第1回JICA海外協力隊 帰国隊員社会還元表彰式が行われました

2023年5月17日

東京都出身者が3名受賞!

左:JICA青年海外協力隊事務局長から大賞を授与される徳島泰さん

JICA では JICA 海外協力隊の事業目的の一つである「ボランティア経験の社会還元」事例を収集し好事例として紹介することで、協力隊経験者の社会還元の機運を高めると共に、より良い社会の実現を目指すため、帰国後10 年以内の JICA 海外協力隊経験者で、国内外・公私問わず社会課題の解決に取り組んでいる方を表彰する『帰国隊員社会還元表彰』を2023 年より開始しました。
この度、記念すべき第 1 回の受賞者8名が決定し、5月13日(金)に表彰式が開催されました。

大賞:開発途上国向けに超低価格で3D義足を開発した徳島さん

受賞報告をする徳島さん

2012年度1次隊としてフィリピンにデザインで派遣されていた徳島泰さんは大賞を受賞しました!
徳島さんは、世界中の人々を救う取り組みを実現したこと、また、隊員時代から起業後の現在に至るまでの独創性やインパクトの大きさが評価されました。
協力隊任期中から世界初となる義足の 3D デジタル製造ソリューションの開発に携わり、帰国後大学院での研究を経て2017年にインスタリム株式会社を設立しました。現在はクラウドファンディングも活用しながら、ウクライナ支援にも活動の場を広げています。

※大賞は募集時には未設定の賞でしたが、審査委員会にて、大賞に相応しい事例との結論に至り、新たな賞が設定されました。

アントレプレナーシップ賞:ラオスの伝統的な織物を素材としたアパレルブランドを立ち上げた加藤さん

加藤さんの受賞報告の様子

ラオスにコミュニティ開発隊員(2017年度3次隊)として派遣された加藤菜穂さんは、ラオスの伝統織物を使い、単なるフェアトレードとしてではなく、顧客視点による高い付加価値を売りとすることで事業の持続性を担保し、生産者の収入向上と事業継承に取り組んでいます。帰国後のリスキリングを経て、ビジネスを実現している点は後進のモデルとなりうると評価されました。

アントレプレナーシップ賞:養豚とマカダミアナッツの循環型農業確立とルワンダ産ブランド豚の普及に取り組む木下さん

ルワンダからビデオメッセージで受賞を報告する木下さん

木下一穂さん(2012年度3次隊、ルワンダ、野菜栽培)は、協力隊から帰国後、任国であるルワンダに戻り、養豚、養蜂、マカダミアナッツの生産・販売を行う会社を立ち上げました。豚やナッツという現地にあるものを無駄なく使い、現地政府機関や日本の学校とも技術連携し、独創的な循環型農業を実現しています。無理のない販売ルートや現地従業員とその家族が安心して働ける環境を提供するなど、ビジネスとしての構想力と実行力を評価されました。

   
後日、皆さんの協力隊活動から現在の活動のきっかけや、苦労、喜びなどを伺ったインタビュー記事を掲載予定です。乞うご期待!

報告者:市民参加協力第一課 我妻みず穂