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JICA東京 結核終息のために-地域参加でUHCを推進-

2022年2月15日

結核の蔓延の終息を目指して

結核は世界10大死因の一つであり、世界の大きな健康課題です。新結核世界戦略The End TB StrategyおよびSDGsでは、世界的な結核の蔓延を終息させることを目的としており、結核の予防と治療をUHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)という広い文脈でとらえ、セクターを超えた取組が必要とされています。
今回、主に結核対策に関わる遠隔研修の教材としての活用を想定しつつも、結核対策に関わらず、広く保健分野の研修等での活用や保健分野での国際協力を志す学生等の自己学習にも役立てて頂けるような内容を目指して、JICA-Netマルチメディア教材「結核対策と地域参加」を作成しました。

地域参加の重要性と各国の実例を解説

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教材では、疾患対策における地域参加が保健システムの強化において果たす役割について、結核予防会結核研究所の石川信克氏が講義形式で解説していきます。

本教材では結核対策を事例に、疾患対策における地域参加が保健システムの強化において果たす役割について、結核予防会結核研究所の石川信克氏が講義形式で解説していきます。
結核対策は単独ではなく、地域の保健サービスや社会保障システムの中に組み込まれることにより強化されます。そして地域が積極的に疾病対策に関わることによって社会全体が良くなり、社会が強化されることにつながります。
前半では結核対策における地域参加の役割や重要性を解説し、後半では石川信克氏が1980年からバングラデシュ、ミャンマー、日本で取り組んだ地域参加型の結核対策の実例を、データとともに紹介します。

オンデマンド講義動画の一つとして活用

本教材は、2021年10月25日~11月12日に遠隔研修として行われたJICA課題別研修「SDGs達成に向けたUHC時代における結核制圧」のオンデマンド講義動画の一つとして活用されました。
本研修では、研修参加者が自国で結核対策プログラムを強化すると共に、UHCの推進に貢献するための能力を向上させることを目指しています。2021年度は新型コロナウィルス蔓延下における社会経済状況への影響や結核対策プログラムの強化に焦点を絞り、結核ケースファインディング、診断、治療、保健システムを考慮した解決策に関する講義・討議等が遠隔で実施されました。
研修では、Google classroomで教材を視聴後に、Zoomで教材の内容を踏まえてのオンラインディスカッションを行い、質疑応答及び意見交換を実施しました。
研修員からは、「教材の内容が研修で扱うトピックの内でも最も有用なものの一つであり、患者発見、結核スクリーニングの強化に役立つ」との感想が寄せられました。

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課題別研修の様子。視聴した研修員からは、有用だとの感想が寄せられました。

教材では結核対策を事例としていますが、結核対策で有用な方策は他の保健プログラムにも適用可能であり、中でも地域での取り組みは保健システムの強化にもつながることから、結核対策に留まらず、他の保健プログラム等でも活用いただける内容となっています。本教材がCOVID-19含む他の感染症や非感染症対策等、幅広く活用されるよう願っています。

中沢 美保子
JICA東京

このページで紹介している教材

結核対策と地域参加

本映像教材では結核対策を事例に、疾病対策における地域参加が保健システムの強化において果たす役割について、バングラデシュ、ミャンマー、日本の事例と共に説明していきます。
新結核世界戦略The End TB StrategyおよびSDGsでは世界的な結核の蔓延を終息させることを目的としており、結核対策をUHCという広い文脈でとらえ、セクターを超えた取組が必要とされています。結核対策で有用な方策は他の保健プログラムにも適用可能であり、中でも地域での取り組みは保健システムの強化にもつながることから、結核対策と地域参加に焦点をあてた教材を作成しました。
本分野における本邦研修の事前・事後学習教材としての活用をはじめ、保健分野に関わる開発途上国政府関係者、JICAプロジェクト関係者、国際協力に関わる方々、学生等に広く活用いただくことを想定しています。