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北海道センター(札幌)JICA-Netマルチメディア教材「日本の持続可能な森林管理の取り組み」の活用事例

森林分野の課題別研修での活用

2022年7月11日~9月8日に実施した課題別研修「森林リモートセンシング」(遠隔研修)において、JICA-Netマルチメディア教材「日本の持続可能な森林管理の取り組み」の活用を試行しました。
この研修は、途上国の森林減少・劣化に由来する温室効果ガスの削減(REDD+)の実施に向けて、持続的森林管理に重要な森林資源の動態把握のための基礎的なリモートセンシング技術を習得し、自国のデータベース作成に必要な基礎的GIS技術の能力の向上につなげることを目的としています。研修にはコソボ、ブラジル、モルドバ、バングラデシュから7名が参加しました。

日本の森林の歴史と持続可能のための取り組みを紹介

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事例1のえりも町。緑化事業により50年近くかけて砂漠化した森林を回復することに成功しました。

日本の国土に占める森林面積の割合は約2/3と、世界的にも高い森林率を誇っています。しかし、日本ははるか昔から森林が豊かだったわけではありませんでした。
本教材「日本の持続可能な森林管理の取り組み」の前半では、過剰な伐採等で国土の約半分程度にまで減少してしまった森林と、その回復の過程といった日本の森林のための様々な制度について説明しています。そして後半では、全国の約1/4の森林面積を有する北海道において、持続可能な森林管理を目指した4つの事例について取り上げます。

緑化事業により50年近くかけて砂漠化した森林を回復することに成功し、さらに、海の生態系も復活したえりも町、循環型森林経営を行い、木材を余すことなく利用する「森林総合産業」を目指す下川町、地域材を活かした旭川家具のブランディングを行い、デザインを主体としたものづくりにシフトした旭川市、抵抗力の高い、活力ある森林へと導くことを目標とする森林管理実験を行う東京大学北海道演習林。教材では、これらの事例を豊富な現地の映像やインタビュー等を交えて紹介しています。

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デザインを主体としたモノづくりに転換した事例3の旭川家具

さまざまな場面にあわせて活用できる教材

今回の研修では、技術研修の開催期間にURLを研修員にシェアし、技術研修のビデオとあわせて閲覧するという形で使用しました。今回ご協力いただいた本研修のコースリーダーのコメントを以下にご紹介します。

北海道センター(札幌)
研修業務課 菅原 清英

このページで紹介している教材

日本の持続可能な森林管理の取り組み

本映像教材は、日本の開発経験としての持続可能な森林管理の取り組みについて、その発展過程や現行制度、緑化事業、人工林の経営や持続可能な木材の利用などの事例を含め、幅広く紹介するものです。
日本における開発経験としての持続可能な森林管理の取り組みを紹介する目的で、教材を制作しました。大学等における講義、開発教育/国際理解教育、本邦研修や第三国研修で活用いただくことを想定しています。