【開催報告】ユニバーサルスポーツフェスティバル2021

12月12日(日)、近隣の子供たちやJICA研修員、高齢の方々が一緒にJICA東京の体育館で「ユニバーサルスポーツフェスティバル2021」を楽しみました!

2021年12月27日

JICA東京体育館が久しぶりに賑やかになりました

卓球バレー対戦の様子。
世代を超えて、皆で楽しみました。

風船バレー。
相手チームに車いすユーザーがいる場合は、車いすを使い同じ条件にします。

12月12日(日)、JICA東京の体育館で「ユニバーサルスポーツフェスティバル2021」が開催されました。「ユニバーサルスポーツ」とは、年齢や国籍、障害の有無に関わらず、皆が一緒に楽しむことができるスポーツの総称です。2017年からJICA東京主催、特定非営利活動法人アジアの障害者活動を支援する会(以下、ADDP)との共催で実施しています。

対面では2年ぶり(去年はオンライン開催)となった今年の「ユニバーサルスポーツフェスティバル2021」は、感染拡大防止のため定員を設けて募集することとなりましたが、開催2週間以上前には定員に達し申込を締め切るほどの盛況ぶりでした。当日は、近隣地域に住む親子や高齢者、長期研修員、その他JICA関係者など約50名が参加。8チームに分かれて「風船バレー」「卓球バレー」「ボッチャ」の3つの競技を体験し、熱い戦いを繰り広げました。

車いすを利用されている方や視覚障害者の方がチームにいる場合、対戦相手も車いすやアイマスクを使って両チームを公平にするといった配慮や、各競技を全員が楽しむための工夫がされているのがユニバーサルスポーツ。風船バレーでは、風船を相手コートに返す前にチームの全員が風船に触れなければいけないルールとなっており、子どもや障害を持つ方のサポートなどチームでの協力プレーが必須です。最初は参加者同士慣れない様子もありましたが、イベント後半にはチームの皆でカバーし合う素晴らしいプレーをたくさん見ることができました。

素敵なエピソードから考える本イベントの意義 

ボッチャの様子。
天才的に上手な子供たちがいました。

卓球バレー。
板を持って、卓球台を囲んでプレーします。

競技中に、コート外に出た風船を追って壁に頭をぶつけてしまった女の子がおり、痛そうでとても心配しましたが、幸い軽傷だったようですぐにゲームに復帰しました。この一生懸命なプレーに専門家が感動し、表彰時サプライズでこの女の子個人に「ハッスル賞」が授与されました。すると、女の子は「チームのみんなと表彰を受けたい」とチームメイトを呼び、一緒に表彰を受けることになりました。数時間前にはじめてであった人々の間に、スポーツを通じて絆が生まれたことを象徴するような素敵な一コマでした。

ADDPは、実施中の草の根技術協力事業「ラオス障害者スポーツ普及促進プロジェクト」において、ユニバーサルスポーツの全国普及を進めており、スポーツが障害をもつ方々が家の外に出るきっかけになること、また自信を持つきっかけになることを目指しています。本イベントは、このユニバーサルスポーツを実際に体験することで、参加者にこの事業の意義を感じていただくこと、更には日本においてもよりインクルーシブな地域社会が実現することを期待し実施しているものです。

卓球バレー。
音の鳴るボールを使っています。
ネットの下をくぐらせて相手コートへ。

優勝したダイコンチームの皆さん。
おめでとうございます!

年齢が離れていても、障害があっても、国籍が違っていても…、様々な違いを超えて皆が楽しめる。まさにその言葉の通り、ユニバーサルスポーツを通して様々な人たちが1つとなって楽しむ姿がありました。参加者同士で勝利を喜び合う姿や笑顔には、続くコロナ禍の難しい状況を吹き飛ばす勢いの力強いパワーを感じ、活き活きとした盛り上がる興奮を久々に体感することができました。

参加者からは「様々な年代の方とスポーツを通して交流ができてとても楽しかった」「皆で気持ちを合わせて楽しむことができて良かった」といった感想が聞かれました。最後に順位が発表された際には各チームで大きく喜び合う様子が見られ、2時間半という短い時間ではありましたが、ユニバーサルスポーツの力で、参加者間の違いを超えてチームがあっという間にひとつになって楽しむことができた「ユニバーサルスポーツフェスティバル2021」となりました。