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カンボジア ― 注目分野(農業分野)

カンボジアの農業は、人口の約8割が暮らす地方の主要産業です。JICAではフードバリューチェーンの構築、農業生産性の向上、市場アクセス改善による輸出振興を通じた農業・農村開発に協力しています。

農業分野における上位計画

カンボジア政府は「第1次五角形戦略」(2023-2028)の5本柱の1つとして「強靭かつ持続可能な包摂的開発」を掲げ、「農業振興と地方開発」を重点分野としています。同戦略での優先政策事業として、農産物の価格安定化、近代農協の推進、コミューン農業官の増強を、農業省が中心となって進めているところです。

また、「国家農業開発政策」(2022-2030)では、農村部の生活改善と食料安全保障の確保を主軸に、2030年までに当国の農業をより生産的で競争力のあるものに変革するとしています。

さらに、「国家水資源管理と持続可能な灌漑に向けたロードマップ及び投資プログラム」(2019-2033)では、洪水による経済的、社会的、環境的影響を軽減するため、灌漑システムの近代化等を通じて、気候変動による水害の影響を最小化し、収益性の高い灌漑農業を目指すとしています。

関連するJICAの取組み(フードバリューチェーンの構築、農業生産性の向上)

フードバリューチェーンの構築
JICAは、技術協力「残留農薬分析能力強化プロジェクト」(2020-2023)での農作物の品質管理強化、技術協力「ビジネスを志向したモデル農協構築プロジェクト」(2014-2019)での農協の組織運営強化と農協ビジネスモデル構築といった取組みを実施してきました。農作物・養殖魚の生産・収穫後処理・加工の技術改善や付加価値向上・品質管理強化、小規模農家や農家グループのビジネス運営・管理能力の強化、市場アクセス改善のためのネットワーク形成を通して、農作物や養殖魚のバリューチェーン構築・改善を目指しています。

農業生産性の向上
JICAは、技術協力「流域水資源利用プロジェクト」(2014-2019)での効率的・安定的な水資源利用のための組織的調整機能の構築、有償資金協力「トンレサップ西部流域灌漑施設改修事業」(2011-2023)での灌漑施設の拡充、農業生産性向上といった取組みを実施してきました。ソフト面では、灌漑排水国家標準設計基準の策定、流域水資源利用・水利組合の機能向上、ハード面では、灌漑・排水施設の高品質化を目指した整備・改修を通して、気候変動対策に資する適切な水資源管理の実現や農業生産性の向上を目指しています。

カンボジアの課題と特に期待する提案

カンボジアの農業分野では、付加価値向上、品質管理強化、作物の多様化、灌漑水資源利用の効率化などが課題として挙げられます。カンボジア政府としては、競争力のある農業への変革(あるいは農産物の輸出振興)、気候変動対策、デジタル技術の活用等を促進しています。これらの課題の解決やカンボジア政府方針の促進に資する、民間企業様のサービス・技術を活用した提案をお待ちしております。

参考リンク

関連する採択案件