学びの機会をより多くの若者に、ソーシャルビジネスへの挑戦

2022年3月14日

【研修員情報】
氏名:Mr. AMEDAYENOU Trevor Christian
氏名カナ:アメダイェヌ トレヴォー クリスチャン
出身国:コートジボワール
ABEバッチ数:7バッチ(2020年来日)
本邦大学名・学部:名古屋工業大学・工学研究科
インターンシップ先企業名(夏期):スケールアウト株式会社
応募時所属先:IMPACT TECH(民間)

ソフトウェアエンジニアとしての経験を活かして

母国コートジボワールでITセキュリティの修士号を修得したAmedayenouさんは、民間企業でソフトウェア開発者として働いた後、家族が興した企業に転職し、様々な企業のアプリ開発に携わっていました。現在は名古屋工業大学大学院で学ぶ傍ら、自ら起業家として、大学の学費をキャッシュレスで簡単に支払うことができるオンライン決済アプリを開発し、コートジボワール現地のユーザー校を増やしています。

「学び続ける権利」を得られていない母国の若者へ

Amedayenouさんの母国コートジボワールでは、海外に留学できる人は限られた人のみです。多くの若者にとって、留学は経済的に難しく、奨学金情報を入手することすら容易ではありません。Amedayenouさんは、奨学金情報をより多くの若者に平等に提供したいという大学院の先輩留学生の思いに感銘を受け、学業の傍ら先輩と協働して、コートジボワールの若者向けに、奨学金情報をより簡単に検索できるスマートフォンアプリを開発しました。2021年6月のリリース後、現在アプリの利用者は7,000名近くに上り、今後のサービス拡大に向けて意欲的に活動しています。

更なる母国の社会課題解決へ向けて

Amedayenouさんは、アプリ運営に取り組む一方、母国が抱える他の社会課題解決にも関心が高く、現在大学院では遠隔ロボティクスの研究を行い、将来はその技術を遠隔医療や交通分野などで活用することを考えています。特に教育機会の不平等解消とコートジボワールの死因第二位でもある交通事故減少に貢献したいとの思いが強く、日本で学びながら、新たなビジネスの種を見つけようとしています。昨夏には、日本のEdTech(注)分野の企業でインターンシップに参加し、新しい技術を学ぶだけではなく、チームマネジメントやリーダーシップ等ビジネス知識も自身で体験しながら学び、日本流のビジネスについても理解を深めました。学業と新たなビジネスの構想を練る忙しい日々の中、寸暇を惜しんで毎日のように同じ大学寮に住む友人たちと日本語の習得にも熱心に取り組んでいます。日本での学びや日本企業とのネットワークを活かして更なるソーシャルビジネスの実現に向かって奮闘しています。

(注)EdTechとは、テクノロジーの力で教育にイノベーションを起こす取り組みのこと。

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大学の日本語コース修了式に参加するAmedayenouさん

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JICA中部センターで開催された来日オリエンテーションに参加するAmedayenouさん(写真左から2番目)