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【開発教育支援事業】より良い未来のために、今自分ができること/『JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト2022』東北5県合同表彰式を開催

2023年4月3日

東北から17名、13校が受賞! エッセイコンテスト合同表彰式を開催

オンラインで行われた表彰式

参加者全員記念撮影

 『JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト』は、次世代を担う中学生や高校生を対象に、途上国の現状や国際協力への理解を深め、より良い未来のために自分には何ができるのかを考えてもらうことを目的として毎年開催されています。2022年度の応募総数は43,880作品。東北からは66校、2,816名の中高生が参加し、その中から17名が個人賞を、13校が学校賞を受賞しました。

 JICA東北では2023年2月25日、東北5県の合同表彰式を開催しました。昨年度よりオンラインでの開催となった式典には、青森、岩手、秋田、宮城、山形の各校から生徒の皆さんや先生方が参加。JICA東北の小林雪治所長から受賞者一人ひとりに画面越しで表彰状が授与され、宮城青年海外協力協会の三田村 徳(あきら)会長からは受賞作品への講評をいただきました。

問いかけから考えを深める『JICA地球ひろば』ならではのワークショップ

問いかけをヒントに、日本と世界について考えたワークショップ

 表彰式後は、希望者を対象にワークショップを実施しました。講師を務めたのは『JICA地球ひろば』(東京都新宿区)の佐藤秀樹職員です。地球ひろばは、体験型展示やガイドとの交流を通じて世界の文化や各国が抱える課題に触れ、国際協力について考える施設です。ワークショップでは、佐藤職員から参加者に向けてさまざまな問いが投げかけられました。

 「SDGsの17の目標のうち、日本が達成済みとされたもの、深刻な課題ありとされたものはそれぞれ何か?」
「海外協力隊の活動では現地の文化を尊重することが基本だが、現地の風習が日本の感覚で性差別にあたるものだった場合あなたならどうするか?」

 問いかけは、“世界の中の日本”を考える上で欠かせない、それでいて普段は見過ごしがちな視点に気付かされるものばかり。参加したアルタンスフ・ボユンジャルガルさんは「日本のSDGs達成状況が予想と異なっていて驚いた。先進国には先進国の課題があり、世界全体で達成に向けた取り組みが必要だと学んだ」との感想を寄せてくれました。皆さん悩みながらも自分なりの考えを語り、他の意見にも真剣に耳を傾けたワークショップの1時間は、短いながらも示唆に富んだ貴重な時間となりました。

受賞作品紹介:国際協力特別賞「ゲームで繋がる世界」、東北センター所長賞「キペタ!」

エッセイコンテスト2022ポスター

 未来への可能性に満ちた中高生が、それぞれの視点で自分と世界とのつながりに目を向けたエッセイコンテスト。2022年度の募集テーマは「世界とつながる私たち—未来のための小さな一歩—」でした。東北5県の募集担当を務めたJICA東北の山下将一職員は応募作品について「東北の皆さんの作品は、どれも自分自身をしっかりと見つめて生まれた疑問や思いがありありと表現されていて、もっと多くの方々に読んでいただきたいものばかりでした。生徒の皆さんがこれから大人になって、どのように国際協力に携わっていくのか今から楽しみです」と話します。そんな受賞作品の中から、ここでは2作品をご紹介します。

◆「ゲームで繋がる世界」 小野寺 芽生さん(宮城県気仙沼高等学校)
 コロナ禍でオンラインサービスが爆発的に普及する中、高校の課題研究授業をきっかけに「オンラインゲームを介した国際交流でのパートナーシップ構築の可能性」について研究することにした小野寺さん。エッセイでは、初めて海外の人とゲームでやり取りをした際の緊張や、ちょっとした会話で思いを共有できた時のうれしさをつづるとともに、各国の人たちとの交流から見いだした「個人が世界と繋がる一歩」としてのゲームの可能性を説得力ある言葉で伝えました。その経験から将来の夢も見つかったと言い、国際交流の未来に大きな希望を感じさせてくれました。

