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「みんなの学校」のアプローチ

「みんなの学校」のアプローチ

1. コミュニティ協働型教育改善アプローチとは?

「みんなの学校」プロジェクトが実践するコミュニティ協働型教育改善アプローチは、保護者や教員、地域住民、行政などが力を合わせて、地域全体で教育をより良くしていくことを目指す取り組みです。
このアプローチは、貧困の影響が深刻で多くの子どもが十分な学びを得られていないサブ・サハラアフリカ地域を中心に展開されています。学校と地域が連携し、学校運営を支える仕組みを広げることで、より多くの子どもたちが、より良い教育を受けられることを目指しています。具体的には、学校運営委員会を民主的に設立し、地域の関係者が話し合いを重ねながら活動計画を策定し、実行し、改善を続けていきます。こうした一連のプロセスを通じて学校運営が着実に機能し、学習環境の改善や学びの質の向上など、さまざまな教育課題の解決が進められていきます。

2. アプローチの特徴

【「みんな」で進める教育開発】

教員、保護者、地域住民といった地域の担い手が協力し合いながら、学校運営や学習環境の改善を着実に進めていきます。

【低コストで持続可能】

大規模な施設整備や継続的な外部資金に依存せず、限られた予算の中でも実施が可能で、成果を維持しながら段階的に普及・拡大することができます。

【多様な教育改善ニーズに即応】

子どもの教育の課題は、家庭・学校・地域など複数の要因が関係しています。「みんなの学校」のアプローチは、こうした複合的な課題に対し、地域の人々が自ら実行可能な解決策を考え、行動へとつなげていくいきます。

3. アプローチの概要

アフリカの多くの国では、学校運営委員会の設置が制度上義務付けられてきましたが、実際には十分に機能していないケースが少なくありませんでした。こうした状況を踏まえ、「みんなの学校」プロジェクトでは、学校と地域の協働を促し、学校運営委員会の活性化・機能化をはかるコミュニティ協働型学校運営改善モデル(通称「基礎モデル」)を開発しました。
さらに、この基礎モデルによって機能化した学校運営委員会を基盤として、学力向上や平和構築、コミュニティの融和など、地域ごとの具体的な課題に対応する解決策を示し、実行していく取り組み(通称「発展モデル」)の開発も進めています。
また、基礎モデルおよび発展モデルによる取り組みの成果をより広範な地域へと普及していくため、学校運営委員会同士の広域ネットワークを構築することも、本アプローチの重要な要素となっています。

図:コミュニティ協働型教育改善アプローチの概要

4. アフリカ地域への広域展開

【「みんなの学校」の広域展開】

サブ・サハラアフリカで最も貧しい国の一つであるニジェールにおいて、2004年に技術協力プロジェクト「みんなの学校」が開始されました。このプロジェクトは、地域住民の学校運営への参加をさまざまな工夫によって促し、人々の中にあった学校教育への関心や想いを引き出すことで、持続可能な学校運営モデルの確立に成功しました。その後、「みんなの学校」はニジェール政府のモデルとして認定され、全国規模での普及が進められました。さらに、ニジェールでの経験を基に、セネガル、マリ、ブルキナファソ、マダガスカルなど、コミュニティ協働による教育改善アプローチを取り入れたプロジェクトが、アフリカ諸国へと広がっています。

図:「みんなの学校」関連プロジェクトのアフリカ諸国での広がり(導入年)

【「みんなの学校」の主流化戦略】

現在、「みんなの学校」プロジェクトのコミュニティ協働型教育改善アプローチは、アフリカ地域の10か国に展開しています。各国において地域を巻き込んだ教育改善の普及が進むとともに、このアプローチを実施する国同士が学び合う横のつながりも、年々活発になっています。
これまでも域内研修などを通じた経験共有を行ってきましたが、2025年からはさらに域内ネットワーク強化と協働をめざして「みんなの学校フォーラム」を開催しています。コミュニティ協働のアプローチを導入している各国の専門家やカウンターパート、JICAが一堂に会し、学習貧困の削減という共通の目標に向けて、ロードマップの策定やグッドプラクティスの共有を行います。こうした取り組みを通じて、経験や知見を体系的に蓄積し、国や地域を越えて共有していくことを目指しています。