【岩手県】陸前高田市で活動中のJICA海外協力隊グローカルプログラム生による中間報告会

2022年5月23日

 2022年4月4日(月)より、岩手県陸前高田市においてJICA海外協力隊グローカルプログラム(※)に参加しているJICA海外協力隊候補生が、5月18日(水)に中間報告会を行いました。

陸前高田しみんエネルギー(株)で活動中の伊藤 弘光さん  

 2022年度2次隊としてタイに派遣予定の伊藤 弘光さん(廃棄物処理)は、陸前高田しみんエネルギー(株)にて、JICA海外協力隊グローカルプログラム(GP)に参加しています。
 農業テーマパーク オーガニックランドおよび発酵パークCAMOCYでの廃棄物削減と、しみんエネルギー(株)での食品残渣のコンポスト化によるごみ量削減を目標に、オーガニックランドやCAMACYのごみ組成の調査を目視で行い、データ分析を通してごみ重量の調査を実施しました。また、家庭ごみを使っての家庭用コンポスト製造法キエーロや実際に伊藤さんが作成した生ごみから作る段ボールコンポスト、高倉式コンポストなどの3つのコンポスト製造法を紹介しました。さらに、グリーンスローモビリティ事業への協力や中学生の椿植樹のサポートも行いました。「今回の経験を任国に生かせるよう記録を残しながら、残り一か月頑張りたい」と抱負を述べました。

NPO法人SETで活動中の浦田 菖平さん  

 2022年度2次隊としてルワンダに派遣予定の浦田 菖平さん(コミュニティ開発)は、NPO法人SETでGPに参加しています。
農や地域産業を通して地域を知ることで配属先の今後の事業展開に寄与することを目標に、わかめ養殖の作業、自然と人との共生の実現を目指すパーマカルチャー農園の整備、地元食材配達サービス、地域の食材を利用したカフェ「めぐる」の補助等、幅広い活動の報告をいただきました。周囲を巻き込みながら「現地に行った時に、その土地にある資源を使って、その地に根付いた農法で任務を行いたい」と意気込みを述べました。NPO法人SETの存在やつながりの強さを実感し、土に触れることが好きであるという自分自身の気づきにも出会えたという浦田さん。地域住民の方々との交流をより積極的に行い、今後はこれまでに取り組んできた活動をさらに展開しながら活動していく予定です。

合同会社ぶらり気仙で活動中の加藤 夕貴さん 

 2022年度2次隊としてウガンダに派遣予定の加藤 夕貴さん(環境教育)は、合同会社ぶらり気仙でGPに参加しています。
 余暇時間も積極的に自転車で出歩き、まちの魅力を探りながらSNSのフォロワー増加を目指した発信を行うと共に、自身の視点より陸前高田市の産業の高齢化や後継者等の課題発見、利益算出や流通経路の開拓を目指したジビエの新たなビジネスについて検討しました。ビジネススキルや経営戦略、イベントの企画や商品PR、情報発信の仕方、地域の人々とのコミュニケーションスキルを磨くことも目標に、他2名の隊員とも連携を取りながら活動を行いました。また、地域の環境保全について市民の方に考えてもらうきっかけ作りをしてもらおうと、陸前高田市の動物の魅力を紹介する子供向け、中高生向けのイベントも開催予定です。「GPの3か月で私にできることがあるのだろうか?」という課題に立ち向かいながらも「白紙の状態から人脈を作り今後の見通しを立てることができた」と発表しました。

※「JICA海外協力隊グローカルプログラム」
帰国後も日本国内の地域が抱える課題解決に取り組む意思を有するJICA海外協力隊が、地域の方々とともに、自治体等が実施する地方活性化や地方創生の取り組みを学び、海外での活動に活かしてもらうことを目的としています。訓練所での派遣前訓練開始前の期間(3か月間程度)に研修を行い、日本国内の地域活性化の取組みを知る事で、開発途上国での協力活動においても有益な実務経験や知見を得ることも期待されます。

報告者:JICA東北 小林/菊池