ものづくりの心をアフリカへ-サンテック社の挑戦

2021年9月27日

【企業情報】
企業名:株式会社サンテック
所在地:香川県綾歌郡綾川町羽床下2137-1
事業内容:プラント設備機器製造
インターン受入人数:のべ14人
企業ウェブサイトURL:https://suntech.link/

油圧減圧式乾燥機の導入によるオリーブ搾油粕の資源化でアフリカへ

近年モロッコにおける急激なオリーブオイル増産に伴って排出される膨大な搾油粕による環境汚染が大きな課題となっていることに着眼したサンテック社は、2016年JICA案件化調査に採択されていた福岡県のエコステージエンジニアリング社とともに、油圧減圧式乾燥機を共同で開発・製造しました。2018年にはJICA普及・実証・ビジネス化事業にも採択され、2020年現地オリーブ搾油地域にある産業団地内に油圧減圧式乾燥機を設置し、今後の実証事業を通じて、20カ所のオリーブ搾油粕資源化工場への導入を目標として活動中です。

本モロッコ事業をきっかけに、サンテック社では、オリーブ以外にもカカオなど、アフリカ各地域に潜在する様々な搾り粕にポテンシャルを見出しながら、フードロスのない社会を目指しています。

アフリカへの事業展開を担うABE生たち

サンテック社では、将来的なアフリカ進出のためのアフリカ人材とのネットワークを求めて、2018年から、のべ14名のABEイニシアティブ研修生をインターンシップで受け入れました。北アフリカ地域出身者を中心に、日本のものづくりの心を伝承すべく、工学・理学・経済・経営等、様々な専攻・分野の学生を社一丸となって受け入れ、2020年9月にはカイゼンをテーマに5ヵ月間の修了時インターンシップに参加したチュニジア出身のBEN RABIHAさん(ABE第4バッチ、2017年来日)を日本で採用、ものづくりの現場で、日本の職人集団のもと、将来的なモロッコビジネス支援のための人材育成を続けています。

また、2021年4月より、スーダン出身のSATIさん(ABE第5バッチ、2018年来日)が3ヵ月間の修了時インターンシップに参加しています。SATIさんは、北海道大学経済学院で経営管理を学び、戦略的計画と組織改革管理についての研究を深めたこと、また現地所属先である国立石油公社SUDAPETでの経験を活かし、サンテック社にベンダーとしての海外企業との直接取引やプロジェクトマネジメントノウハウ提供等を通して、効果的なビジネス提案を行っています。

同社は、SATIさんの紹介により、スーダン現地でのパートナーとして、石油プラントの製造部門を持つSUDAPETのグループ企業であるCSC社(Creative Solutions Company)と2021年6月にMOUを締結し、これからまさにプロジェクトを始動していく予定です。

日本の技と心をアフリカへ

2021年3月には、サンテック社は新たな社屋となる「サンテックラーニングセンター」を創設、ものづくりの技術と精神の学びの場として、世界中から訪れる多くの人々を受け入れる予定です。そして、従業員やお客様がリラックスでき、本音で語り合える場所にもしたいとの想いから、「Home」をコンセプトに設計されたこの場所が、グローカルマインドの中心地として、世の中の役に立つ製品を生み出し続けるために、大いに活用されることでしょう。

サンテックラーニングセンターでは、オンラインビジネスプラットフォームを始動予定であるチャド出身のDORSOUMAさん(ABE第5バッチ生、同社にて2020年6月末から9月末まで約3ヵ月間の修了時インターンシップに参加)との、日本とチャドまたはその他アフリカ諸国をつなぐオンライン研修等のプロジェクトによるコラボレーションも予定しています。

サンテック社は、モロッコにおけるオリーブ関連事業だけでなく、日本の職人の技と心をアフリカのもつ様々なポテンシャルと掛け合わせることで、さらなる企業付加価値とすべく、これまでに受け入れたABEイニシアティブ研修生の持つネットワークも最大限に活用、スーダンやチャドでの新しい取り組みにも大変積極的です。人は生きるために働き、働くことを通して学び成長します。サンテック社は、よりよい国際社会をつくるために、日々躍進を続けています。

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最終報告会でインターンの成果や今後のプランを発表するサティさん