カカオの主要生産国ガーナでスタディツアーを開催しました

2024.03.29

概要

日時:2024年3月18日(月)~3月22日(金)
場所:ガーナ共和国 アクラ、クマシ

内容

開発途上国におけるサステイナブル・カカオ・プラットフォームでは、会員の希望者を対象とし、カカオの主要生産国であるガーナにおいて約1週間のスタディツアーを開催しました。

カカオ農園を訪問して農家の方のお話を聞いたり、チョコレート工場やカカオ豆の品質検査機関、カカオ豆を保管する倉庫、市場など関連施設を訪問したりすることを通じて、カカオのサプライチェーンへの理解を深めるとともに、ガーナ政府やJICAを含む開発パートナー、企業、NGOによるカカオのサステナビリティ実現に向けた取組について学びました。(主な訪問先は表1参照)

今回参加したのは、カカオ業界団体、商社、チョコレートメーカー、小売業、NGO、メディア等、多様なバックグラウンドの14名。それぞれの経験や知識、感想や意見を共有することで、多角的にカカオ産業を理解し、それぞれの立場でサステナブルなカカオ産業の実現に向けて実践できることを考える機会となりました。

参加者の声を以下に一部ご紹介します。

「今まではあまり児童労働などに関する問題点に対して、理解度が足りなかったが、今回のツアーを通じて、実際に自分の目で見ることにより、理解を深めることが出来た。」

「現在、児童労働問題に対する基準を設け、対応を行っているが、その他の項目も複合的な対応が必要であると改めて実感した。」

「ガーナのカカオ豆はどこから来ているのか、どんなところでどのような人々が育てているのか、情報を聞いたことはあっても実際に自分の目で見れたことはとても大きかった。流通の仕組みもよく理解できた。」

「コミュニティでの親子インタビューにて、児童労働が現実にあることを初めて理解できたように思います。知識から経験に変わった瞬間であり、またツアーの中で最も感情が動いた瞬間でした。」

「最終日の振り返りではガーナカカオ産業の課題点が様々な企業の視点から浮かび上がり、その課題に対して今後企業としてどう取り組んでいくのかを考えるきっかけになった。様々な企業の方と現地まで足を運んだからこそ見つけられた課題だと思う。」

「今回、自分の目で見ることが出来て情報量が飛躍的に増えました。」

「カカオ農家の視察を行った経験を踏まえて、カカオ産業の抱える実情や課題を発信し、チョコレートの価格妥当性や児童労働や環境に対する課題の認知拡大に努めていきたい。 」

「スタディツアーで得た経験を社内外の勉強会などで伝え、何かを感じ行動を起こす人を増やす取り組みを行いたい。」

「チョコレートを適正な価格で販売、購入してもらえることが当たり前になるよう、業界全体で取り組む必要を感じている。」

「自社ではまずは現地の状況共有をし、お客様向けの発信方法について検討をしたいと思う。共感を得られるような発信方法を考えることが手始めにできることだと考える。」

「今後自社でガーナカカオ産業への支援のプロジェクトを立ち上げる予定だが、自社プロジェクトのみならず現地で活動されている団体への支援も同時に進めることであらゆる方面から支援のアプローチが出来ることが理想。」

「目標は、当社だけでは達成できない為、今回得た横のつながりを活用しつつ活動を加速させていきたい」

開発途上国におけるサステイナブル・カカオ・プラットフォームでは、今後も、カカオ生産国の現状や、サステナビリティ実現に向けて実際に行われている取組について理解する機会の提供を通じて、カカオ産業の課題解決のための協働・共創を促進していきます。

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写真1:参加者とJICA関係者の集合写真

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写真2:カカオ農園の視察の様子

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写真3:NGOのプロジェクト活動地でのヒアリングの様子

▼ (表1)主な訪問先一覧:
訪問先 内容
カカオ農園 ココアホライズンプログラムによりアグロフォレストリーが導入されたカカオ農園およびコミュニティにて、豆の収穫~発酵~乾燥までのプロセスを見学
カカオ豆倉庫 ガーナ国内のカカオ豆を買い上げる業者(LBC)が管轄のコミュニティから収集したカカオ豆を貯蔵・管理する倉庫を見学
COCOBOD QCC
(カカオ公社カカオ豆品質研究所)
カカオのサプライチェーン全体の説明を受けるとともに、 国内/輸出向けの農薬検査やカカオ豆の品質管理を行う様子を見学
Niche Ltd., カカオ豆の加工品および、ガーナ国内市場向けのチョコレート製品を製造する工場を見学
ココアホライズンプログラム活動地 ココアホライズン財団が支援する村で住民貯蓄融資、アグロフォレストリー促進等の取組を見学
スマイルガーナプロジェクト活動地 特定非営利活動法人ACEが支援活動を実施する村で学校の給食プログラムや学校の授業の様子を見学。児童労働をモニタリングするコミュニティ子ども保護委員会(CCPC)、児童労働を経験した親子との面談
ガーナ政府と開発パートナーによるプロジェクト合同開始式典 ガーナ雇用労働省、JICA、国連機関の国際労働機関(ILO)、国際児童基金(UNICEF)等による、児童労働撤廃に向けたプロジェクトの合同開始式典に参加
日本貿易振興機構(JETRO) ガーナの政治・経済状況に関する概況説明
国際協力機構(JICA) ガーナに対する日本の国際協力に関する概況説明

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