南アフリカ初のNINJAアクセラレーターの成果として、スタートアップ2社がNEC XONの公式ベンダーに
2025.03.17
JICAが実施するスタートアップエコシステム構築支援プログラム「Project NINJA（Next Innovation with Japan）」の成果として、日系企業とアフリカの現地スタートアップの協業が実現しました。
JICAが南アフリカ共和国で実施したNINJAアクセラレーター・オープンイノベーションプログラムにて、現地スタートアップのAgrilogiq社とLocstat社と、日本電気株式会社（NEC）のアフリカ・サブサハラにおける子会社であるNEC XON社との間で、３か月にわたる実証実験（PoC）を行った結果、このたび、同２社が、NEC XON社の公式ベンダーとして採用されました。これは、同２社が提供するソリューションとNEC XON社の戦略がマッチしたものであるとともに、この成功は、アフリカにおける日系企業と現地スタートアップのさらなる協力の道を開くものと考えられます。
同スタートアップ２社は、2025年1月に東京を訪問し、NEC本社のほか、日本企業や投資家と面談を行いました。また、JICAはこのタイミングに合わせ、公開イベント「アフリカにおけるオープンイノベーションとコーポレートベンチャリング～NINJA Accelerator in South Africa-Open Innovation Editionの事例と経験～」を開催し、幅広い参加者に対し、NEC XON社とアフリカの現地スタートアップによる協業事例や、アフリカにおけるオープンイノベーション推進について紹介しました。
同イベントにて、NEC XON社のデジタルソリューションチームリーダーのクリス・デュベナージュ氏は、「JICAのNINJAプログラムは、現地スタートアップとの戦略的提携を進める上できわめて有効であった。今後は、Agrilogiq社およびLocstat社との協力を進め、産業の発展だけでなく世界中のコミュニティの向上にもつながるソリューションを創出していきたい。」と述べました。
Agrilogiq社については、農業バリューチェーン全体の最適化のためのデジタル農業ソリューションにおいてNECのAI・データ分析技術を活用することや、国際的なネットワーク・取り組みを有するNECとの連携により国際的な展開の可能性が確認されるなど、両社が連携することによる相乗効果が確認されました。
Locstat社に関しては、実証実験により、同社の保有するプラットフォームからNECのシステムにシームレスにデータを提供し、分析・モニタリングの機能を活用することにより、スマートインフラと都市開発における相乗効果が創出されることが明らかになりました。両社は、その先の拡張性を検証し、より大規模なプラットフォームとデータセットの統合を模索するために、さらなる検証を実施することに合意しました。
本プロジェクトを推進する株式会社Double Feather Partnersのマネージングディレクター兼プログラム責任者ヤニック・ガヤマ氏は、「このプロジェクトが、LOIの締結や正式なベンダーとしての採用といった具体的な成果を生み出したことは大変喜ばしい。その背景には、NINJAプログラムを通じた戦略上のフィットの検証などのきめ細かい支援があった。日系企業と現地スタートアップとの連携実現のためには、お互いをつなぐだけでなく、そのような追加的なサポートが有益だったと考えている。今回の成功は、日系企業とアフリカのスタートアップが連携することで、日本とアフリカとの間での戦略的価値・利益拡大の可能性を切り開く第一歩に過ぎない。こうした連携がさらに生まれることを期待しています。」と述べました。
NINJAアクセラレーターは、株式会社Double Feather Partnersおよびデロイト・トーマツがJICAから委託を受け主導する事業であり、現地パートナーや海外の専門家協力のもと、地域のイノベーションと経済成長を促進することを目的としています。ケニアでの第１フェーズの成功を基に、対象を南アフリカに拡大するとともに、新たなアクセラレーションパートナーとして、アフリカ全域を対象とするテックアクセラレーターのStartupbootcamp AfriTech、そしてNEC XON社が参加しました。
関連リンク：NEC XONとの提携を目指す有望なスタートアップ３社と共に、初の南アフリカNINJAアクセラレーターが始動 ｜ 事業について - JICA
NEC本社訪問の様子
日本での公開イベントの様子
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