【岩手県】陸前高田市で活動中のJICA海外協力隊グローカルプログラム生による中間報告会

2022年8月23日

 2022年7月4 日(月)より、岩手県陸前高田市においてJICA海外協力隊グローカルプログラム(GP ※)に参加しているJICA海外協力隊候補生が、8月10日(水)に中間報告会を行いました。

陸前高田まちづくり協働センターで活動中の川野 矢恵さん 

 2022年度3次隊としてエジプトに派遣予定の川野 矢恵さん(小学校教育)は、陸前高田まちづくり協働センターにて、GPに参加しています。
 まちづくりの実践者である地域、行政、企業、NPOの中間支援拠点となり、相談支援、まちづくりやその他支援を行っている受入先にて、特に「繋がり」を感じながら活動しています。地域の良さや取り組みを知り発信する力を身に付けること、何事にも自主的に行動し地域の方々と安心感のあるコミュニケーションを図りながら地域の役に立つこと、の2つを活動目標としています。地域に隠れている魅力や文化をまとめる「たかたの教科書プロジェクト」では、9月開催予定の親子向け昔遊びイベントの出展に向けて、地元の方へのインタビューを行い、陸前高田ならではの文化や伝統が詰まった教科書を作成して準備を進めています。
 また、「みんなの学校」と呼ばれる市内で活動するNPO等の市民団体について知るイベントでは、チラシの配布、団体紹介のパンフレット作成、団体が集う会議への参加等、地域での繋がりを築いて活動しています。その他、足を運び発見したお店や施設の紹介をSNSで発信したり、地域のイベントにも積極的に参加したりしています。今後も、相手の思いを汲み取り、相手のニーズに寄り添うことや地域との関わりを大切にし、準備を進めてきたイベントの実施に向け活動に励んでいきます。

(一社)トナリノで活動中の山田 敬介さん  

 2022年度3次隊としてウルグアイに派遣予定の山田 敬介さん(空手道(少林寺拳法))は、(一社)トナリノでGPに参加しています。
 住民の困りごとに寄り添い、解決に向けて伴走・共創することをモットーとしている受入先で、誰かのために役立ちたいという思いから国際貢献を志し、GPに参加している山田さんが任国への派遣を見据えながら活動しています。課題解決に向けて他の視点から提言をすること、イベントを提案し成功のためのノウハウを学ぶこと、心を整えるマインドフルネス体験会を実施すること、を活動目標としています。この1か月では、デジタル化が進む社会でも高齢者が適切な情報を活用できるよう、高齢者向けのスマホ講座のサポートを行いました。参加者にも大好評で、講座を行ったからこそ参加者の立場に立った気づきがありました。
 また、香川県在住の山田さんは、讃岐うどんの手打ち体験を通して賑わいづくりを目指した「うどんの会」を開催しました。東日本と西日本での食材や道具の違いを工夫し、出汁や麺打ちにもこだわり、企画から当日の運営までアイデアを凝らし、約30名の地域の参加者に本場香川のうどんを楽しんで頂けたイベントとなりました。今回、新たな場所で何かを普及することを実体験できたことが、任国ウルグアイで少林寺拳法を普及する時にも活きていきそうです。
 今後も高齢者を対象とした継続的なスマホ講座の開催、マインドフルネス体験会(8月20日「エンジョイいわて」で検索!)のイベント開催に向けて活動していきます。

(報告者:JICA東北 小林/菊池)

※「JICA海外協力隊グローカルプログラム」
帰国後も日本国内の地域が抱える課題解決に取り組む意思を有するJICA海外協力隊が、地域の方々とともに、自治体等が実施する地方活性化や地方創生の取り組みを学び、海外での活動に活かしてもらうことを目的としています。訓練所での派遣前訓練開始前の期間(3か月間程度)に研修を行い、日本国内の地域活性化の取組みを知る事で、開発途上国での協力活動においても有益な実務経験や知見を得ることも期待されます。