プロジェクト活動の再開(ウガンダNUFLIP)-新型コロナウィルスと共に-
2020.08.18
北部ウガンダ生計向上支援プロジェクト(Northern Uganda Farmers’ Livelihood Improvement Project:NUFLIP)は、2015年12月から5年間の予定で、20年以上も続いた紛争影響地であるウガンダ北部のアチョリ地域8県を対象に、SHEPアプローチを活用した野菜栽培を通じた収入向上と、家計管理や栄養改善等による生活の質の向上とを融合(相互補完)させて、「生計向上アプローチ」の確立・実証及び展開に取り組んでいます。
2020年11月終了予定だった本プロジェクトにとっては重要な終盤時期に差し掛かった2020年3月頃、他国同様にウガンダでも空港閉鎖や国内移動制限等の新型コロナウィルス対策措置が発動され、日本人専門家は急きょ一時避難帰国することになりました。また、現地のプロジェクトスタッフやCP機関(農業省、アチョリ地域8県)の職員等も身動きが取れず、研修等農家への活動を一時中断せねばならない状況になってしまいました。
この間、プロジェクトチームは教材の改訂等、この機に出来る事を実施してきましたが、ウガンダ政府による各種措置が徐々に緩和された2020年6月頃に、現場の農家や普及員からの研修再開希望を受け、十分な感染防止措置を取ることに加え、コロナ禍(withコロナ)を見据えた新たな研修方法(集会制限を踏まえ、まず代表農家を研修し、その農家が他の農家に技術移転する農民間普及等)を考案し、中央・地方の行政機関及び対象農家グループ等の賛同を得て、7月から本格的に研修再開することになりました。
プロジェクトチームは研修実施及び参加の条件を以下の通り定め、活動再開をしています。
なお、同条件は本プロジェクト専用に、ウガンダ政府及び対象県等の各種措置を踏まえて作成し、関係者と合意したものです。
The Project will take the following preventive measures of COVID-19 during the field training.
The Project will conduct shorter training sessions(2 hours per session)to minimise the contacts with farmer beneficiaries.
ウガンダでも日本でも未だ先行きが見えませんが、今後は再開した活動と同時進行で動画教材等ICT技術を活用した研修方法の開発に取り組む予定です。関係者が一丸となって、それぞれの持ち場で様々な工夫を凝らし取り組むことで、農業を営む家族全員の幸せと同地域の安定に繋がることを切に願います。
農家に対して研修を行う農業普及員向けの研修の様子です。
皆さん、マスク着用と間隔(ソーシャルディ・スタンス)を保って受講しています。なお、また、椅子等の共有備品は研修前後にプロジェクトスタッフが丁寧に消毒しています。
普及員は農家への衛生管理研修の一環として、新型コロナウィルス感染防止の啓発活動も行います。
まずは新型コロナウィルスの感染経路を説明したうえで、感染防止方法として、何故に手洗いと間隔が有効なのかを理解してもらいます。
(注)本教材は現地語(アチョリ語)に翻訳したものを使っています。
農家向け研修の様子です。農家参加者数は10人まで、マスク着用、間隔を確保しています。また、参加者は手洗い用に自ら水を持参します。
(注)全体用として手洗い用バケツも設置しています。
なぜ手洗いが重要かの説明ポスターは、同地域で活動中のNGO(テラ・ルネッサンス)から提供と活用許可を頂いたものです。
同地域の関係者が一丸となって流行防止に取り組んでいます。
テラ・ルネッサンスは、同地域の紛争被害者への社会復帰のための支援を行っており、本プロジェクトの研修で配布するマスクは同NGOを通じて製造してもらっています。
農家にも農作業における新型コロナウィルスの影響を考えてもらいます。
圃場研修(育苗床の作成と種まき)の様子です。
参加者が交互になるように工夫して作業を進めています。
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