「地域の魅力創出×SDGsプロジェクト」前橋市立前橋高校では
2022.07.19
群馬の3つの高校の有志が参加し、SDGsをテーマに地元の魅力発信や課題解決を目指す「地域の魅力創出×SDGsプロジェクト」。市立前橋高校の皆さんの思いをレポートします
前橋市立前橋高等学校では、開発途上国の現状を知るためにJICAの研修員(留学生)からの講演を通した交流 や海外協力隊経験者による国際協力出前講座等を受講するなど、国際理解教育に力を入れています。「生徒たちの視野を広げ、グローバルな視点をもち、自分のおかれた環境と世界を比較することで自らのアイデンティティについてより深く理解してもらいたい」と話す担当の有賀先生。様々なバックグラウンドを持つ人と交流することにより、生徒さんたちは少しずつ育った環境、背景の違いから価値観は変わることを学んでいるように感じました。
このような国際理解教育に関心を持った有志の生徒さんたちが、SDGsをテーマに地元の魅力発信や課題解決を目指す「地域の魅力創出×SDGs」3校連携プロジェクトに参加することになりました。
エルサルバドルからの長期研修員による出前講座実施
パラグアイでの経験談を聞きました
本プロジェクトにおいて、唯一の公立高校として参加した前橋市立前橋高等学校の生徒たち。有賀先生によれば、比較的おとなしく消極的な生徒が多いように感じるとのことで、実際の活動では他校の生徒の話を熱心に聞いている様子が見受けられました。月に1度行われる3校でのミーティングの後に、有賀先生は必ず生徒たちの良いところと改善するべきところを伝えていました。特に自分を表現することの大切さ、自分に自信を持つことを伝え続けている様子が印象的でした。以下、有賀先生より本プロジェクトに対するメッセージをいただきました。
「素直で、真面目な生徒たちは、アドバイスに落ち込んだり、悩んだりもしたが、自分たちなりに改善しようと努力し続けてくれた。この企画が始まってから数か月経った現在、彼らに変化はあったかと尋ねたところ、「まだまだ足りないところはあるが、前よりは積極的になれた気がする」、「前より自分の考えを言えるようになった」などの回答を聞くことができた。今回、JICAがこのような機会を与えてくださり、ぐんま国際アカデミー、東京農業大学第二高等学校の生徒や先生方から、多くの刺激をもらい、本校生徒にとてもいい影響を与えて下さった。生徒に「自分」を確立するための学びの場を与えて頂いたこと、それに関わったすべての方々に感謝を申し上げたい。そして、生徒たちの今後のさらなる成長に大いに期待している。」
本プロジェクトに参加した生徒さんは何を学び、考えたのでしょうか。生徒さんたちの言葉をお届けします。
左から大澤さん、星野さん
「私たちは、群馬で様々な外国人に出会いました。
エルサルバドル出身のJICA研修員の方からは、英語の授業などで現地の生活についての話を聞きました。それを聞いて、私たちが外国の生活について感じたことが必ずしも現地の人と同じ気持ちではないことに気づきました。その国の人の幸せについて考えたり、相手の出身国の文化について理解することが外国人と交流する上で大切であることを学びました。
また、オリンピック・パラリンピックに出場した南スーダンの陸上選手の方々との交流もさせていただきました。交流では、南スーダンの地理的特徴や文化などを教えてもらい、日本との違いを感じることができました。」
前橋市立前橋高等学校
3年 星野杏・大澤里奈
「私は外国人の方にゴミ出しのルールを教えるという活動を通していくつか感じたことがあります。それはゴミの分別の難しさです。私たち日本人はあまりその大変さが理解できませんが、自治体別のゴミ袋があり、日によって出せるゴミの種類が違うことを理解するのは外国人にとってとても難しいことだと外国人の目線になって会話することで初めて気づきました。
日本のルールを教えるのに苦労したことはtrashとgarbageしか知らないので粗大ゴミや資源ごみなど細かい部分に合った英語で伝えることができなかったところです。」
菅野さん
前橋市立前橋高等学校
3年 菅野 紗矢
これから彼女たちはどのように成長していくのでしょうか。これまで学んできたことを次に活かし、地域の課題解決や魅力創出において活躍する姿を期待しております。
国際協力推進員・JICA群馬デスク 宮田 峻弥
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