプラスしながら、相手に合わせて話してみましょう」「一緒に話すときの気持ちが一番大事です。まず、話してみましょう、そして目の前の相手に合わせて、工夫してコミュニケーションしてみましょう」とのメッセージが述べられました。

JICA北海道はこれからも、多文化共生を推進するために取り組みを続けて参ります。イベントにご参加いただいた皆様、ありがとうございました!