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セネガル ― 注目分野(農業分野)

共にセネガルの農業の前進に携わりませんか?

特に応募を期待する領域

  • 農業の機械化
  • スマート農業
  • 衛生データ・リモートセンシング技術

応募を期待する背景・セネガル国の現状

セネガルでは2008年の世界食料価格危機以降、食料安全保障の達成を目標としていて、今後も更なる人口増加が見込まれる中、それに耐えうるよう農業を行う必要があります。

セネガル政府は主食であるコメの必要な生産量の確保を目標としてきた結果、2011年には年間41万トンであった生産量は2022年には140万トンに増加するなど飛躍的に伸びていますが、セネガル政府が新たに定めた「食料主権戦略(SSA)(2025-2035)」の目標であるコメの自給達成にはまだ至っていません。必ずしもコメの生産だけの課題ではありませんが、自給達成するためのコメの増産に向けては灌漑稲作・天水稲作の栽培面積の不足、既存灌漑施設の老朽化、農業資機材や貯蔵施設等の不足及び低い維持管理能力、未熟な栽培技術、金融アクセス及び資機材の維持管理能力等、多くの課題が残っています。

産業の観点から農業は、農村部の貧困削減、雇用の創出や経済の活性化等に貢献してはいますが、伸びしろの多い分野です。セネガルには限られた土地やリソースで農業を営む農家が多く存在しますが、現状として玉ねぎやトマト等のいわゆる換金作物で生計を立てていますが、マーケットニーズを十分に意識していない生産・販売を行っていたり、品質や保存状態が十分でない作物の販売をしていることから値崩れや作物の破棄をしていたり等、多くの課題が残っています。

また、セネガルでは近年気候変動の影響が顕著になってきており、過去と比較しても不安定な降雨や慢性的な干ばつが発生しています。農業において水源の確保は必須要素ですが、セネガルの南東部の雨が降る天水地域以外は井戸等の地下水源に依存する地域における水資源の安定的な確保が喫緊の課題になっています。

セネガルの農業開発には多くの課題が残る中、2022年時点で約1,700万人であるセネガルの人口は2050年には倍以上の4,000万人を超えるという見込みも出ており、今後の人口増加に耐えうる農業を行う必要があります。効率的な農業や特に若者の農業従事者を創出することが一つの解決策となりますが、そのためには農業が経済的にも魅力がある産業であることを示していくことが重要なポイントとなります。現在行われている未熟な部分の残る農業や周囲の環境の影響を受けやすい農業の構造を変えていくためにも農業の機械化やスマート農業の導入が与える影響は大きいものとなります。

参考リンク

担当者コメント

セネガルに対するJICAの協力の中で農業は一つの大きな柱になっていて、その中でもコメの生産量・生産性の向上に対しては30年以上の協力の歴史があります。セネガルでは稲作以外でも未熟な農業が行われていることから様々な課題が残っていますが、日本の民間企業が課題を解決し、活躍できる場も多くあるとじています。セネガルには人口増加を見据えて今後も大きなニーズがあり、構造が異なるものの農業従事人口が不足する日本で既に導入されていて知見も技術もある農業の機械化やスマート農業の導入が与える影響は大きいと思っております。また、逆に日本とは全く異なる環境下で技術を活用することで、改良を加えることができ日本にも貢献することができるのではないでしょうか。支援の対象という切り口だけではなく、市場としての切り口からもセネガルをとらえていただける一助になることを願いながら、日本企業の皆様と共創できるような機会が巡ってくることを楽しみにしております。