【実施報告】2021年度 教師国内研修 フィールドワーク

2021年9月17日

今年度JICA横浜では、国内にて全8回の研修とフィールドワークを行う教師国内研修を実施しています。8月7日~8日にかけて、神奈川県内で多文化共生を考えるフィールドワークを行いました。

愛川町フィールドワーク

愛川町のラオス寺院で僧侶の話に耳を傾ける参加者

 8月7日は2か所を訪問しました。園児の約7割が外国にルーツを持っているという横浜市立北上飯田保育園では、子どもや保護者との接し方、先生方の愛情あふれる対応などをお聞きして多文化共生のヒントを得ることができました。神奈川県北部に位置する愛川町では、南米やアジアにルーツを持つ人々が多く暮らす地域で、異なる文化的背景を持つ人々が共生している様子を実感しました。参加者は、インタビューなどを通じて「他者が困っていることに積極的に想いを馳せる姿勢の大切さ」にあらためて気づいたようでした。

鶴見区フィールドワーク

鶴見線鶴見駅のホームにある在日朝鮮人からの贈り物の時計について説明を受ける参加者

 8月8日には、在日朝鮮人、南米から移住して来られた日系人や、沖縄から移住して来られた方々などが多く暮らし、「多文化共生のまちづくり」を行っている横浜市鶴見区に出かけました。公益財団法人横浜市国際交流協会 鶴見国際交流ラウンジ館長補佐の沼尾実氏からは、他者に対する眼差しや寄り添うことが大切という強いメッセージをいただき参加者たちは感銘を受けていました。「マイノリティ」とされる人たちの自己肯定感、アイデンティティは、周囲の人々や環境に大きな影響を受けること、多文化共生には関係するすべての人々の意識や態度が影響することを学んだようです。

学びの整理

 2日間のふりかえりとして、情報の整理、印象に残ったことば、モヤモヤしたことなどを付箋で出し合いました。これらの付箋が今後のワークショップ作成に大いに役立つことでしょう。今後の研修では、子どもたちに「多文化共生」について考えるきっかけになるワークショップ作成を目指します。

【教師国内研修とは】

教師国内研修は、これまでJICA横浜にて実施していた、教師海外研修の代替研修として昨年度に引き続き実施されることとなった研修です。国際理解教育や開発教育に熱心に取り組んでいる小・中・高の教員のみなさんを対象に、国内での全8回の研修とフィールドワーク等を通して、教室にある多文化共生から世界の多文化共生を考え、これからの多文化共生社会、持続可能な社会の実現を目指し、世界、国内、地域の問題を自分事として捉えて、まずは教室から実践できる次代を担う子どもたちを育成することを目的として実施しています。