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アフリカ稲作振興のための共同体(CARD)

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CARDの概要

CARDとは

アフリカ稲作振興のための共同体(Coalition for African Rice Development:CARD)とは、サブサハラ・アフリカのコメの生産量を倍増させることを目標に、2008年のTICAD IVでJICAが国際NGOのアフリカ緑の革命のための同盟(AGRA)と共同で立ち上げた国際イニシアティブです。アフリカでは、1990年代以降の経済成長に伴い、急速な人口増加・所得増加・都市化が起こりました。そのような状況下、2007~2008年に世界食料危機が発生し穀物価格が急騰、多くの食料を輸入に依存していたアフリカ諸国では、自国内での食料増産が急務となりました。アフリカでは、調理のしやすさや日持ちのしやすさからコメの消費が拡大し、生産量を上回っており、熱帯の気候もコメ生産に適していたため、その生産量増加の重要性に注目が集まり、CARDが立ち上げられました。

JICAは、CARDの運営機関の一つとして、AGRAを含む10の国際機関・研究所(注1)と協力し、CARDに参加するアフリカ諸国の国家稲作振興戦略(National Rice Development Strategy:NRDS)策定を支援するとともに、各国の戦略に沿ったコメの増産を支援してきました。その結果、2008~2018年にはコメ生産量の倍増を達成し、2019年からは、2030年に向けさらなる生産量倍増(2,800万トンから5,600万トン)を目指しています。

(注1)運営委員会メンバー11機関

  • アフリカ稲作センター(Africa Rice Center)
  • アフリカ開発銀行(African Development Bank:AfDB)
  • アフリカ開発のための新パートナーシップ(New Partnership for Africa’s Development:NEPAD)
  • アフリカ緑の革命のための同盟(Alliance for a Green Revolution in Africa:AGRA)
  • アフリカ農業研究フォーラム(Forum for Agricultural Research in Africa:FARA)
  • 国際稲研究所(International Rice Research Institute:IRRI)
  • 国際協力機構(Japan International Cooperation Agency:JICA)
  • 国連食糧農業機関(Food and Agriculture Organization:FAO)
  • 国際農業開発基金(International Fund for Agricultural Development:IFAD)
  • 国際農林水産業研究センター(Japan International Research Center for Agricultural Sciences:JIRCAS)
  • 世界銀行(World Bank:WB)

CARDフェーズ1(2008年~2018年)(注2)

CARDフェーズ1は、23ヵ国(注3)を対象に、10年間でサブサハラ・アフリカのコメの生産量を1,400万トンから2,800万トンに増大させることを目標として、TICAD IVで立ち上げられました。目標達成のためのアプローチとして、バリューチェーン、栽培環境別、人材育成、南南協力の4分野に取り組むアプローチ(注4)をとり、それに沿う形で運営機関及び各国政府の支援事業として218件のコメ案件、計90億ドルの支援が実施されました(うちJICAは48件)。その成果もあり、2018年には倍増目標を達成することができました。

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(注2)【CARDフェーズ1について】

(注3)CARDフェーズ1対象23ヵ国:(第1グループ)カメルーン、ガーナ、ギニア、ケニア、マダガスカル、マリ、モザンビーク、ナイジェリア、セネガル、シエラレオネ、タンザニア、ウガンダ(第2グループ)ベナン、ブルキナファソ、中央アフリカ、コートジボワール、コンゴ民、エチオピア、ガンビア、リベリア、ルワンダ、トーゴ、ザンビア

(注4)【目標達成のための4つのアプローチについて】

CARDフェーズ2(2019年~2030年)

CARDフェーズ1の実施により、2018年にコメ生産倍増を達成しましたが、アフリカにおける人口増加やコメ食の広がりを受け、ますますコメの需要が増え続けています。このような状況を踏まえ、2019年に横浜で開催されたTICAD7にて、「2030年までにさらなるコメ生産量の倍増(2800万トンから5600万トン)」を目標としたCARDフェーズ2が新たに発足しました(注5)。CARDフェーズ2では対象国を23ヵ国から32ヵ国(注6)へ拡大し、各国の国産米の競争力強化や民間セクターとの更なる連携を進めるべく、RICEアプローチ(Resilience, Industrialization, Competitiveness, Empowerment)(注7)を通して倍増に向けた取り組みを行っています。また、各国ごとの取組に加え、地域ごとの共通課題を解決するために、アフリカ地域経済共同体(Regional Economic Communities、RECs)単位での地域稲作開発戦略(RRDS)を策定し、稲作開発を進めることとしています。

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(注5)運営委員会メンバーとして、国連世界食糧計画(World Food Programme:WFP)、イスラム開発銀行(Islamic Development Bank:IsDB)が追加加入。また現在では、5つのRECs[東南部アフリカ市場共同体(COMESA)、東アフリカ共同体(EAC)、中部アフリカ諸国経済共同体(ECCAS)、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)、南部アフリカ開発共同体(SADC))と、アフリカ農業技術財団(African Agricultural Technology Foundation:AATF)も加入しています。

(注6)CARDフェーズ1参加23ヵ国に加え、アンゴラ、ブルンジ、チャド、ガボン、ギニアビサウ、マラウイ、ニジェール、コンゴ共和国、スーダンが新規加入

(注7)【RICEアプローチについて】

CARD フェーズ1とフェーズ2の対応表

項目 CARD フェーズ1 CARD フェーズ2
期間 2008~2018年 2019~2030年
目標
(コメの生産量)
倍増(1,400万トンから
2,800万トン)
倍増(2,800万トンから
5,600万トン)
対象国 23ヵ国 32ヵ国
運営委員会機関 11機関 19機関(5RECs含む)
目標達成のためのアプローチ バリューチェーン
栽培環境別
人材育成
南南協力
R(Resilience)
I(Industrialization)
C(Competitiveness)
E(Empowerment)

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CARD フェーズ1とフェーズ2の対象国

各国のCARD案件

アフリカ各国でCARDに関連した案件が進展しています。ここでは代表的な稲作案件を紹介します。

JICA海外協力隊の取り組み

これまで多くのJICA海外協力隊が、任国で稲作の普及に取り組みCARDの目標達成に貢献してきました。ここでは、JICA海外協力隊の活動事例などを紹介しています。

JICAアフリカ稲作技術マニュアル -CARD10年の実践-

CARDフェーズ1のもと、JICAでは様々な技術協力をおこないました。それら技術協力のなかで、どのような技術要素がCARDフェーズ1の目標達成に貢献したかについて調査を行い、結果をマニュアルとして取りまとめました。
稲作の専門家や業務に携わる方のみならず、広く稲作を勉強される学生の方にも活用していただく様にまとめていますので、是非ともご覧ください!

※マニュアルの「添付資料2 成果品リスト」に掲載されているマニュアル類は、下記リンクのPDFに記載のあるリンクから取得可能です。

教材・広報資料

CARDパンフレット

CARDフェーズ1の成果

動画(外部サイト:YouTube)

教材

やさしいネリカの作り方

モザンビーク稲作栽培マニュアル

ウガンダ稲作ハンドブック

ネリカ米とは?

参考資料

CARDの基礎文書や関連会議の資料はこちらをご覧ください。

関連リンク

CARD総会の資料や各国のNRDSなどはこちらから

アフリカ稲作(CARD)や農業機械などの各分科会の資料はこちらから

CARD運営機関(外部サイト)

公式サイト

お問い合わせ

CARD全般に関するお問い合わせは、下記へご連絡ください。

経済開発部
メール:edga1@jica.go.jp