2022年度 JICA北海道 国際理解教育セミナー「多様性を考えるセミナー~気づこう・学ぼう・じぶんごとに~」を開催しました。

2022年8月23日

7月2日、16日、30日にかけて「多様性を考えるセミナー~気づこう・学ぼう・じぶんごとに~」を開催しました。1回目の「気づこう」は対面でJICA北海道センターにて開催、2、3回目はオンライン(zoom)にて実施し、教員や会社員、大学生など合計33名の方にご参加いただきました。

7月2日多様性を考えるセミナー「気づこう」(対面)

【画像】セミナーの前半は多文化共生のシミュレーションができるワークショップ「ひょうたん島問題(著:藤原孝章 明石書店)」を行いました。参加者の皆さんには架空の島、「ひょうたん島」「カチコチ島」「パラダイス島」の人々になりきって議論していただきました。このワークはまるで物語を読んでいるかのように進みますが、実は現実社会に起こりうる問題を表しています。

仮想世界を舞台に話し合った後は多文化共生を実践する町、東川町で暮らす留学生とオンラインで交流し、今まさに感じている日本での異文化体験エピソードを教えてもらいました。日本人に聞いてみたいことは?という質問には「バイト先で先輩から先にお昼に行きます、と言われた時はなんと返せばいいですか?」などリアルな生活が浮かんでくる質問に参加者の皆さんも一緒に頭を悩ませていました。

7月16日多様性を考えるセミナー「学ぼう」(オンライン)

この日は3つのプログラムがある盛りだくさんの回となりました。
まず「やさしい日本語」ワークショップでは、やさしい日本語の作り方のコツを学び、参加者同士で外国人が暮らしやすい町にするための工夫を話し合いました。
次に、「多文化共生をテーマとした模擬授業」では北海道開発教育ネットワーク(D-net)所属の塚田初美さんが小学生を対象に行った授業を短縮バージョンで体験しました。外国につながる児童も入り混じる教室という設定のもと、クイズ作成に挑戦!苦戦するグループもありましたが、文化の違いだけでなく、その人一個人として接することが大切だと感じたといった感想が寄せられました。
最後に、日本初の町立日本語学校がある東川町では独自の創設科目Globeを実践しています。子どもたちが世界の人々や世界で起きていることを自分なりに考え、発信する姿に参加者の皆さんからは感心の声が上がりました。セミナー終了後には「自分の町は外国人が少ないが、少ないからこそできることを考えたい」、「東川町が特別なのではなく、自分にもできることをやってみたい」といったコメントをいただき、参加者の皆さんがそれぞれの地域で多様性を考える姿が印象的でした。

7月30日多様性を考えるセミナー「じぶんごとに」(オンライン)

【画像】多様性・多文化共生というと外国のイメージになる方も多いかと思いますが、本セミナーでは外国だけでなく、そのほかの視点でも多様性を考えるきっかけとしていただくため、3回目は「じぶんごとに」をテーマに2名の講師をお呼びしました。
途上国での障がい者支援について「NPO法人飛んでけ車いすの会」代表の吉田三千代さんに、道内の性的マイノリティ支援に関する活動紹介を「さっぽろレインボープライド実行委員会」委員長の柳谷由美さんにお話しいただきました。
各パートでは写真を使ったワークも行い、生活のとある一場面を切り取った写真から読み取れる社会背景や課題について考えました。
これから自分にできる支援の方法は?など参加者からも質問があり「もっと自分で情報を集めて、自分のできる範囲で活動の応援をしたいと思った」といった感想をいただきました。

来年度のJICA国際理解教育セミナーもご期待ください!
みなさまのご参加をお待ちしております。