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JICA中部 カイゼンの基礎知識を身に付ける―研修の事前学習教材として活用―

JICA課題別研修の事前学習教材

教室で参加者がグループに分かれて実習している

研修で行われたカイゼンの実習の様子

2024年1月21日~2024年2月17日、JICA課題別研修「企業経営強化支援(ビジネス開発サービス/アドバンスト・カイゼン)(A)」を実施しました。
本研修は、中小企業の育成・競争力向上のために実施・提供される支援サービス(ビジネス開発サービス(BDS))全般に加え、特にカイゼンに係るサービスの強化を図ることを目的としています。
今回、研修の事前学習教材として、JICA-Netマルチメディア教材「カイゼンの概要と導入・普及展開」を活用しました。

途上国のニーズにマッチする「カイゼン」

カイゼンとは、製造業の生産現場で行われている作業の見直しや、「品質・生産性の向上に貢献する知識・活動体系」のことを言います。日本の高度経済成長の原動力の一つとして、多くの生産現場にプラスの変化を生み出してきたカイゼンは、今や世界的に認知されるようになりました。
カイゼンの「小さなコストで済む」「汎用性が高い」「手法が確立している」といった特徴は途上国のニーズにマッチしており、途上国の企業がより高いレベルへ進んでいく上で有効な手段となります。
教材の前半では、カイゼンの概要や、具体的な手法や進め方、人材育成について解説し、後半では、特にJICAが技術協力を行っているアフリカを中心としたカイゼンの具体的事例を紹介します。

カイゼンの特徴を表す図表

日本の製造業の生産現場で発達したカイゼンは、今や世界的に認知されるようになりました。

参加者全員が同じスタートラインで研修を開始できる

4人の参加者がグループワークをしている。

研修では、様々な国、バックグラウンドの参加者が共に学びます。

研修には9か国から10名が参加しました。研修員の国は東南アジア・アフリカ・中東・欧州・中南米と全世界にわたり、所属先は中央省庁、工業団地の管理事務局、起業支援機関、民間企業などバラエティに富んでおり、カイゼンに関する知識やバックグラウンドも様々でした。
当該研修参加者のカイゼンに関する知識や経験の差が大きかったため、参加者全員が必要最低限の知識を習得したうえで研修に臨めるよう、事前に教材のURLを共有し本邦研修来日前に視聴してもらいました。
そのおかげで、大きな知識の差がない状態で研修を開始することができ、限られた期間内で効率的に研修を行うことができたと思います。

JICA-Netライブラリは、ウェブで検索して見つけました。課題別研修のコース内容に関連する動画があれば、動画を事前に視聴することで参加者が同じスタートラインで研修を開始できるというのがJICA-Netマルチメディア教材を使用する大きな利点です。また、参加者にとっても、わからないことがあれば何度でも見返すことができ、全体像や疑問点等を事前に把握することで効果的な学習につながります。
今後も分野を問わず、様々な教材を活用して効果的な研修を行っていきたいと思います。

参加者がそれぞれの国旗の隣に並んでいる

閉講式の様子。

堀越 京子
JICA中部

このページで紹介している教材

カイゼンの概要と導入・普及展開

「カイゼン」は、日本の製造業の生産現場で発達した品質改善・生産性向上のための手法です。本映像教材では、①カイゼンの概要、②カイゼンの普及展開、③カイゼンに関する人材育成、④アフリカを中心としたカイゼンの具体的事例を紹介・説明します。
「カイゼン」の普及展開のため、JICAは2018年に「カイゼン・ハンドブック」を策定しました。本映像教材では、同ハンドブックの構成に沿って、カイゼンの概要や事例等を紹介し、カイゼンの理解や導入促進を図ります。カイゼンに関心のある組織や企業、JICAの関連プロジェクトや課題別研修等で、導入資料として活用していただくことを想定しています。