(香川)かがわ国際フェスタ2022オープニングイベント開催

2022年10月19日

 かがわ国際フェスタ月間のオープニングイベントとして、JICA四国では10月9日(日)、「戦火のランナー」映画上映&講演・協力隊体験談を実施し、高校生を含46名にご参加いただきました。

南スーダンとJICA事業の紹介(南スーダンとオンライン)

南スーダンからオンラインで発表する山根さん

NUDの一コマ(山根さん発表資料より)

 JICA南スーダン事務所山根次長(土庄町豊島出身)とオンラインでつなぎ、2011年に建国された最も新しい国の一つである南スーダンの人々の暮らしや、現地で実施しているJICA事業についてお話していただきました。
 紛争が再発しにくい国家・社会の形成のために、JICAは南スーダンの青年・スポーツ省と連携して始めたNUD(National Unity Day:国民結束の日)※1 は、長年の紛争で苦しむ南スーダンの若者にとって、民族間の軋轢を乗り越え、スポーツで結束し平和を学ぶ貴重な機会になっています。山根さんからは南スーダン出身でNUDに参加後、東京オリンピックに出場した選手に関する漫画冊子※2も紹介されました。

映画「戦火のランナー」上映

イベントのチラシ

 紛争により兄姉を含め28人の親族が殺害され、自身も2度誘拐され奴隷となった経験のあるグオル・マリアル氏は、難民から南スーダンのオリンピック選手となりました。南スーダンの希望と期待を背負い、不屈の精神で走り続ける彼の姿を追ったドキュメンタリー映画を上映しました。
 参加者からは「スーダン内戦のことが身近に感じられた。山根さんの話があったからこそ映画がとても感動的だった。」という声が寄せられました。

スポーツを通した国際協力(タイ、ウガンダとオンライン)

オンラインで参加者の質問に答える様子/左から、千頭さん(タイ在住)、森さん(ウガンダ在住)

隊員時代、女子高で体育指導する千頭さん(千頭さん発表資料より)

TICAD CUPに参加した、異なる民族からなる女子サッカーチーム(森さん発表資料より)

 千頭佐和子さん(高知県出身/派遣国:スーダン共和国/職種:青少年活動)はJICA海外協力隊活動経験があり、現在は本田圭佑さんプロデュースで設立されたタイのサッカースクールSOLTILO(ソルティーロ)のゼネラルマネージャーを務めておられます。その千頭さんと同期隊員だった森亜矢子さん(徳島県出身/ウガンダ/PCインストラクター)は、現在、NGOジャパンデスクオフィサーとしてJICAウガンダ事務所に勤務されています。今のお二人の共通テーマである「スポーツを通した国際協力」について、オンラインでつなぎ、話してもらいました。
 現場でスポーツ経験の乏しい子どもたちに接している千頭さんは、「一人でも多くの子どもにスポーツの機会を提供し、自分で考え行動できる子どもを育てたい」と語りました。また、森さんからはTICAD CUP 2022(女子サッカートーナメント戦)※3に参加したという難民女性グロリアさん(南スーダン出身)の「サッカーはこれから作る新しい家族を守るための強さをくれる」という感想などが紹介されました。



 南スーダンのJICA支援、映画上映、協力隊体験談等から、スポーツを通した国際協力について理解を深めることができました。