JICAの事例紹介 (1)ジェンダー平等政策・制度支援

【技術協力】アフガニスタン・女性の貧困削減プロジェクト

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過去23年間に及ぶ紛争とその後のタリバン政権のもと、女性は政治的、社会的に人権や行動範囲を制限された中での生活を余儀なくされ、アフガニスタンの妊産婦死亡率は10万出生対1600(日本は10万出生対3〜4人)と世界で2番目に高く、15歳以上の成人の非識字率は、女性78.1%(男性48.1%)となっています。女性の活動を規制するさまざまな規範や慣習により、女性の労働参加は進んでいません。また就学の機会を奪われてきたこともあり、女性が男性と同様に社会に出て就業することは難しく、戦争で配偶者を失った女性や貧困女性には生計を立てる手段がほとんどありません。

新しい行政機構の誕生と同時に、女性の権利を回復し地位の向上を図るため、2001年12月のボン合意に基づいて、女性課題省が設置されました。またアフガニスタン国家開発戦略(ANDS)では、ジェンダー平等の達成に向けた目標が掲げられました。なかでも「2010年までに、雇用促進を通じて女性を世帯主とする最貧困層を20%削減する」という目標を達成することが、女性課題省の喫緊の課題となりました。

JICAは2002年5月より短期・長期の複数のジェンダー専門家の派遣を通じて同省の体制整備を図ってきました。2005年2月からは3年間かけて、「女性の経済的エンパワーメント支援プロジェクト」をバーミヤン、バルフ、カンダハルなどで実施し、特に、地方の女性のための経済活動やコミュニティ開発を支援してきました。

また2009年1月からは「女性の貧困削減プロジェクト」を実施しています。このプロジェクトでは、最貧困女性の社会的・経済的状況の改善に貢献する事業の実施を通じ、女性課題省や、農業省や労働省などの関連省庁の職員が、ジェンダー視点に立った政策の立案や事業の実施ができるようになるための行政能力の向上を図っています。

地域によっては、女性の社会参加が難しいので、社会的・文化的背景を十分に理解し、地元の男性や宗教リーダーなどの理解も得ながら、さまざまに工夫して活動しています。このプロジェクトを通じて、女性の貧困削減に貢献するとともに、女性たちが自らの課題や可能性を理解し、人として尊厳を持つことができるようになること、さらに女性に対する社会的認識が改善されることが期待されています。