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- JICA地球環境部 人も建物も未来も守る地震防災-日本の経験から学ぶ事前防災投資-
世界で高まる地震防災へのニーズ
世界中に存在する地震リスク。日本では、社会的な機能の維持のため、人命だけでなく、建物の損傷も防ぐ地震対策に取り組んでいます。
昨今、世界で多くの震災が発生し、各国で地震防災に関する関心が高まってきています。そのような中で、現在の日本では、大規模な地震が発生しても人命だけでなく建物の損傷も防ぎ、継続的に建物が使用可能で、社会的な機能が維持されることを目指すべき、という考えのもとで地震対策に取り組んでいます。
震災大国である日本として、地震リスクの高い開発途上国の学生や技術協力プロジェクト関係者、防災関連研修コースに参加するJICA研修員等に向けて、過去の災害経験・教訓をもとに、この考えに至った経緯や大規模地震に備えた技術的解決策を効率的に伝えるためのツールとして、JICA-Netマルチメディア教材「日本の地震耐震分野の経験」(英語)を制作しました。これにより、地震リスクの高い国々における事前の防災投資を推進することを目的としています
「人命に加えて、建物の機能も維持する」日本の地震防災
世界の有感地震の約10%が日本およびその周辺で発生しています。日本はその長い歴史を通じて、災害に強い社会づくりを目指して努力してきました。
本教材では、日本の地震防災、特に耐震建築をリードしてきた東京工業大学・和田章名誉教授をお招きし、横井俊明JICA国際協力専門員との対談形式で日本の地震防災の考え方を議論しています。日本の実際の災害経験からの教訓を踏まえた耐震建築の変遷と経緯に触れ、「人命に加えて、建物の機能も維持する」という考え方の大切さや、これを実現するための技術の1つである「免震構造」について紹介しています。
東京工業大学・和田章名誉教授をお招きし、横井俊明JICA国際協力専門員との対談形式で日本の地震防災の考え方を議論しています。
後半では、JICAが世界各国で行っている、地震防災にかかる技術協力プロジェクトや研修事業を紹介しています。
後半では、JICAの地震防災にかかる技術協力プロジェクトや研修事業を取り上げ、単に日本の技術や法制度・基準等をそのまま移転するのではなく、各国の社会の特性を考慮した形で技術支援を行う重要性を示しています。
全体を通して、頻度は高くなくてもひとたび起これば甚大な被害をもたらす地震に対して事前の災害リスク削減に取り組むことは、現代だけでなく、将来数代先の子々孫々が安心・安全に暮らしていく社会を作るためであることを強調するよう意識しました。
次世代にわたって安心・安全な社会を築くために
本教材はJICAの技術協力等の関係者を中心として、研修・イベントでの上映、カウンターパートとの打合せ、勉強会等で活用されることを想定していますが、関心のある方々にも広く視聴いただける内容となっています。
本教材を通じて、日本の過去の災害経験から得た教訓や技術、社会的機能を維持するための災害リスク削減のための事前防災投資の重要性を伝え、次世代にわたって安心・安全に暮らせる社会の実現に貢献できれば幸いです。
山内 志乃
JICA地球環境部
このページで紹介している教材
日本の地震耐震分野の経験
現在の日本では、主に防災拠点や学校・病院等の重要な公共建築物について、大規模な地震が来ても、命だけでなく建物の損傷も防ぎ、継続的に建物が使用可能で社会的な機能が維持することを目指すべきという考えのもとで地震対策に取り組んでいます。過去の災害経験・教訓を踏まえてこのような考えに至った経緯や、大規模地震に備えた技術的解決策について紹介します。
人命に加え、建物の損傷も防いで機能を維持し、社会や経済も守るという発想転換に至った日本の災害経験・教訓・技術について、地震リスクの高い開発途上国の学生や、防災関連研修コースに参加するJICA研修員、技術協力プロジェクト関係者等に効率的に伝えるためのツールとして作成されています。また国内外の地震防災関係者に、JICAが進める防災協力を効果的に伝えることが期待されます。
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