きれいな病院プログラム

協力概要

(1)はじめに

JICAでは、アフリカ15ヵ国にて、各国のパイロット病院の責任者および中間管理職、保健政策担当者を対象に、5S-KAIZEN-TQMアプローチの概念や知識に関する理解の向上と活動計画の策定を目的とした研修を実施しています。各国病院からの研修参加者がこれらの計画を自院で実施するとともに、研修に参加した保健政策担当者が全国展開を推進する、という双方向からのアプローチを用いて、各国での5S-KAIZEN-TQM手法の導入と普及を支援しています。

(2)目的

「きれいな病院」プログラムは2005年に実施された調査研究の提言を基礎として、アジア・アフリカ知識共創プログラム(注1)の一つとして、2007年3月より開始されました。本プログラムは日本ならびにスリランカにおける医療サービスの質の向上に係る経験と知見を活かすようデザインされています。日本の製造業で発達した日本型品質管理(5S-KAIZEN-TQM)(注2)手法を保健医療施設に適応して成功したスリランカの事例に基づき、慢性的な保健医療資源の不足に直面している開発途上国の医療施設の経営改善ならびに保健医療の質・安全政策の改善に取り組んでいます。

(注1)アジア・アフリカ知識共創プログラム(AAKCP)

AAKCPとは、2003年TICAD IIIでアジア・アフリカ協力の重要性が強調されたことを受けて開始されたJICAによる協力の一形態です。TICADでは「オーナーシップとパートナーシップ」「南南協力の強化−アジア・アフリカ・イニシアティブ−「人間の安全保障(人間の尊厳に対する脅威からの保護、個人やコミュニティの問題対処能力育成)の重視」の3つのアプローチがあげられており、うちアジア・アフリカ協力の拡大として「アジア・アフリカ協力を含む南南協力の下、今後3年間で2,000人以上のアフリカの人材の研修を支援することを目指す」、「アジアの経験/開発戦略」の組織的移転として「南南協力シンポジウム、JICA研修、JBICセミナーの実施」が掲げられています。

本プログラムのコンセプトは「対話型」「先進技術の移転ではなく適応可能な技術」「アジアとアフリカが知識・経験を継続的に共有」「JICAは場を提供」などになります。そのコンセプトを反映する形で、従来の技術移転型、講義形式の研修から、問題解決に向けた研修およびその後のフォローアップ協力までの「既存の枠組みの融合」という新たな協力形態を生み出し、1年半の協力期間中に複数の研修と日本およびアジア諸国からのサポートを実施するプログラムの形態を採用することとなりました。

このAAKCPの第一弾は2005年3月から2006年8月まで実施された「農村コミュニティ開発プログラム」です。アフリカ9ヵ国の参加者が日本での研修、大分県およびタイ国でのフィールド訪問を通じ「地元学アプローチ:地元を知ることから始めて地元資産の活用を通しコミュティ開発を考察」、「改善型アプローチ:外部に依存することから始めるのではなく身の回りで実行できる小さな改善からコミュニティ開発を考察」等、日本の農村開発経験のコンセプト、そしてタイ・マレーシア・インドネシアからの参加者による各国の経験を共有し、自国の問題解決のためのアクションプランを作成しました。

(注2)日本の産業界で発展し、日本の病院およびスリランカ国等のアジア諸国でも病院管理の改善に応用されています。

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(3)協力期間

2007年3月から現在まで

(4)対象国

第1グループ(対象8ヵ国:ウガンダ国、エリトリア国、ケニア国、セネガル国、タンザニア国、ナイジェリア国、マダガスカル国、マラウイ国、実施期間:2007年3月〜)、第2グループ(対象7ヵ国:コンゴ民主共和国、ニジェール国、ブルキナファソ国、ベナン国、ブルンジ国、マリ国、モロッコ国、実施期間:2009年3月〜)の計15ヵ国より要請を受け支援を実施。

【画像】対象国