ユニバーサルスポーツフェスティバルを開催しました!

感染予防の観点からオンラインで実施。思い切り身体を動かすことはできずとも学びあり、笑いありの充実した時間となりました!

2020年11月2日

コロナ禍で助けを求め辛く、ひきこもる障害当事者

八代英太氏(ADDP、車いすユーザー)

 2020年10月17日(土)オンラインで実施した『ユニバーサルスポーツフェスティバル』の開催報告です。幼児から80代の方まで幅広い年代の約40名の方々にご参加いただきました。

 冒頭、アジアの障害者活動を支援する会(以下、ADDP)の八代英太氏(車いすユーザー)とJICA東京センターの定家陽子(視覚障害者)が『コロナ禍における障害者の暮らし』と題し対談を行いました。

司会中村由希氏(ADDP、左)とJICA定家陽子スタッフ(視覚障害)

 八代氏から外出先で車いすごと転倒した際、感染を恐れて周囲の人々が八代氏に触れることを躊躇したため、しばらく助けてもらえなかったという最近のエピソードが語られました。また、視覚障害のため日常的に物に触り確認しているJICA定家からは、周囲の感染予防を求める目に応えて触る前に手をアルコール消毒していたため手荒れが激しくなったことが紹介され、コロナ禍で皆が互いの接触を避ける中、障害者も周囲に助けを求め辛くなり、孤独を感じやすい状況となっていることが明らかとなりました。
 障害者にとってのユニバーサルスポーツの意義について、八代氏・定家とも『ユニバーサルスポーツは障害の有無に関わらず一緒にプレーすることができるため、競技を通じて障害者とその周囲の人々の間にある心のバリアが下がるように感じる』という意見で一致しました。

ラオスで同日開催!卓球バレー&ボッチャ大会中継

服部直充専門家(ユニバーサルスポーツ)

堀川裕二専門家(卓球バレー)

 専門家によるユニバーサルスポーツと卓球バレーの解説の後、同日にラオス・ビエンチャンにあるADDP事務所で開催されたユニバーサルスポーツ大会の様子が中継されました。知的障害、視覚障害、脳性麻痺の方等を含めた若者チームと大人チームの卓球バレーの対戦にはJICAラオス事務所所長・米山も参加させていただき一緒に楽しみました。

 参加者インタビューで「ユニバーサルスポーツは、家に閉じこもりがちなラオスの障害者が外に出て社会や他の障害者の方々と出会うきっかけを作ってくれた」と、ラオスのパラパワーリフティング代表選手で障害当事者でもあるピア氏がその意義を語りました。

ラオス中継:卓球バレーの様子

ラオス中継:簡単な手話を学びました

 また、実施中のJICA草の根技術協力事業「ラオス 障害者スポーツ普及促進プロジェクト」を共に実施しているラオス教育スポーツ省職員からは「ラオス政府は障害の有無を越えて共生社会の実現に繋がるユニバーサルスポーツを重視し、全国で普及展開している。パラスポーツ選手の育成に繋がる点も良い。」というお話もありました。
 ラオス中継の最後には、ラオス人の手話講師から自己紹介用の手話を楽しく学びました。

オンラインでチームワークを発揮!ミニゲーム

ご参加者の様子

 最後にオンライン上で『ユニバーサルスポーツ』のエッセンスを体験できるよう工夫したミニゲームで、チーム対抗戦を行いました。種目は、『番号送り』、『眉毛スクワット』、『あっちむいてホイ』の三つ。当日オンライン上に集った参加者でランダムにチームを作り、笑いのこぼれる熱い戦いを繰り広げました。

 参加者からは、「ユニバーサルスポーツはどんなものか知らずに参加しましたが、詳しく説明がありとても分かりやすかったです。」「コロナでとかく暗いニュースの中オンラインで繋がる喜び楽しさを感じました!」「スポーツにもユニバーサルという考え方があることに、参加させてもらってやっと気付きました。多様な人々が共に生きていけるように少しずつでも力を尽くしたいと思いました。」等の感想をいただきました。
 コロナ禍のため実際に身体を動かすことができないことは残念でしたが、オンラインだからこその良さも活かした形で障害の有無を越えた繋がりの場を持つことができました。共催のADDPの皆さま、ご参加くださった皆さま、誠にありがとうございました。