ふなっしーには負けないぞ!松戸市の梨をドミニカ共和国の特産品に!(続編)

梨の名産地・千葉県松戸市がドミニカ共和国で草の根技術協力事業・梨栽培支援プロジェクトを開始します。今回松戸市にある梨園、吉乃園を訪問し詳しいお話を伺いました!

2021年8月31日

ドミニカの奇跡

東洋梨育種研究家の田中茂さん

「ドミニカ共和国で梨が実ったときは、"奇跡"だと言われたね。」
そう話すのは、東洋梨育種研究家の田中茂さん。病害虫に強く、花芽がとばない、自家受粉率が高い、という特徴を持つ梨の品種「秋のほほえみ」「秋ゴールド」の育成者で、本プロジェクトに専門家として参加されます。
梨の収穫時期は夏ですが、実りの準備は冬からはじまっています。冬の厳しい寒さの中、葉を落とし樹に栄養を蓄えることで、次の実りへと繋がります。木々が落葉しない亜熱帯気候のドミニカ共和国では、東洋梨栽培は難しいとされていました。そのような中、現地で見かけた西洋梨栽培から可能性を感じ、田中さんの梨の栽培が始まりました。栽培地域や栽培方法を工夫することで、本来の大きさには及ばないながらも、甘い梨を収穫することができました。
「現在より、梨の品質・収穫量を向上させたい」とのさらなる思いで、現地の栽培環境にあった接ぎ木方法や栽培方法を模索しているそうです。

田中さんと松戸市職員の方から説明を受けるJICA東京所員

松戸市の職員の方はこのプロジェクトに熱い想いをもっており、
「いずれは現地の方だけで日本梨の栽培を行えるような活動にしたい。」
と、現在プロジェクト始動前ではあるものの、先を見て育成時期に合わせた活動を始めています。定期的に梨園を訪れ、紙の資料だけでなく動画も利用した指導を行えるように田中さんの作業を見学、動画・写真撮影などしているそうです。
今回私たちJICA東京所員も梨園を見学し、田中さんの詳しいお話を聞かせていただいたことで、遠く離れたドミニカ共和国の地で、梨園が展開されていく具体的なイメージが沸いてきました。

定植から4年目の梨の樹

随時プロジェクト進行状況を更新いたします!

市民参加協力第一課・高橋瑞樹