千代田区役所 国際協力ってどんなもの?-JICAの活動紹介展示で活用-

2021年5月11日

千代田区主催「国際協力活動展示会」で使用

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展示会が開催された区民ホール。

千代田区では、2021年3月15日~19日まで千代田区役所の区民ホールで「国際協力活動展示会」を開催しました。この展示会は、保健・医療・衛生問題をテーマに、途上国の現状や課題に触れ、コロナ禍における途上国の課題解決に向けたJICAの取り組みを展示するもので、その中で3本のJICA-Netマルチメディア教材「母子手帳を世界に-途上国における導入と普及-」「JICAの水・衛生分野への協力」「JICAの保健協力-世界の人々に健やかな暮らしを-」を活用しました。

様々なJICAの取り組み

今回使用した教材「母子手帳を世界に-途上国における導入と普及-」は、様々な利点を併せ持つ母子手帳の普及をめざして、JICAが行ったプロジェクトを紹介します。パレスチナでは「命のパスポート」と呼ばれている母子手帳は、特に保健医療サービスが十分に行き届かない途上国での母子保健の改善に貢献します。日本の母子手帳をそのまま導入するのではなく、各国や地域の状況を分析し、それぞれに適した母子手帳を開発し、制度に合った導入を行ったのが特徴です。
「JICAの水・衛生分野への協力」では、JICAの水・衛生分野での協力のアプローチについて、カンボジア、セネガル、ベトナムの代表的なプロジェクト事例を通して紹介しています。私たちの生活にとって大切な水と衛生は、人の命に係わる重要な問題であり、緊急な改善が求められています。JICAは、より多くの住民に安全な水が供給されることを目指して活動しています。

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母子手帳は、母親と子供の健康の記録を一元化した画期的なツールです。

「JICAの保健協力-世界の人々に健やかな暮らしを-」は、JICAの保健医療分野での様々な取り組みを、保健システム強化、母子保健、感染症対策の事例を通して紹介する教材です。日本の開発援助の基本方針である「人間の安全保障」、人々の生命と健康の安全は、JICAの支援の重要な分野です。人々が着実に力をつけ自立することを重視する視点から、例えば感染症対策では、薬剤や必要な機材を提供するだけでなく、より持続的な方法で、途上国自身が自立的に保健サービスの提供を行えるような仕組み作りを支援します。

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村のヘルスセンターに病院から医療スタッフが出向いていく、モバイルクリニックサービス。

親しみやすさを目指した展示

展示では、来訪者が途上国の生活や国際協力の様子を様々な角度から知ることができるよう、JICA地球ひろばから写真・パネル・アイテム等の展示を行う予定でしたが、さらにモニターを設置してテーマに合う映像を流すことを考えていたところ、JICA東京の紹介でJICA-Netライブラリの教材を知り、利用しました。
この展示会は、一般の方々に向けた、誰でも自由に見ることができる展示会です。区役所に来た方もついでにふらりと立ち寄れるよう、また少しでも多くの方に国際協力を楽しく知ってもらえるよう、写真や展示パネルだけでなく、来場者の目を引くユニークな展示物や立体物を配す等工夫を凝らしました。

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「アンチウィルス」使用済み注射針の再利用を防ぐための装置。途上国でも簡単に手に入る空き缶で作ることができます。

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「ジャイプールフット」ゴム等で作られた低コストの義足。安価なためたくさんの人々に提供することができます。

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マルチメディア教材をループ上映。座ってじっくり見られるよう、椅子を配置しました。

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国の日々の暮らしで遭遇する「困った!」問題とその対処法。なんだろう?と思わず覗いてみたくなる展示。

実際に、区役所に別の用事でいらした方々にも多く立ち寄っていただき、「多くのことを知れた」「見やすくわかりやすい」といったお声をいただきました。

教材は、展示場でループ上映を行いましたが、会場に音や動きを与え、来訪者をひきつけることができたのではないかと思います。写真や展示パネル等からも、国際協力現場の様子や途上国でどのような課題があるかを理解することはできますが、動画があることにより、さらにその現場の様子をつかむことができたと思います。

コロナ禍の下で国と国との間の行き来が難しくなり、限られた活動しかできない今だからこそ、これまでの国際協力を振り返り、この状況で何ができるか、未来に向けて考えることは大切なことです。今回の展示が、私たち一人一人に何ができるのか、少しでも意識するきっかけになることを期待しています。

千代田区 地域振興部 国際平和・男女平等人権課

このページで紹介している教材

母子手帳を世界に-途上国における導入と普及-

本映像教材は、母子手帳の開発途上国における導入・普及の方法について、JICAの当該分野での経験を通して概説する。JICAは日本の経験に基づき、開発途上国での母子手帳の普及に取り組んできました。本教材は、母子手帳の導入手順を概説し、シンポジウムやセミナー、本邦研修や第三国研修で活用されることを想定しています。

JICAの水・衛生分野への協力

この教材「JICAの水・衛生分野への協力」は、国際会議や国内の各種イベント等の場において、JICAの水・衛生分野における協力について国内外の関係団体に向けて、広報・情報発信することを目的に作成したものです。JICAの水・衛生分野での協力のアプローチについて代表的なプロジェクト事例を参考としながら紹介する構成となっております。さまざまな場面において同教材を活用していただき、水・衛生分野のトップドナーであるJICAの活動に対する認識の向上に貢献することを期待しております。

JICAの保健協力-世界の人々に健やかな暮らしを-

JICAは国際的連携・協調を進めつつ、「人間」を中心に捉え人々が着実に力をつけ自立することを重視する「人間の安全保障」の視点から、途上国の人々の命を守り、育むための様々な取り組みを行なっています。「JICAの保健協力-世界の人々に健やかな暮らしを-」は、JICAの保健医療分野協力のアプローチについて、保健システムの強化、母子保健の向上、感染症対策の事例を交え紹介しています。