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カカオ産業の生活所得向上に関する勉強会のイベントを実施しました

2023.07.19

概要

日時:2023年6月22日(木)16:30-18:00
会場:デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 会議室/オンライン:Zoom

登壇者(敬称略)

立花商店株式会社 取締役 生田 渉
JICA 経済開発部 課長 大嶋 健介

内容

  • 「サステイナブル・カカオ・プラットフォーム」では、プラットフォームの会員向けイベントとして、カカオ産業における農家の生活所得向上に向けた勉強会を開催致しました。当日は、オンラインと会場のハイブリッド形式の開催で、計70名超が参加されました。
  • はじめに、立花商店(株)生田氏より、カカオ産業の生活所得に関する構造的な課題について、ご説明頂きました。現状、カカオ産業をはじめとした農業では、農家のLiving Incomeを考慮できておらず、農業収入が生活費と農業生産コストを上回る実態となっている課題ついて言及され、会場やオンラインで参加した方々からも現状の仕組みや実態について質問が挙がりました。生田氏はこのような課題に対し、日本政府や日本のチョコレート業界全体でできることは何か考えていく必要があり、LIRP(Living Income Reference Prices)を踏まえた価格決定を行う企業が増えることが大切である、と語られました。
  • 次に、「市場志向型農業振興(SHEP)アプローチ」について、JICA経済開発部 大嶋よりご紹介致しました。開発途上国における農業の課題として、①農業技術や栽培技術に関する知識が乏しく、市場の需要もよく知らない、②限られた仲介人のみと取引している、③生産物の価格交渉を対等に行えないといった要因から、小規模農家は十分な収入を得られていないという背景があり、JICAでは、農業普及の課題を解決すべく、市場志向型農業によるSHEPアプローチ事業を実施しています。
  • 市場志向型農業振興(SHEP)アプローチに対し、生田氏からは、カカオ産業から他の作物への移行を希望する農家に対し、土地の特徴や状況などを鑑みて栽培可能な作物についての提案ができるサービスがあればとても良いとのコメントがあり、カカオ産業を考える上で、カカオ生産以外の視点も含めて考えていくことが重要であると言及されました。
  • 後半では、「どうすればカカオ生産者の生活所得を上げることができるか」というテーマについて、参加者間で意見交換を行い、メーカーや商社、NPOなどの多様なステークホルダーの参加者の方々よりそれぞれの立場からご意見を頂くことができました。日本の企業や組織、消費者として、背景にある農家の貧困課題についてまずは理解を深めていくことが重要であるといったご意見や、ガーナのカカオ豆への依存体制を脱する施策案等が挙げられました。
  • 勉強会の開催後は、短時間の参加者交流会の時間となり、会場に参加くださった皆様の間で情報交換やネットワーク構築が積極的に行われました。今後もサステナブル・カカオ・プラットフォームの会員向けのイベントや、外部の方も含めたイベントを定期的に開催していきますので、ご関心のある方は是非、JICA HPにてイベント情報をご確認ください。

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