「中南米・カリブ地域セミナー」~開発のプロが現地からビジネスチャンスや課題を発信~を開催致しました!

2023.06.29

中南米・カリブ地域は、総人口6.5億人、GDP(国内総生産)約5.5兆ドルの経済市場を有する ASEANの約2倍に匹敵する規模です。世界有数の資源・食料・エネルギー供給元としての存在感が高まり、大きな経済的潜在力を有しています。また、世界最大の日系人ネットワーク(約224万 人)があり、親日的な国が多いことでも知られています。同時に、中南米・カリブ地域では多様で複雑な社会課題が多く存在します。

2023年6月6日、国際協力機構(JICA)は中南米・カリブ地域で事業を実施中、またはビジネスの関心を有する日本企業の皆様に対して、メキシコ 、ドミニカ共和国 、 コスタリカ 、エクアドル 、ペルー 、ブラジル 及びパラグアイの7ヶ国の開発課題、ビジネスチャンス並びに過去のJICA事業を活用した日本企業の好事例を発信するオンラインセミナーを開催致しました。セミナーには中南米・カリブ地域や日本から110名以上が参加し、大盛況となりました。

セミナーについて

冒頭、開会挨拶で大里圭一メキシコ事務所次長は、開発途上国が販路拡大先及びイノベーション拠点として魅力がある点に言及した他、松尾智子同事務所企画調査員が中小企業・SDGsビジネス支援事業の支援スキームを説明しました。また、上記7ヶ国の事務所の代表が各国のビジネス概況、開発課題とビジネスチャンス及び過去の民間連携事業の事例等を発表しました。

まず、世界第10位(約1,300社)の進出日系企業拠点数を誇るメキシコからはOECD国で肥満率1位である点及び米国から流入し続けるプラスチック関連廃棄物が課題となっている点を紹介しつつ、スタートアップ・エコシステムが大幅に伸長している点を強調しました。ドミニカ共和国は、中米・カリブ地域でメキシコに続く経済規模を誇る点並びに安定した政情の魅力につき紹介した後、交通インフラ、地震やハリケーンに係る防災、保健医療、DXの分野における課題に言及しました。

コスタリカは先進技術分野の輸出が中南米第3位であることやソフトウェア開発等の地域オフィスがあること、環境先進国であると同時に交通部門の脱炭素化と廃棄物処理で課題を抱えている旨発言した他、エクアドルからは気候、地形、人種等における多様性が特徴である点に加え、日本の高級スーパーで飛ぶように売れるバナナを生産する日系企業及び中小企業・SDGsビジネス支援事業で109台の医療シュミレーションロボットの納品に繋がった京都科学社の成功事例を紹介しました。

大里圭一メキシコ事務所次長の開会挨拶

ドミニカ共和国の課題について

エクアドル事務所からの発表

ペルーは深刻化する都市と農村の格差が最重要課題であり、特に農業、環境、防災分野において社会課題が顕著となっている点や20万人の日系人並びに南米西語圏スタートアップのゲートウェイとしての特徴について発表しました。中南米最大の経済市場であるブラジルからは農業、保健医療、気候変動対策、DXの分野における課題を発表するとともに中小企業・SDGsビジネス支援事業を活用した日本の医療用マットレス製造会社が同国に製造拠点を設立した成功事例を紹介しました。

中南米最大の親日国と言われるパラグアイからは農畜産業、基本インフラ、産業、DX等の分野における課題について発表した他、同国の利点として域内最低税率並びに安価なクリーンエネルギー等を挙げました。
最後に、閉会挨拶にて川村怜子ブラジル事務所次長が中南米・カリブ地域では社会課題が山積しているからこそ、サービスやイノベーションが急成長しているという側面があり、日本企業の貢献を期待する点を強調しました。

パラグアイ事務所からの発表

川村怜子ブラジル事務所次長の閉会挨拶

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