【研修報告】各国からの研修員、海洋ごみ問題に挑む!(オンライン研修)

2022年2月4日

近年、世界で注目を集めている海洋ごみ問題。JICAは途上国各国で海洋ごみ対策に取り組む行政、企業、NGO等の担当者らを対象に、オンラインによる研修を行いました。

日本の世界に向けた貢献、国内の廃棄物管理行政、民間企業、NGO、大学等の好適事例の紹介だけでなく、参加各国の取り組みをお互いに共有しました。学びあいによって、海洋ごみ問題の複合的な特性の理解が進み、協働のあり方や、個々の研修員の具体的な取り組みのヒントが得られます。結果、どのようにしたら自国の海洋ごみ対策をより良いものに出来るか、制度の構築、住民への働きかけ、大学での取り組み等、様々な手法を、時差や地域を超えて検討することができました。

自国の取り組みを紹介するセッションでは、参加各国の時差が12時間以上にもかかわらず多くの研修員が意欲的に参加し、ファシリテーションが不要なほど研修員間で活発な議論となりました。特に、人々の意識向上に関する議論では各国の抱える課題を共有し、研修員の間で好事例を紹介しあう姿が見られ、研修員自身の目標達成への期待が高まりました。また、地域内外を問わず研修員同士の情報共有が行われ、海洋ごみ対策に向けた研修の相乗効果を感じることができました。

オンラインによる実施ではありましたが、アクションプラン発表を終えた研修員からは、「講師や他の研修員からのアドバイスを胸に制度改善に取り組みたい!」、「世界各国の海洋ごみ対策に取り組むチームとして、今後もぜひ連絡を取り合っていきたい!」等、意欲的なコメントが非常に多く寄せらせました。

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【画像】海洋ごみ問題は、特に近年、上記の国際潮流の中注目を集めています。JICAはこれをふまえ、海洋プラスチックごみ問題に関する包括的な状況の把握と、より実効性が高い支援方針の検討を目的として、アジア5か国(中国、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム)を対象とした調査や、科学的知見の蓄積及び調査・研究体制の整備のためタイへの海洋プラスチックに係る学術的センター(センターオブエクセレンス(COE))の設立、また各種研修事業の実施等、多角的な取り組みを進めています。
JICAは「JICAクリーン・シティ・イニシアティブ(JCCI:JICA Clean City Initiative)」として、主に都市部を対象に分野横断的・総合的な環境管理の実現を推進し、開発途上国の「きれいな街」の実現に貢献する方針を打ち出していますが、その一環として海洋ごみ対策に関する取り組みを推進していきます。

2020年度研修参加国:
アゼルバイジャン、エジプト、エルサルバドル、ケニア、スリランカ、セントルシア、ソロモン、タイ、ドミニカ共和国、フィリピン、ブラジル、ベリーズ、マーシャル、メキシコ、モルディブ、南アフリカ共和国より22名

2021年度研修参加国:
インドネシア、エジプト、エルサルバドル、ジャマイカ、ドミニカ共和国、ブラジル、ベトナム、マーシャルより12名

(記事制作協力)いであ株式会社

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【画像】持続可能な開発目標(SDGs)への貢献

SDGsとは、2015年9月の国連総会で採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」と題する成果文書で示された具体的行動指針のことであり、17の個別目標とより詳細な169項目の達成基準からなります。

本研修コースは、SDGsで定められた17の個別目標のうち、目標 11. 「包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する」、目標 12.「持続可能な生産消費形態を確保する」、目標 14.「持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」への貢献が期待されます。