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※本頁は民間連携事業にご関心ある企業様向けのページです。
事務所メッセージ
ホンジュラスは日本からみて地球の裏側にあるにも関わらず、中南米の中でも日本への信頼が非常に高い国のひとつです。2025年は外交関係90周年、並びに海外協力隊員派遣開始50周年を迎える記念の年であり、近年のJICAによる協力は中南米地域では最大規模であり、国民・政府からも高い評価を得ています。
日本企業・日本製品に対する期待も大きく、JICAホンジュラス事務所としても本邦企業の進出支援を拡大していく方針です。2024年には、ホンジュラス向けに初めてとなる海外投融資事業を2件実施しました。皆様の技術・製品を活用し、ホンジュラスの社会課題をビジネスの力で共に解決していければと考えております。
ホンジュラスでのビジネス展開に少しでもご関心をもたれましたらお気軽にJICAホンジュラス事務所にご相談ください。
ホンジュラスってどんな国?
【政治・経済】
ホンジュラスでは、2022年に就任したシオマラ・カストロ大統領(LIBRE党)による民主的統治が継続しており、治安・汚職対策や社会インフラ整備に注力しています。とりわけ、日本・JICAが協力を実施したブラジルの警察機関を通じてのホンジュラス国家警察に対する地域警察活動にかかる協力もあり、治安に関する指標も改善しつつあります。
また、公共調達の透明化や法制度の近代化にも取り組んでおり、日本を含む海外からの投資環境の改善が期待されます。
2024年の実質GDP成長率は3.6%と堅調で、2025年も3.3%前後の成長が見込まれています。特に民間消費と金融アクセスの拡大が国内市場を活性化させています。
財政面では、政府が社会保障関連支出やインフラ投資を重視しており、都市整備・港湾整備などの需要が見込まれております。また、米国との強い貿易関係を持つことから、中米域内及び北米市場への「中継地」としての機能も期待できます。例えば、ホンジュラス北部に位置するコルテス港は中米で唯一米国税関の出張所があり、米国向け貨物の事前審査が可能であり、米国向け輸出がスムースに行くという有利な立ち位置にあります。
投資環境については、特別経済区(ZEDE)制度が2024年9月に廃止されたことで、投資の自由度は下がり、今後は国全体が同一の条件のものとで事業が行われることは注意が必要です。
ホンジュラスは、中米の中でも地理的優位性に加え、人口ボーナスや港湾開発、治安対策の進展を背景に、今後の産業拠点化が期待される国です。特に、日本企業の技術力・品質管理・パートナーシップ志向は、ホンジュラス政府・企業側からも高く評価されています。
【産業】
ホンジュラスは中米地域に位置し、農業、製造業、サービス業を中心とした多様な産業構造を持つ国です。近年では、再生可能エネルギーや観光業など、新たな分野への展開も進んでいます。
- ■農業
- ホンジュラスの農業は、コーヒー、バナナ、パーム油、砂糖などの輸出向け作物が中心です。特にコーヒーは主要な輸出品であり、マーケティングイヤー2024/25(2024年10月~2025年9月)の輸出量は前年比約14.5%増の5.37百万袋(60kg袋換算)と見込まれています。
- ■水産業
- 養殖エビは主要な輸出品の一つであり、特に台湾向けの輸出が多かったものの、2023年の台湾との外交関係断絶により、輸出量が減少しています。他方、新たに国交樹立し、「Early Harvest」協定を結んだ中国向けの輸出は台湾に比べ、低価格且つ需要拡大も遅く伸び悩んでいます。
- ■製造業・加工業
- ホンジュラスの製造業は、マキラと呼ばれる保税加工区を中心に発展しています。繊維・縫製業が主力であり、米国向けに輸出が多いです。また、自動車用ワイヤーハーネスなどの電子部品製造も行われています。
- ■サービス業・観光業
- 豊かな自然と文化遺産を活かした観光業が盛んです。特に、ロアタン島などのカリブ海沿岸地域ではダイビングやエコツーリズムが人気を集めています。また、西部に位置するマヤ文明の遺跡群であるコパン遺跡は、1980年にユネスコ世界遺産に登録されています。これらを代表する観光業は、GDPの約10.5%(2023年)を占める同国の重要な産業です。
コパン遺跡
【エネルギー】
ホンジュラスでは再生可能エネルギー導入が進み、太陽光・水力を中心に投資が拡大中です。2024年には省エネ法が成立し、エネルギー効率化への支援も制度化されました。発電設備や省エネ機器、再生可能エネルギーによる地方電化等、エネルギー管理分野で日本企業の高度技術が貢献する余地は大きく、進出の好機となっております。
【自然環境】
ホンジュラスは中米有数の生物多様性国であり、森林、山岳、海洋、湿地帯といった多様な自然環境を有します。中米生物回廊の一部に位置し、哺乳類110種以上、鳥類700種類以上、両生類・爬虫類300種類以上が確認されています。国土の約40%が森林におおわれ、国土の25%以上にあたる約90自然保護地域が指定されており、持続可能な開発と自然環境管理が重要な政策分野となっております。
カリブ海沿岸には、サンゴ礁(メソアメリカン・バリアリーフ)が広がり、ロアタン島などでダイビングやエコツーリズムが盛んです。他方、森林火災、地すべり、洪水などの影響は深刻なため、地盤解析や早期警報等(日本企業の進出実績あり)で日本企業の技術を生かす機会が存在します。
ロアタン島の海辺
【主な社会課題】
