JICA留学生へのインタビュー(南スーダン出身Mr. BAGINI、新潟大学大学院自然科学研究科修了)

2022年3月、新潟大学にて修士号を取得。同年4月より香川県の企業にて2か月間の修了時インターンシップに参加。この度ABEイニシアティブプログラムを修了し、帰国直前の南スーダン長期研修員サイモンさんに突撃インタビュー!日本での留学生活、香川県でのインターンシップを通じて感じたことを語っていただきました!最後に語っていただいた、アフリカの若者への熱いメッセージもお見逃しなく!

2022年6月9日

ABEイニシアティブプログラムへの応募のきっかけ~来日まで

笑顔のサイモンさん
JICA東京にてJICA修了証書とともに

氏名: BAGINI Simon Ubengi Elnourさん
出身国: 南スーダン
留学先: 新潟大学 大学院自然科学研究科 博士前期課程
JICAコース: ABEイニシアティブプログラム
研修期間:  2019年9月~2022年5月

 私は小さい頃から、周りの人々が「日本の技術や品質はすごい」と言っているのを聞いていたため、日本に対する興味・関心がありました。今思えば、その頃から「日本で学びたい」という脳内信号が出ていたのだと思います。そしていつしか、日本留学は自分にとっての希望であり、夢となっていました。
 ABEイニシアティブプログラムは、3回目のチャレンジでようやく合格しました。このプログラムは、私にとって、日本で学ぶという夢を達成する機会だったのです。

新潟県での大学院生活

【研究生活】
 2019年9月、私はちょうど新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大がはじまる数か月前に、新潟大学工学部の研究生として来日しました。

茶道体験。着物も初体験

 私の博士前期(修士)課程における研究テーマは、「シアバター由来バイオディーゼルの製造と精製に関する研究」“Production and Purification of Biodiesel Derived from Shea Butter”でした。
 来日当初は研究生でしたが、大学の留学交流推進課からのサポートもあり、日本の生活に馴染むのにさほど困難はありませんでした。半年後には、大学院自然科学研究科博士前期(修士)課程に在籍するようになりましたが、留学交流推進課に加え研究科も非常に協力的であり、また研究室の様々な先輩方が学業も生活面も助けてくれました。指導教員である多島先生のご指導のおかげで研究も順調に進めることができ、深く感謝しています。

稲刈り体験での記念撮影

燕三条での銅製
タンブラーものづくり体験

【研究室外での生活】
 来日してしばらくは新型コロナウィルス感染拡大前だったため、茶道体験をはじめとした、日本ならではの文化活動に参加することができました。
 その後の大学院生活では新型コロナウィルス流行による影響もありましたが、2021年夏には国際大学で実施された5日間のJICA日本理解プログラムに参加し、その中で田んぼでの稲刈りや新潟県燕三条での銅製タンブラー作りといった貴重な体験を楽しむことができました!

 ちなみに日本人の生活文化で私がとても気に入っているのは、朝のラジオ体操です。身体を活性化して一日をはじめることが出来るのでおすすめですよ!

香川県で修了時インターンシップ

インターン中の様子

香川県での讃岐うどん製麺体験

 新潟大学での博士前期(修士)課程修了後は、2カ月間、日本企業でのインターンシップに参加しました。香川県の企業「株式会社サンテック」にて、日本のビジネスマナーや企業経営を学ぶとともに、日本の「ものづくり」に触れることができました。インターン先企業の建物の前にはインターン中の留学生の各国国旗が掲げられ、温かく迎えていただきました。自身の専門分野はエンジニアリングなので、工場内で具体的な製造技術や工程管理を実際に体験することは大きな喜びでした。香川県滞在中は、他にも讃岐うどんの製麺体験もすることができました!

帰国後の予定とこれから日本で学ぶ長期研修員に向けたメッセージ 

 帰国後は、もともと所属していた南スーダンの石油省に復職します。日本の大学や企業で自身が得た知識と経験を活かし、自国の発展に貢献したいと考えています。また、日本と南スーダンを繋ぐ橋渡し役として、両国がより良い関係を育めるよう努めていきます。そして、いずれ日本企業がビジネス投資をしに南スーダンに来てもらえるようがんばります。

 私は小さい頃から、家族の学費や制服代を払うためにガラスを売ったり、縫製のアシスタントをしてきました。自身が初等教育を学び始めたのは、13歳からでした。私がこの日本留学プログラムを終了した、という部分のみを見れば、単なる成功した人の話として羨ましいだけかもしれません。しかし、ここに至るまでには非常に多くの苦労がありました。
 しかし、私はこうした苦労を乗り越えて、今ここにいます!それを皆さんにも知っていただきたい、そして多くのアフリカの若者に、ABEイニシアティブプログラムの機会を掴むことを薦めたいです。日本に実際に来て、教育、技術、イノベーション、そして文化を体験することです。
日本は、アフリカの若者の夢を実現できる可能性に満ちています。
次はあなたが体験してみてください!