【JICAのインターンを知ろう!】草の根技術協力事業の振り返りと発信~インターンの学び編~

私たちはJICA東京市民参加協力第二課初のインターンとして、約2か月間、草の根技術協力事業の振り返りを行いました。インターン活動を終えた今、応募したきっかけからインターンを通じての学びを語ります。

2022年4月12日

ー 応募したきっかけ ー 

インターン最終日に記念撮影
織本七(左)、三島優一(右)

三島:私は大学に入学してから国際協力の世界に足を踏み入れました。様々な経験をする中で、国際協力には多種多様なアプローチがあることを知り、その中でもよりミクロな、草の根レベルの国際協力に魅力を感じました。このインターンに参加すれば、自分がまだ知らない国際協力について学ぶことができると考えました。ひとつの事業について詳しく分析するといった経験はなかったので、このインターンを通してどのようなことを発見できるのか胸が躍っていました。
また、私は将来的に国際協力をより多くの人にとって身近なものにしたいと考えています。草の根技術協力事業には3つの重要な視点というものがあり、そのうちの一つは「日本の市民の国際協力への理解・参加を促す機会となること」です。インターンの成果を、国際協力にあまり触れてこなかった人でもわかりやすく発信することを目指す今回のインターンは、私にとってピッタリでした。

織本:高校時代に音楽留学をしていた際、当時師事していた先生が発展途上国の子どもたちに音楽を教える活動をしていたことに関心を持ち、将来は自らも国際協力に携わりたいと考えるようになりました。そのような希望もあり、大学では国際関係学部に入学。JICA職員やJICA海外協力隊経験者が大学で講演をしてくださったことをきっかけにJICAを知りました。特に専門性のない私が将来国際協力に携わることができるのか、イメージが湧かずにいた中で本インターンポジションを発見。思い切って応募をしました。

ー 応募の際に ー 

三島:エントリーシートの設問や面接時に聞かれた内容を振り返ると、インターンシップへの志望動機はもちろんですが、「インターンシップに参加してどのようなことを成し遂げたいか」というように、インターンシップに参加した後についても深く考えているかが問われていると感じました。草の根技術協力事業の振り返りをインターンとして行うにあたって、具体的にどのような活動をすることで何を成し遂げることができるかを十分に考えました。面接では基本的にエントリーシートに書いた内容について質問されますが、国際協力に関してどのような関心をもっているかを今までの経験も踏まえつつ話すことができるようにしておいた方がいいとも思います。

織本:JICAのインターンに応募した際驚いたのは、「提出する書類の量がとにかく多い!」こと。そして内容もなかなか難しかったのを覚えています。特に、本ポジションは「草の根技術協力事業の振り返り」を中心にしていたためJICAの国際協力についてどれほど関心があるのか、将来のキャリアプランについても踏み込んで書きました。一次審査が通過し、面接では実際一緒に働くことになる職員の方とお話しをしました。

ー 印象に残っていること・学び ー

パソコンと向き合って一生懸命作業中…

三島:約2か月間のインターンで印象に残っていることを一つだけ挙げると、それは「膨大な資料の数」です。私は主にデータの分析を行ったのですが、たった5年間分の草の根技術協力事業のデータをまとめるのにとても時間がかかりました。あれだけのExcel資料を開いて細かくチェックしていったのは初めてです(笑)。とはいいつつも、この分析が大変すぎてもうやりたくないということではありません。地道な作業ではありましたが、データの分析を通して、草の根技術協力事業がNGOや民間企業・自治体などにとってより身近な事業となるように、データの中でもどの点に注目してまとめていけば事業の良いポイントや改善点を見つけることが出来るのかを意識して取り組んでいました。
今回行った草の根技術協力事業の振り返りをまとめた報告書は、今後JICA東京HPで掲載される予定です。インターン活動の成果が今後事業にどのように反映されるかはまだ分かりませんが、日本の国際協力を支える基盤にはこのような地道な作業の積み重ねの存在があることを改めて身をもって実感できたと思います。

JICA東京の館内には世界各地の様々な民芸品が並んでいて、日本にいながら小さな世界を感じることができました。

織本:配属課の皆さんはフレンドリーかつバックグラウンドが様々。海外経験も豊富なため非常に貴重なお話が聞けました。特に、昨年まで発展途上国の現地でご活躍されていた方もいらっしゃるので、自分の関心分野や国のこと、現地での生活や現場のリアルについてなどについて幅広く教えて下さり、「国内にいながらも国際協力を実感できた」ことが印象的です。今回の調査や分析、報告書作成などを通じ「長期的な視点でプロジェクトを遂行する」能力が身についたことが1つの成長ではないかと考えています。2か月という短い期間の中で本当に盛りだくさんの作業だったので、常にパソコンと向き合い、しばしばタスクに追われることもありました。しかし、JICA職員の方も含めたチームで協力し、概ね計画通りに進めることができたことは成果と言えると思っています。また、NGO等団体の方々とコンタクトをとることも多くあったため、実際に働くために必要なメール対応や雛形作成など、事務的能力も体得できました。何よりも「JICA職員として携わる国際協力のかたち」を学ぶことができたことが大きな収穫ではないかと思います。

ー インターンを終えて ー

三島:私は海外に渡航して国際協力活動に携わった経験はありませんが、協力隊OVの方などから国際協力のお話をお聞きする機会は多々あり、現地の村人と井戸を掘ったり、農業を教えたり、といったことが国際協力だと考えていました。しかし今回のインターンを通して、国際協力の担い手を支える仕事も立派な国際協力であることを学びました。私は海外に飛び回って現地の人々と一緒になにか事業がしたいのか、それとも国際協力の担い手を支える仕事がしたいのか。一体どちらなのかまだ分からないですが、将来の私の国際協力キャリアを考えさせられた2か月間でした。

JICA東京センター夜の外観

織本:「JICAってどんな場所なの?」「職員の人は何をしているの?」「そもそも国際協力って? 」そんな漠然とした疑問を持っていた私にとって、この2か月は「国際協力に携わる将来像」を鮮明にしてくれるものでした。もちろん、世界中を飛び回り、現地関係者と実地活動をすることも国際協力の一つですが、海外のプロジェクトを国内からサポートするという仕事があると学んだことで、更に選択肢が広がったのではないかと感じています。そして何より、草の根技術協力事業に携わるJICA職員の方々が「信頼で世界をつなぐ」というミッションの元、熱意を持って国際協力に携わられている姿に感銘を受けました。

大学生で少しでも国際協力に興味を持っている方、JICAの活動にチャレンジしてみたい方、是非インターンに応募してみませんか?


市民参加協力第二課インターン 織本七、三島優一