【研修報告】港湾施設の維持管理についてオンラインで学ぶ 2021年度課題別研修「港湾維持管理計画」の実施

2022年3月30日

カントリー・レポートの発表より

急速な経済発展に伴う海上貿易の活発化に対応するため、開発途上国の港湾施設が整備されてきました。東南アジアやアフリカ諸国の主要港湾の中には、港湾施設の整備後30年から50年或いはそれ以上経過し、今後、老朽化対策が大きな課題となることが予想されています。JICAは、具体的なメンテナンス手法を理解することで港湾施設の長寿命化の促進や、的確な維持管理計画の立案能力の向上を目指し、港湾施設維持管理に取り組むエンジニア等の担当者らを対象に、研修を行いました。

8月から9月にかけて約5週間のオンラインによるプログラムには、アンゴラ、モザンビーク、パナマ、チュニジア、カンボジア、ジプチ、エジプト、フィリピン、スーダン、トーゴの計10カ国13名が参加しました。

研修員の関心に沿って、維持管理の対象を4つのグループ(維持浚渫、荷役機械、港湾構造施設、その他)に分け、グループごとにディスカッションを取り入れました。

閉講式の様子

自国の状況を紹介し、国土技術政策総合研究所や港湾空港技術研究所の講師、荷役機械や付帯施設の専門家、港湾構造物の補修の専門家の方々とのディスカッションの場では、参加各国の時差がある中、パナマからは深夜にも関わらず積極的に参加し、活発な議論が行われました。

ジプチからは、現在建設中の鋼構造物である石油の受入れ桟橋施設の電気防食について、積極的に専門家の意見を求め情報収集を行い、日本の技術導入について検討していたのが印象的でした。

対象国および地域内における海上輸送の円滑化の為に、港湾維持管理のノウハウや施設点検手法等に関するニーズは高まっている為、本研修の一層の充実に向け取り組んでいきたいと思います。

(記事制作協力:一般財団法人 国際臨海開発研究センター)

【画像】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
持続可能な開発目標(SDGs)への貢献
        
SDGsとは、2015年9月の国連総会で採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」と題する成果文書で示された具体的行動指針。17の個別目標とより詳細な169項目の達成基準からなる。

本研修コースは、SDGsで定められた17の個別目標のうち、「目標 9.レジリエントなインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」への貢献が期待される。