【所長のつぶやき】Ver.2 ~シリアにて、海外協力隊員と共に~

2022年6月23日

【画像】今回は所長が若かりし頃、初めての海外赴任先・シリアで出会った海外協力隊員たちとの思い出をつぶやきます。

今、そして未来にも思いを馳せて・・・。

私も各県での募集説明会に行きました!

募集説明会にて挨拶をする私

JICA東京のサイトにご訪問いただき有難うございます。所長の田中泉です。
JICA東京を応援いただいている皆さま、また事業を一緒に作り出してくださっている皆さま、いつもありがとうございます。

さて現在、6月30日までJICA海外協力隊の春募集の応募受付をおこなっています。これに併せて各地で説明会をおこなっており、私も千葉、長野、群馬、新潟、埼玉の会場に参加させていただきました。新型コロナウィルスの流行があり、感染予防に万全を期しつつ久しぶりの「対面」での募集説明会開催となりました。

海外協力隊と言えば思い出す・・・

夜のダマスカス空港でシリア派遣中の海外協力隊員の皆さんと一緒に、新たに到着する海外協力隊員を歓迎する様子。(左から2番目が私)

私のJICAでの海外勤務の最初はシリア(1993~1996)でした。現在は内戦となってしまっているシリアですが私が勤務していたころは治安も良く50名以上の海外協力隊員がシリア全土で様々な協力に携わっていました。

シリアの各地に出張に行くと夜は海外協力隊の仲間に会い、現地での活動の難しさや未来の夢を遅くまで語り合いました。時々皆でバーベキューを楽しんだりもしました。
  
陸上競技を教えるためにシリアに来ていた海外協力隊員がシリア人に駅伝を伝えたい、そのために駅伝を見せ経験させたいと言い出し(そのころシリアには駅伝はありませんでした)、他の海外協力隊員と協力し駅伝チームを数チームつくりシリア人と対抗戦を行ったこともありました。気持ちの良い秋空のなか、シリアの坂道を息も絶え絶えに走りました。競技の後参加したシリア人、日本人でワイワイと食事をともにするなか、初めて駅伝を経験したシリア人がとても喜んでいたのが印象的でした。

内戦線状況が続くシリアですが海外協力隊が紡いだ友情は今も続いており、多くの海外協力隊員が帰国後もシリアの人たちと連絡を取り合っています。当時伝えた技術について質問がいまでもあるようです。JICAの行ってきたことはシリアの未来にきっと受け継がれていくでしょう。

海外協力隊の活動は私たちの未来に続く希望の光

当時のシリア事務所一同 (前列右から2番目;小森毅所長、右;私)

海外協力隊は派遣される期間が決まっています。その期間内でできることは、相手もあり派遣前に考えていた通りにはいかないこともあるかもしれません。そんな中でも相手に向き合い全力で挑戦することは、きっとその国の未来に光を残し、またその国で一緒になった人びとと一生続く友情を残すことでしょう。

コロナ禍であり、またイエメン、シリア、アフガニスタン、ウクライナ等々国際秩序の混迷が続いていますが、海外協力隊の活動は私たちの未来に続く希望の光です。

シリアで一緒に過ごした海外協力隊の仲間とは今でも連絡をとり、時々集まっています(コロナ禍でここ2年は集まっていませんが…)。皆、海外協力隊の経験を大切にして、NGOとしてシリアの支援を続けたり、学校の現場に戻り日本と海外の課題を教えたり、様々なところで持続する情熱をもって頑張っています。こんな素敵な夢を共有できる仲間がいることは素晴らしいことと思っています。

コロナ禍で難しい時ですが、JICA東京は未来への「挑戦」を全力で応援しています。未来へ続く希望の光をしっかり灯していきましょう!