平成19年4月1日以降に事前通報が行われた案件に適用 詳細説明

1.優先条件適用可能な対象分野は以下のとおり

【地球環境】

(1)森林保全・造成
a)森林保全・管理
b)造林・植林
c)森林資源調査
d)その他(モニタリング・システム等)
(2)公害防止
a)大気汚染防止
例:大気汚染防止施設の設置、大気汚染物質排出削減に資する既存発電所のリハビリ、工場等の高規格化・リハビリ、大気汚染防止のための石炭調質・選炭
b)水質汚濁防止
例:排水処理・再生利用、ヘドロ処理・残滓処理、水質汚濁防止のための工場移転、港湾等における汚濁物質の排水防止施設、下水処理施設
c)廃棄物処理
例:廃棄物収集・処理・処分
(3)省エネ・省資源
例:省エネルギー施設の設置、省エネ・省資源を目的とした発電所・送配電線、地域熱供給、コジェネレーション
(4)自然環境保全
a)野生生物保護
b)水産資源調査
c)遺伝資源調査
d)土壌保全
e)その他(研究、モニタリング)
(5)代替エネルギー(新・再生可能エネルギー)
例:太陽光発電・太陽熱利用(発電を含む)、風力発電、廃棄物発電及び熱利用、地熱発電、バイオマスエネルギー、都市廃熱利用、燃料電池、排ガス利用
(6)オゾン層保護
例:フロン等排出抑制・回収技術、オゾン層破壊物質処理、モニタリング
(7)海洋汚染
例:海洋汚染防止のための機械・船舶等、海洋投棄対策、モニタリング
(8)砂漠化防止
例:植林・森林保全、砂漠化防止型農業
(9)感染症対策・貧困削減に資する上水道

【人材育成支援】

(1)我が国への留学・研修

(2)我が国からの専門家派遣

(3)我が国への私費留学生等に対する貸付

【中小企業】

中小企業のうち特に零細なもの等への低利融資制度

【平和の構築支援】

平和構築対象国及び周辺国において復興等に資する案件
註1:案件の一部が優先条件適用分野である場合には、当該部分を優先条件適用分野に分類することもできる。
註2:環境への負荷が大きくないと認められる水力発電は、代替エネルギー分野に含め得るが、環境面で特に慎重な検討を行い、問題が無いと認められたものに限る。

2.中進国については、円借款を供与可能な分野を原則として「環境」、「人材育成支援」、「地震対策」及び「貧困地域における格差是正支援」に限定していたが、中進国の多様な開発ニーズに一層応えるべく、「地震対策」を「防災・災害対策」とし、「格差是正支援」の対象を、貧困地域のみならず都市部における貧困層の生活改善に直接資する社会基盤の整備等にも拡大する。

3.本邦技術活用条件の適用条件は以下のとおり。

【制度趣旨】

(1)我が国ODAに対して様々な意見がある中で、引き続きODAを推進していくためには国民各層のODAへの参加促進等を通した理解と支持が不可欠となっている。

(2)そのため、我が国の優れた技術やノウハウを活用し、途上国への技術移転を通じて我が国の「顔の見える援助」を促進するため、「本邦技術活用条件」が新たに創設され、2002年7月1日より適用されることとなった。

【対象国】

円借款の対象国であり、OECDルール上タイド借款が供与可能な国。

【対象案件】

以下の分野に該当し、かつ我が国の事業者の有する技術・資機材がその実現に必要かつ実質的に活かされる案件。

  • 橋梁・トンネル
  • 港湾
  • 空港
  • 都市交通システム
  • 通信・放送・公的情報システム
  • 発電・送配電
  • 石油・ガス輸送貯蔵施設
  • 都市洪水対策事業
  • 幹線道路・ダム(我が国の耐震・免震技術、地盤処理技術、急速施工技術が活用されるもの)
  • 環境対策事業(我が国の大気汚染防止技術、水質汚濁防止技術、廃棄物処理・再資源化技術、熱回収・廃熱利用技術が活用されるもの)

【金利・償還期間】

OECDルール上、タイドが可能となる条件とし、毎年1月15日に見直しを行う。

【調達条件】

主契約は日本タイド、下請けは一般アンタイド。主契約については借入国との共同企業体(JV)を認めるが、本邦企業が当該JVのリーディング・パートナーとなることが条件。

【融資比率】

総事業費の100%相当額までが円借款の融資対象。

【原産地ルール】

円借款融資対象となる本体契約総額の30%以上については、下表の通り(a)日本を原産とする資機材及び本邦企業の提供する役務、または(b)資機材を調達することとする。

分類具体的分野(例)
工法等の面で我が国企業の優れた技術の活用が期待される部分については、資機材だけではなく、サービスも本邦調達率の算定に含める。トンネル、港湾、コンクリート橋、幹線道路、ダム、下水道、大都市地下導水トンネル、公的情報システム、水力発電、地熱発電 等
資機材やプラント等の設置が主な目的であり、資機材の面で我が国技術の活用が期待される部分については、資機材だけで本邦調達率を算定する。通信・放送施設、風力・太陽光・火力発電、石油ガス輸送貯蔵システム、廃棄物処理場、ごみ焼却処理場、鋼橋、都市交通システム、都市河川洪水制御、送配電 等

【調達監査】

調達プロセスの公正性を確保するため、借款資金やJBIC調査費用等を活用して、第三者機関などによる調達手続きに関する入札後の監査を導入する。

(以上)