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3. 民間セクター等との連携

1. アプローチ

栄養改善の課題は、食品、保健医療、水などの分野で優れた製品やサービスを提供する民間企業による取り組みも大きく期待される分野です。JICAは民間連携事業を通じて、栄養改善に資する技術を持つ日本企業の海外展開を後押ししています。

2. 事例

(1)ガーナ共和国「離乳期栄養強化食品事業化準備調査」(公益財団法人味の素ファンデーション/味の素株式会社)(2011年3月~2014年3月)

ガーナで広く食べられている離乳食「koko(ココ)」は、発酵したトウモロコシで作られたおかゆです。しかし、栄養が偏っているため、胎児期から2歳までの「人生最初の1000日」に十分な栄養を摂れず、低身長や貧血といった問題が生じていました。
この課題を解決するために、離乳食に混ぜるだけでアミノ酸やビタミン・ミネラルなどを補える栄養サプリメント「KOKO plus」を開発し、母子が保健所に健診に来る機会に看護師から推奨して、需要を喚起しています。
調査終了後の現在も、無料配布ではなく低価格で販売することで、持続可能なソーシャルビジネスとして栄養改善を実現するモデルづくりが進めてられています。

提供:公益財団法人 味の素ファンデーション

(2)バングラデシュ人民共和国「ユーグレナ・クッキー事業準備調査」(株式会社ユーグレナ)(2015年5月~2017年3月)

バングラデシュのスラム地域に居住する最貧困層の子どもたちは、ビタミンA、B12、亜鉛、鉄分等の栄養素が不足し、それに起因する低体重、発育阻害、貧血が重大な問題となっています。ユーグレナ社は、2014年からバングラデシュの最貧困層の子どもたちが通う学校に、栄養価の高いユーグレナ入りクッキーを届けています。「ユーグレナGENKIプログラム」と名づけたこの活動での提供数は、累計2,000万食にものぼります(2025年3月末時点)。

この活動を持続させるため、中間層以上にユーグレナ入り食品を販売し、そこで得られた利益で最貧困層の子供たちにユーグレナ入りクッキーの提供を拡大するサイクルを検証する調査を実施しました。クッキー配布の他に、食育や衛生教育などさまざまな活動を展開し、子どもたちの栄養改善に取り組んでいます。

(3)ウガンダ「西ナイル栄養改善生計向上(NILE)プロジェクト」(2023年11月~2026年10月)

約200人の難民を受け入れるウガンダでは、難民居住区とそのホストコミュニティにおける、子どもや思春期女性の栄養不良が課題です。本プロジェクトでは、ケアグループを構成し、栄養と育児の研修、行動変容コミュニケーション、生計向上支援、家庭菜園普及に取り組むことで、ターゲットグループの栄養改善を目指しています。

(4) カンボジア「コミュニティにおける子どもの栄養改善プロジェクト」(2023年4月~2028年4月)

本事業は、カンボジアの中でも子どもの低栄養が最も深刻な地域「プレアビヒア州」を対象に実施しています。村での乳幼児健診や農村地域で作りやすい離乳食教室の実施といったコミュニティへのアウトリーチ活動を、地域の「女性子ども委員会」とともに推進します。コミュニティにあるリソースを最大限に活用し、自立的かつ持続的な活動体制の構築・定着が期待されます。