キャリアインタビュー 第2弾!

2023年3月17日

JICAで働くスタッフは、そもそもなぜJICAに入り、どのようにして現在に至り、何を思って働いているのでしょうか?将来国際協力を目指す方への参考に、インターンの猪原が突撃インタビューして参りました!今回は第2弾、JICA東京市民参加協力第二課の澤﨑千晴さんです。笑顔が素敵な澤﨑さんですが、協力隊時代には悩みもあったのだとか…

海外協力隊参加までのキャリア 

JICAパラグアイ事務所にて(右から2番目が澤﨑さん)
※プライバシーの関係で一部モザイクをしています

◆国際協力に興味を持ったきっかけは?
正直、国際協力に初めから興味があったわけではなく、もともとは海外の児童書が好きで海外に興味を持つようになったのですが、気づいたらそれが国際協力への興味に変わっていました。高校生の頃から、途上国への支援をしたい、国際協力や国際関係学を学びたいとぼんやりと思うようになり、大学は国際学科に進学しました。
大学1年生の時にカンボジアとベトナムに行き、寺子屋や、ストリートチルドレン友の会、戦争博物館など、様々なところを見学しました。それがきっかけで「国際関係だけを学ぶのではなく、自分には何かスキルが必要なのでは…?」と思うようになり、日本語教育のコースで学ぶことにしたんです。大学時代は留学をしなかったので、4年で卒業した後に協力隊に入りました。実は、大学院も合格していたのですが、やっぱり協力隊が良かったです!

◆協力隊に応募しようと思った理由は?
大学3年生の冬に、大学院の先輩から、「澤﨑ちゃん、カンボジアとかベトナム行ってるんだから、協力隊応募してみたらいいじゃん!」と言われました。その時は、「協力隊ってすごい人の集まりだ」と思っていたので、応募など考えたこともなかったのですが、そのあとすぐに募集説明会に行って、日本語教育でも活躍できるということを知り、次の月には応募をしました。

協力隊時代の思い出

◆協力隊ではどこで何をしていたのですか?
派遣国はパラグアイで、私立の学校に配属になりました。幼稚部から高等部まであり、年齢的にも幅広い児童・生徒がいる学校で、約9割が非日系人、約1割が日系人でした。学校の理事長が日系人だったこともあり、小学生以上は、日本語の授業を受けることが必須になっていたので、そこで日本語を教えていました。

日本語の授業の様子
子どもたちも積極的に授業に参加しています!

◆協力隊時代に大変だったことは?
大学卒業後、日本語学校などでの教師経験が無いまま派遣されていました。現地に行くと、年齢的にも日本語教師としての経験でも、自分よりずっとずっと先輩方がいる中で、「自分は何をしに来たのだろう…」という無力感を覚えました。「配属先の先生は、児童・生徒の扱いにも慣れていて、何か起きたらすぐに対応できる」と思ったときに、「果たして自分はここで何をするのだろう」「何を期待されているのだろう?そもそも期待をされていないのかも…」とも思うようになり、気持ちがどんどん落ち込んでいってしまいました。これに関しては正直、乗り越えられたのか分かりません。協力隊の任期が終わる頃になっても、「本当に私が来てよかったのか」「他のもっと経験がある人が隊員として来ていれば、ここの先生たちはもっと助かったかもしれない」「生徒はもっと日本語が楽しめたかもしれない」と色々思っていました。でもだからこそ、「これでいいや」という考えではなく「もっと良くするにはどうしたらいいか」「自分にできることはまだあるんじゃないか」という姿勢で活動ができたと思います。活動が終わる日に、カウンターパートの先生から「はじめは不安だったけど、今はどこに出しても恥ずかしくない日本語教師だよ」と言われたときは涙が出るほど嬉しかったです。

協力隊後のキャリアと今後の目標 

◆協力隊の後はすぐにJICAに入構されましたか?
協力隊の後は約2年弱、民間企業で営業をしていました。その後JICAに入構し、青年海外協力隊国内協力員という帰国隊員向けのポジションで、青年海外協力隊事務局人材育成課で働いていました。自分が入構したときは、新型コロナウイルスの影響で協力隊員が一人も現地にいないという状況だったので、感染拡大が落ち着いて派遣再開後第一号の隊員が出発したときには、やはり感動するものがありました。
1年後、専門嘱託として海外業務第一課というところで働くことになり、ここでも約1年間勤務しました。ここでの仕事が楽しく、「専門嘱託として有期で働くのではなく、今の仕事を続けたい!」という想いから、職員募集に応募をして、採用していただきました。職員になってすぐ、今の部署への異動となり、最初は不安でしたが、皆さんいい人ばかりで、毎日が楽しいです。

◆今後の目標を教えてください
今の課に来たのが今年の1月なので、まずは早く仕事を覚えて、頼られるような存在になりたいです!あとは、協力隊を経験したことで、日系の人との関係やつながりを意識する気持ちが生まれたので、日系社会や日系の地域にも貢献したいです。


報告者より…
JICAでは、いろいろな働き方がある中で「JICA職員として仕事を続ける」という選択をした澤﨑さん。今後、益々頼れる存在になっていること間違いなしです!

市民参加協力第二課 猪原彩美(インターン)