◆「キペタ!」 大石 ちえりさん(五所川原市立五所川原第一中学校)
 大石さんの夢は、海外で人の役に立つ仕事をすること。エッセイは、夢の実現を目指して始めたオンライン英会話での体験を題材にしたものです。毎日のレッスンでさまざまな国の先生と触れ合う中で、内戦下の生活を知り、災害の知らせに心を痛め、また日本人としての誇りも芽生えたという大石さん。不思議なタイトル「キペタ」はフィリピンの先生がレッスンの度に口にしていた言葉なのだそう。その意味「Keep it up!(がんばり続けて!)」を知り、より強くなった夢への決意が作品に込められています。大石さんからはエッセイコンテストについて「英語を勉強する目的が明確になり、自信が生まれた。将来は海外でのボランティアも経験してみたいと思った」との感想もいただきました。

次回テーマは「地球に生きる私たち—未来へつなげるために—」

 今年6月には2023年度のコンテストの作品募集が始まります。テーマは「地球に生きる私たち—未来へつなげるために—」。山下職員は中高生に向けて次のようにエールを送ります。「コンテストの名称に“国際協力”という言葉が含まれますが、海外の経験がなくても、身の回りにはさまざまな“世界とのつながり”を感じるきっかけがあります。ぜひ生活の中で見つけた小さなきっかけから考えること、願うことを、言葉で表現してみてください」。皆さんからのたくさんのご応募をお待ちしています。

2022年度 青森県・岩手県・秋田県・宮城県・山形県の受賞者・受賞校の皆様

【国際協力特別賞】
宮城県気仙沼高等学校 小野寺 芽生さん 「ゲームで繋がる世界」

【独立行政法人国際協力機構東北センター所長賞】
五所川原市立五所川原第一中学校 大石 ちえりさん 「キペタ!」
青森県立三本木高等学校 坪 和奏さん 「どんな場所にいても」
盛岡市立上田中学校 久慈 麻里夢さん 「未来への一歩を踏み出す」
専修大学北上高等学校 伊藤 伶真さん 「堰払いから見えた世界」
八峰町立八峰中学校 松橋 優花さん 「世界のためにできること」
聖霊女子短期大学付属高等学校 アルタンスフ・ボユンジャルガルさん 「『性格』を伝える、受け取る力」
仙台市立五橋中学校 米田 九竜さん 「弟はカンボジアにいます」
宮城県仙台二華高等学校 髙橋 怜楽さん 「私とあなたを知るために」
山形市立金井中学校 内藤 美桜さん 「日本に生まれた私にできること」
山形県立山形東高等学校 石山 悠さん 「海を越えてつながる」

【佳作】
学校法人聖和学園 聖和学園高等学校 長岡 はづきさん 「小さなことが地球全体を救うカギに!」
学校法人聖和学園 聖和学園高等学校 菅原 和奏さん 「本当に大切なこと」
宮城県富谷高等学校 斉藤 陽さん 「小さな幸せを世界へ」
学校法人尚絅学院 尚絅学院高等学校 簗場 麻花さん 「本当の平和とは」
宮城県仙台第三高等学校 福田 理央さん 「正しい支援」

【宮城青年海外協力協会会長賞】
宮城県仙台東高等学校 濱中 涼さん 「自分らしく生きる世界へ」

【特別学校賞】
(宮城県)宮城県富谷高等学校
宮城県仙台東高等学校
(山形県)山形県立鶴岡中央高等学校
山形県立谷地高等学校

【学校賞】
(青森県)八戸工業大学第二高等学校附属中学校
学校法人大和山学園 松風塾高等学校
(岩手県)岩手県立盛岡南高等学校
(秋田県)秋田県立横手城南高等学校
(宮城県)学校法人聖和学園 聖和学園高等学校
学校法人尚絅学院 尚絅学院高等学校
宮城県泉高等学校
(山形県)米沢市立第二中学校
東根市立第二中学校