秋篠宮皇嗣同妃両殿下がJICA帰国専門家にご接見

2023.05.02

各国でJICAのプロジェクトに従事いただいた帰国専門家5人が、4月19日赤坂御用地の秋篠宮邸で、秋篠宮皇嗣同妃両殿下にお目にかかり、それぞれの活動をご報告しました。

2004年から、秋篠宮皇嗣同妃両殿下にご接見を賜っていますが、コロナ禍で2019年3月を最後に実施が見送られていました。今回、4年ぶりの再開となり、アジア、中東、アフリカで活躍した5人がご接見を賜りました。

画像

ご接見を賜った5人の帰国専門家(前列左から羽石専門家、小澤専門家、鈴木専門家、大町専門家、長谷川専門家)。後列はJICA関係者(左から、調達・派遣業務部 青木次長、井倉理事、同部の三井部長)

ガーナで母子手帳普及をとおし持続的・効果的な母子ケアを

画像

母子手帳を手に、講師育成研修を終えた参加者との集合写真(一番左が大町専門家)

大町専門家は、新規に統合型母子手帳(妊産婦用と乳幼児用を統合)を導入・全国展開、さらに持続的な使用のための仕組み作りに取り組みました。また、母子手帳を活用した質の高い母子ケアの実現のため、ヘルスワーカー等の能力強化や啓発教材の開発にも貢献しました。

参考)

より質の高い教育を目指し、エジプト日本科学技術大学(E-JUST)の基盤強化に貢献

小澤専門家(株式会社パデコ)は、E-JUSTにて人事評価制度の導入支援を行いました。また、開学10年を経て、今後のE-JUSTの更なる発展に向けての示唆を得るため、卒業生からのフィードバック、卒業後のキャリアパスの変遷情報等を入手する目的で、初の卒業生追跡調査を主導するなど、組織の基盤強化に尽力しました。

画像

(左)E-JUST職員との担当業務に係る協議の様子、中央が小澤専門家。(右) E-JUSTでの科学実験実習の様子

参考)

市民から信頼される警察組織に向けた挑戦

鈴木専門家はインドネシアで、市民警察活動促進に加え、警察組織近代化に向けた政策助言、またセミナー等を通した組織強化等に貢献しました。コロナ禍では、一時帰国となったものの、オンラインを活用し、警察大学院大学でのゼミを実施する等、人材育成に取り組みました。

画像

(左)警察大学院大学で授業を行う鈴木専門家(右)女性警察官による女性宅訪問

参考)

  • 市民警察活動促進プロジェクト フェーズ2 | 国別取り組み | 事業・プロジェクト - JICA

災害に強い国パキスタンへ

画像

訓練マニュアルについて有識者間での意見交換の様子(右が長谷川専門家)

防災に係る研修実施機関である国家防災研究所の能力向上を図るため、長谷川専門家指導の下、防災研修コース内容の検討・マニュアルや教材整備等に取り組み、今後全国の防災研修用に活用される予定です。また、研修オンラインシステムを改善し、外部から教材等へアクセスを可能とし、防災人材の育成に尽力しました。

参考)

サブサハラ・アフリカにてコメの生産量の倍増に向けて

画像

第7回CARD総会(東京)の様子

アフリカ稲作振興のための共同体(CARD)活動を軌道に乗せるための地盤強化に向け、羽石専門家は、CARD事務局にて、加盟国32か国やドナー国等、多種多様なステークホルダーと調整を行いつつ、各国における稲作振興戦略ペーパーの作成と戦略に沿ったプロジェクトの実施促進を支援しました。また、CARDの Webサイト上で、各国の指標の達成状況やドナーの活動を地図に掲載することによりプロジェクトの見える化を進めました。

参考)

ご接見を終えて

帰国専門家は、「最初は緊張していたものの、両殿下が常に優しく微笑みかけてくださり、とても柔らかい雰囲気を作ってくださったため、緊張もほぐれました。」と語り、終始和やかな雰囲気でご接見が行われました。また活動内容に加え、コロナ禍で苦労した点・工夫したエピソードもお話ししました。
両殿下からは、オンラインを通じた業務遂行の苦労や工夫に対して、ご慰労のお言葉を賜るとともに、ガーナにおける母子手帳の電子化の見込みやアフリカでのコメ作における機械化の可能性など、各国の現状や事業の重要なポイントに関するご質問も賜り、それぞれご説明をいたしました。各帰国専門家にとって、国際協力に取り組む価値を実感する一生涯忘れえない機会となりました。

\SNSでシェア!/

  • X (Twitter)
  • linkedIn
一覧ページへ