【実施報告】<日系社会研修員向け>2022年度 移住学習プログラム

2023年1月25日

JICA横浜では、日系社会研修員向けに日系移住の歴史を学ぶ「移住学習プログラム」を実施しています。2022年度の最終回を2023年1月20~21日に行い、ブラジル、ボリビア、メキシコ、ウルグアイの日系社会研修員16名がJICA横浜に集いました。

1日目:ルーツ探し・海外移住資料館の見学

海外移住資料館にて

プログラムの初日は、研修員自身のルーツ探しと昨年4月にリニューアルした海外移住資料館の見学を行いました。ルーツ探しの方法などについて講義を受けた後、閲覧室にて調べ作業に入った研修員の皆さん。ご家族が海外へ渡った年代など、事前に調べていた情報をもとに資料を1ページずつめくり、感慨深い面持ちでご家族の記録を見つけていました。また、海外移住資料館では、日系移住の歴史を数々ある展示物とともに学びました。参加者の1人は、自身が所属している団体の活動内容が記載された展示に非常に興味を持ち、他の参加者に詳細を説明する場面もありました。

2日目:日系社会の現状と課題についてディスカッション・ウォーキングツアー

ディスカッションでアイディアを出し合いました

プレゼンテーションの様子

2日目は、日系社会と日系人の架け橋としてご活躍されているアルゼンチン日系2世の松本アルベルトさんの講演からスタートしました。「日系社会の連携と発展を目指して」と題し、日系社会の発展には日系人だけではなく、非日系人(今回のプログラムには非日系研修員も参加しています)の役割も重要で、各自がそれぞれに何ができるのか考え行動する重要性をお話いただきました。その後、研修員は2グループに分かれ自国の日系社会の課題とその解決に向けたアイディアについてディスカッション・プレゼンテーションを行い、「日系社会」「日系人」の認知度向上や関心をもってもらうには、日本文化の継承や、年代の隔てなく全体で取り組んでいくことの大切さを共有しました。

プログラムの最後は、JICA横浜周辺にある移住にまつわるスポットを巡るウォーキングツアーを行いました。前日の海外移住資料館見学時にも説明を受けたララ物資記念碑(※)の前では、皆さんで写真を撮ったり、記念碑に刻まれている御歌を真剣に読んでいました。
※ララ物資とは:第二次世界大戦後、敗戦で荒廃した日本の「同胞」へLARA(アジア救済連盟)を通して送られた救援物資のこと。その20%は日系人が集めて寄贈したと言われています。

プログラムを終えて

ウォーキングツアーにてララ物資記念碑の説明を受けました

2日間という限られた時間でしたが、普段は全国各地で研修に励んでいる研修員が一同に集い、お互いの研修状況や日系社会に関して意見を共有できる貴重な時間になったことと思います。本プログラムを通じて得たものを帰国後にぜひ活かしてほしいです!