10月22日はドリップコーヒーの日!温かいコーヒーを飲みながら一緒に「コーヒー畑の改善事業」について学びませんか?

おいしいコーヒー豆はどのように作られているのでしょう。日本が輸入しているコーヒー豆の多くは途上国から来ています。今日は東ティモール「コーヒー畑改善プロジェクト」から、コーヒーを作るところから出荷され私たちの手に届くまでの一部始終を見ていきましょう。

2022年10月21日

東ティモールのコーヒーの木  

コーヒーの木1本から40杯分しかとれません

いきなりですがコーヒークイズです。
Q1:コーヒーの木1本からとれるコーヒー豆の量はどれくらいでしょう?
正解は、400gです。これはコーヒー40杯分にあたります。コーヒーの木1本からコーヒー40杯分しかとれないと考えると、コーヒー豆がとても貴重なものであることが分かりますね。

Q2:コーヒーの木の収穫のピークは一般的に何年でしょうか?
正解は、15年~20年といわれています。
東ティモールのコーヒーの木は樹齢30年を超えるものがほとんどです。木の老朽化によりコーヒー豆の収穫量は年々減少し、コーヒー農家の生活も苦しくなっていきました。
そこでコーヒーの木を若返らせ収穫量を増やし、若者が誇りを持ってコーヒー生産を続けられるように、2019年に特定非営利活動法人パルシックとJICA草の根技術協力事業(パートナー型)「東ティモール国コーヒー畑の改善事業」を開始しました。

収穫量を増やすコーヒー畑改善事業開始!  

種子から1年かけて苗を育てています


本事業では、コーヒーの木を若返らせるために大きく5つの取り組みを行っています。
①台切り
②新しい木の植え替え
③畑の整地(等高線テラス)
④施肥
⑤草むしりと剪定

台切りとは、古くなったコーヒーの木の幹を切り、切り株から出た新しい芽を新幹に仕立てることです。新しい芽は3年ほどで実をつけるようになります。根が古すぎて新しい芽が出ない場合や新たな土地には新しいコーヒーの苗を植えて育てます。1年かけて種子からコーヒーの苗を育て、植え替えた後は2年ほどで実を収穫できるほどに育ちます。このようにして古くなった木から新しい木へと若返らせていくのです。
コーヒー畑の改善は木を若返らせるだけではありません。畑の整備も重要です。生い茂った草木を取り除き、畑を整地することで土壌に含まれる養分をコーヒーの木が吸収しやすくします。土壌をより良くするために、生ごみや落ち葉、牛糞などを混ぜた有機堆肥を作り、土に混ぜる取り組みも行っています。
このようにコーヒーの木だけではなく、畑全体を改善していくことがたくさんの実を収穫するために重要なことなのです。

二年半を経てコーヒー畑と農家さんの表情に変化が!現地の声は? 

たくさん実をつけるようになったコーヒーの木と、コーヒーの実を収穫する様子

コーヒーの実から種子を取り出して 加工していきます


プロジェクトに参加したコーヒー農家さんの声が届きました。
「この事業に参加するまでは、伝統的な方法で畑を維持することしかできず、古くなった木からコーヒーを収穫し続けていました。この活動を通して苗の育て方や畑の手入れ等についての新しい知識を学び、パルシックの技術的サポートを受けてコーヒー畑の改善を進めることができています。新しく植えたコーヒーの木の成長を慎重に見守りながら、5年かけて全ての畑の若返りをしていきたいと考えています。 また、ここで得た知識と技術を新しい世代の子どもたちが引き継いでいってくれることを望んでいます。」
パルシックとコーヒー農家は、若い世代へと受け継がれていく持続可能なコーヒー生産を目指して今日もコーヒーと向き合っています。

乾燥・ 脱穀・選別された生豆

出荷されるコーヒー。日本にも輸出されます!

報告者から一言・・・
今回は「東ティモール国コーヒー畑の改善事業」から、コーヒーが種子から育ち出荷されるまでを学びました。おいしいコーヒーの裏側にはたくさんの労力と愛情が詰まっています。貴重なコーヒー豆を作り世界へ提供するコーヒー農家の皆さんに、美味しいコーヒーをありがとうと伝えたくなりました。
次の世代へと受け継がれていくコーヒー事業を支えるパルシックの取り組みが気になった方は是非以下リンクからパルシックのHPをご覧ください。

JICA東京市民参加協力第二課 インターン 前田 真鈴