困難・限界を乗り越えてSTEM(科学・技術・工学・数学)分野で活躍する女性達!

オンライン・シンポジウム「女性のためのSTEM(科学・技術・工学・数学)分野のキャリア形成」長期研修員への応援も込めて開催!

2021年1月6日

近年のアジア諸国の発展の背景には、アジアでの工学教育の成功が見られます。例えば、ロボットコンテストでのアジア諸国の学校の活躍等からもその動きを知ることができ、学校現場での理数科教育の充実は、国や地域の発展のためにも欠かせません。しかし、このSTEM(科学・技術・工学・数学)分野の人材は、昔から男性が優位といわれており、女性が参加しても活躍に限界がある、ジェンダー・バイアス(偏見等による社会的性格差)の存在がある、という問題も指摘されています。

シンポジウムに参加した総勢11名のJICA長期研修員の皆さん

このたび、日本の大学に留学して母国の課題解決のための学業・研究を続けているJICA長期研修員のうち、STEM(科学・技術・工学・数学)分野専攻の女性に焦点を当て、研究活動やキャリア形成を行う際に立ちはだかる困難や可能性について話し合う場を企画し、12月22日夕方(14時から16時)に「JICA Online Symposium on Women’s Career Development in STEM※/開催報告 JICAオンラインシンポジウム 女性のためのSTEM(科学・技術・工学・数学)分野のキャリア形成」を実施しました。

キャリア形成における課題を提示するJICA長期研修員ヴィクトリアさん(マラウィ)

JICA東京 田中所長のあいさつ

オンライン遠隔方式で実施した本シンポジウムでは、基調講演「日本のSTEM分野における女性のキャリア形成の現状分析と課題」河野銀子教授(山形大学)と事例発表「STEM分野における女性の活躍」阿部玲子氏(オリエンタルコンサルタンツグローバル(株)に続き3名のJICAの女性長期研修員(ヴィクトリアさん/マラウィ、 ドミニカさん/インドネシア、アラティさん/ネパール)によるSTEM分野でのキャリア形成についてのプレゼンテーションが行われました。

長期研修員のプレゼンテーションでは、母国でフィールドリサーチや学術研究を行ううえで、女性であるが故に不利であったことや、仲間からアンケートで聞き取った情報からジェンダー・バイアスに係る様々な考え方があることが明らかとなり、彼女たちは限界を乗り越えるようとする意欲が強いことも見て取れました。その後、参加者は3グループに分かれて、自分たちの経験を踏まえて意見交換しました。

今回参加したのは、東京都・千葉県・埼玉県・群馬県に所在する大学院で学ぶアジア、アフリカ、中南米の女性長期研修員11名で、彼女たちからは次のようなコメントが寄せられました。
・前進するための決意や経験、ビジョンを知ることでとても刺激を受けた。
・困難にめげずに、私たちは目標を達成できる。
・将来のキャリアへチャレンジしようと、とても勇気づけられた。

また、彼女たちは自国の発展のために研究を行うモチベーションに関しても熱心に語り合っていました。新型コロナ禍によって行動や生活が制限されている長期研修員達への応援の意味も込めた企画でしたが、遠方のため日ごろ話すことも少ない研修員同士が知り合うきっかけにもなり、また企画してほしいという声ももらいました。