【報告その1】未来のグローバル人材がJICA筑波に集結!2022年度「大学生・大学院生向け国際協力理解講座」

2022年10月17日

JICA筑波は、7月下旬から9月下旬にかけて、2022年度「大学生・大学院生向け国際協力理解講座」を開催しました。今年はコロナ過で中止されていた農業コースを2年ぶりに再開し、計5コース実施。のべ59名の大学生・大学院生が受講しました。
受講者からは、「国際協力への多様な関わり方、キャリアプランについて考えることができた」「国際協力について必要な知識や考え方を獲得し、それを活用したアウトプットまで行えた貴重な時間であった」「持続性や当事者のニーズを考える力の必要性を理解した」などの声が届きました。それぞれ多くの学びを得られたことが確認でき、主催者として嬉しく思うとともに、今回の講座が受講者の将来の活躍につながることを期待しています!

未来の国際協力・グローバル人材の育成~大学生・大学院生向け国際協力理解講座とは

JICA筑波では、国際協力に関心を持つ大学生・大学院生を対象に「国際協力理解講座」を毎年実施しています。将来、国際協力に従事することに関心のある方や、グローバル人材として国際社会の発展に貢献したいと考える方向けの講座です。

講義やワークショップを通じて国際協力への理解を深める「国際協力実務講座」に加えて、「農業コース」ではJICA筑波の研修員受入事業の一部に参加。開発途上国から来日したJICA研修員と共に、各プログラムの専門的知識や技術を学びながら、日本国内における国際協力の現場を体験します。
2022年度は、以下の5種類のコースを実施しました。

No.1 国際協力実務講座
No.2 小規模農家の生計向上のための野菜生産技術
No.3 アフリカ地域市場志向型農業振興(普及員)
No.4 稲作技術向上(普及員)
No.5 天水稲作のための稲栽培・種子生産及び品種選定技術
※No.2~5が農業コース

充実したプログラムと講師陣で繰り広げられた5日間 ~国際協力実務講座~

アフリカ現地と接続して行われた技術協力プロジェクトの講義

グループで協力してプロジェクト立案に取り組む様子

キャリア相談会で熱心に質問する様子

全日程を終えた受講者の様子

実施期間:2022年8月22日(月)~8月26日(金)
受講者数:48名

<概要>
昨年度はコロナ禍で5日間全編オンライン開催でしたが、今年度は感染症対策を徹底した上で、2日間の対面プログラムを実現しました。全国から集まった大学生・大学院生たちが顔を合わせて議論を重ね、学び合う機会となりました。

このコースの講師は、JICAや開発コンサルタント、NGO、民間連携事業を実施した企業など、国際協力の現場で活躍する様々な「プロ」たちで構成されています。対面開催日には、開発コンサルタントや大学教員のファシリテーションによる、国際協力現場をゲーム形式で体験するワークショップや、プロジェクト立案など実践的なプログラムも多数実施しました。オンライン講義の日も各講師がグループワークやクイズ等の工夫を施すことで、受講者たちの活発な参加が見られました。主なプログラム内容は次の通りです。

【講義】
・国際協力概論(ODA・JICA事業、持続可能な開発目標(SDGs)・開発課題、国際協力の多様なアクター
・JICAと他アクターの連携、国際協力の仕事・キャリア、JICA筑波施設見学・紹介等)
・JICA技術協力プロジェクトの具体的事例
・NGOプロジェクト(草の根技術協力事業)の具体的事例
・JICAボランティア事業参加者の具体的事例
・JICAと民間企業の連携の具体的事例

【ワークショップ・ディスカッション】
・社会課題とのつながりを省察するワークショップ
・開発現場シミュレーション
・プロジェクト管理手法(PCM手法)を用いた事業計画・立案体験
・国際協力実務者とのキャリア懇談会
・持続可能な社会の構築プランを考えるワークショップ

<参加者の声(一部抜粋)>
・日本のような先進国は、開発途上国とのつながりによって成り立っているのであり、近年世界的に協力する必要性が強調されていることは当たり前のことなのだと、実感できた。SDGsといった取り組みも、国際協力の観点をより多くの人に身近に感じてもらい、発展的な取り組みに繋がるよう、我々若者が使命感も持ちつつ積極的に参画していく必要があると考えることができた。
・国際協力をする際、実際に現地に行って現地の状況や、コミュニティ、現地の人の考えなどを観察しインタビューすることが正しいニーズを知るために必要であることを学んだ。また、コミュニティ内にもとからあるものをうまく活用していくことを知った。このプログラムを通して、国際協力をしていくためには、まず自分の専門性を深める必要があると感じたので、大学の授業や研究により一層積極的に取り組んでいきたいと思った。
・5 日間を通して知識を得ることも必要であるが、国際協力に必要なベースを築きつつ、柔軟な人間性を育くみ、更に傍観せず実践的に行動するという意識を持つことができた。開発コンサルタントという最終的な目的に向かいつつ、自分がどのような形で国際協力に携わりたいかをもう一度よく考え直したいと考えている。
・今後、今回学んだ考え方を使って、自分ができるプロジェクトを立案、実施していければと思う。その際の第一歩として、JICA海外協力隊に参加して、今回のこの知識を使っていきたい。また、青年海外協力隊に参加した後は、その経験と知識を使って、日本の医療や途上国の医療の発展などに貢献できればと考えている。