アフリカ人の視点で、日本企業へ新たなパートナー先を紹介

2022年3月15日

【研修員情報】
氏名:NONG Tlou Jacob
氏名カナ:ノン トゥロウ ジェイコブ
出身国:南アフリカ共和国
ABEバッチ数:第6バッチ(2019年来日)
本邦大学名・学部:同志社大学 グローバル・スタディーズ研究科
インターンシップ先企業名(夏期):株式会社クニエ
インターンシップ先企業名(修了時):ソフトバンク株式会社
応募時所属先:Ministry of Small Business Development

南アフリカ共和国の中小企業省、国際貿易促進部門で、主に国内外の展示会や見本市に参加する南アフリカ企業のサポートなどを行っていたNongさんは、ABEイニシアティブ第6バッチ生として同志社大学大学院でビジネスを学び、2021年9月に晴れて修士課程を修了しました。ABEイニシアティブに参加する前にも仕事で来日した経験がありますが、「日本文化や日本企業文化」等についてもっと学びたいと考え、留学を決意しました。同志社大学大学院では、アフリカ域内の自由貿易協定の可能性と課題に関する研究に取り組みました。

日本企業と南アフリカ現地のニーズのギャップを埋めるために

NongさんはJICA主催の企業交流会に参加し、外貨両替機(ATM)の設置事業を行う日本企業と知り合いました。同企業から南アフリカへの事業展開に関するアドバイスを求められたNongさんは、同国では観光客が少なくなるオフシーズンの両替所の運営コストが負担となっていること、安全面を考慮した設置場所の検討が必要であること等の現地事情やニーズを、日本企業へ伝えました。また、中小企業省で働いていた経験を生かして、現地提携相手先候補として空港やホテルなどの従業員向けサービスを提供している会社を日本企業に紹介しました。その後、日本でのインターンシップや日本企業との交流を通して学んだリアルな日本流ビジネスの知識を生かして、日本企業と南アフリカ企業との正式な提携に向けて仲介役を務めています。南アフリカの提携先企業にとって金融分野への進出は初めてとなりますが、外貨両替サービスのニーズがある観光客向けの施設を顧客として持つ強みを生かすことができると考え、両社でパートナーシップ契約に向けた協議が行われています。

中小企業省の国際貿易促進の職員として

Nongさんは、来日前に中小企業省で働いていたことから、南アフリカ製品をどのように日本マーケットに取り入れられるか常に考えておりましたが、ABEイニシアティブに参加し多くの日本企業と話をする中で、逆に日本製品をどうアフリカのマーケットに取り入れられるかについて考える機会が増えたと言います。Nongさんは、帰国後は中小企業省へ復職予定であり、日本との国際貿易を促進するために日本で得た経験・知見を最大限に生かしていきたいと意気込みを語ってくれました。

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同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科を修了したNongさん。

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インターンシップ先の同僚と休日を楽しむNongさん(写真一番右)。