ホンジュラスは、中米の中でも顕著な社会課題を抱える国の一つであり、貧困、教育・医療格差、治安、災害リスク、インフラ未整備といった問題が複合的に存在しています。人口の半数近くが貧困線以下で暮らし、若年層の就労・教育機会の不足や、地方における医療・公共サービスへのアクセスの制限が深刻な状況です。こうした中、ICTを活用した教育・職業訓練機材の提供、遠隔医療や医療機器の導入、水インフラの普及など、日本の高品質な技術や運用ノウハウは現地のニーズに高く適合します。
また、ホンジュラスで約100万人以上(国民の約10%以上)のホンジュラス人が国外(主に米国)に居住しており、トランプ政権による移民の強制送還が想定されます。移民問題は国内外の安定にかかわる重大な社会課題であり、日本企業にとっては、社会貢献と事業性を両立した職業訓練支援や、雇用創出型投資等のかかわり方が想定されます。
ホンジュラス経済界からの期待
日本のビジネスリーダーおよび未来を見据える皆さまへ
ホンジュラスは、日本の産業界の皆さまに、卓越した投資・開発機会を提供できることを誇りに思います。私たちは日本の価値観と完全に調和しており、戦略的かつ有望な環境を提供しています。ホンジュラスは、グローバル貿易における橋渡しとして、この地域において他と一線を画す存在です。
私たちの地理的位置は、アメリカ大陸の中心にあり、大西洋と太平洋の両方へのアクセスを持つことで、比類なき物流上の優位性を誇ります。これにより、北米・中南米・ヨーロッパ・アジアなどの主要な輸出市場と直接つながり、サプライチェーンの最適化と輸送時間・コストの大幅削減が可能となっています。
ホンジュラスは、米国および中米諸国とのDR-CAFTA(自由貿易協定)を含む、強固な自由貿易協定(FTA)ネットワークを構築してきました。さらに、カナダ、メキシコ、コロンビア、ペルー、パナマ、韓国、イギリス、欧州連合(EU)などとの二国間協定を含め、11のFTAを通じて45カ国をカバーしています。これらのFTAは、日本企業にとって、大きな購買力を持つ市場への優遇アクセスと関税削減を保証し、世界市場における事業展開と競争力の最大化に貢献します。
物流面に加え、ホンジュラスは若く拡大しつつある労働人口を誇ります。2023年の人口は約970万人で、そのうち20.8%が18歳から30歳という構成です。これは、適応力に優れた豊富な労働力があり、イノベーションや技術導入への大きな可能性を秘めていることを意味します。これは、生産性と品質の向上に極めて重要です。
また、私たちは魅力的な税制上の優遇措置(所得税や関税の免除など)を提供しており、とりわけ農業関連ビジネスや製造業などの戦略的分野・地域において恩恵が得られます。
農業・水産業・コーヒー・カカオなどの分野において、ホンジュラスは卓越した自然条件を提供しています。肥沃な土壌、多様な気候、豊富な水資源が揃っており、高品質で持続可能な農業生産に最適です。
ホンジュラスにおけるカカオ
• コーヒー:マーケティングイヤー2023/2024年度(2023年10月~2024年9月)には、46kg袋で480万袋を輸出し、13億9,000万ドルの収益を生み出しました。
• エビ養殖:2023年の全国生産量は1億3,170万ポンドに達し、2億6,910万ドル相当を主に台湾、メキシコ、イギリス向けに輸出しました。
• カカオ:ホンジュラスはかつて「高品質カカオ生産国」として認定されており、2023年9月時点で714.36トンを輸出しています。
日本の専門技術と投資によって、ホンジュラスのコーヒーやカカオといった高付加価値製品は、世界のプレミアム市場に進出することができます。私たちは、「信頼と相互利益」に基づく長期的な戦略的提携を望んでいます。日本の技術、品質管理、環境の持続可能性が、両国のイノベーションと社会経済発展を推進するカギとなるでしょう。
私たちは、貴社のホンジュラスでの拠点設立と、成功への道筋を全面的に支援することをお約束します。
現地スタッフからの声
こんにちは。JICAホンジュラス事務所のケニア・コエージョ(Kenia・Coello)です。
中米ホンジュラスの投資機会について、ぜひご紹介させてください。
ホンジュラスは、大西洋と太平洋の両方に面しており、北米やヨーロッパ、アジアへの輸出にとても便利な場所にあります。最近は港や道路などのインフラ整備も進み、物流のコストも下がっています。
また、外国企業を歓迎する制度も充実していて、税制優遇や技術支援、自由貿易地域などを通じて、ビジネスの立ち上げがしやすくなっています。
農業や水産業では、ホンジュラス産のフルーツやエビ、コーヒー、カカオが世界でも注目されています。特にスペシャルティコーヒーや高品質のカカオは、国際的な評価も高く、日本市場との相性も良いと思います。
若くて意欲のある人材が多いことも、ビジネス展開の大きな強みです。持続可能な方法での生産など、環境に配慮した経済成長への取組みも進んでいます。
「海外で何か新しいことを始めてみたい」「中南米市場に挑戦してみたい」とお考えの方にとって、ホンジュラスはきっと有力な選択肢になるはずです。ご興味がありましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。
日本とホンジュラスが手を取り合って、新しい価値を生み出せることを楽しみにしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
お問い合わせ窓口
JICAホンジュラス事務所 民間連携事業担当
hd_oso_rep@jica.go.jp(メールアドレス)
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