アフリカ出身の留学生向けのネットワーキングセミナー個別プログラムを開催!: 卒業までの残りの留学期間が実り多き日々となるように

約200名のアフリカ出身留学生が一堂に集まり、ABE修了生のパネルディスカッションやプログラム終了後を見据えた将来についてのグループディスカッションを実施

2月28日、2022年度に来日したABEイニシアティブ留学生、SDGsグローバルリーダーなどその他のJICA留学生、そして公費・私費留学生などアフリカ出身の留学生を対象に、以下の4つを目的として、都内の会場で「JICA留学生ネットワーキングセミナー・アフリカ個別プログラム」を実施しました。

200名のアフリカ出身留学生が集合し、先輩である3名のABE修了生から、残りの日本での留学期間の過ごし方や、今後の日本企業との活動についての有益なアドバイスを受けた後、個人的観点からの考察と、帰国後のビジョンや日本との連携について、地域別または国別に分かれてグループディスカッションを実施しました。

昨年度はコロナ禍で無念にもオンラインでの開催であったため、今回が初めて皆が一同に集まる機会となり、約200人が一同に集まった会場には、留学生各々の将来の希望に対する熱気が溢れていました。

日本の文化・風習に毎日触れながら既に約1年半の期間、日本各地で勉学に励んでいる留学生たちは、日本での生活にも慣れ、落ち着きも垣間見られました。

梁瀬JICAアフリカ部長の開会挨拶では、今後の留学生たちの活躍と飛躍を祈る激励のメッセージと、今後日本企業と各アフリカ出身国との連携を深め、残りの日本滞在期間を有意義に過ごしてほしいという期待が伝えられました。

集合写真

集合写真

先輩からの有益なアドバイス:ABE修了生によるパネルディスカッションとQ&A

パネルディスカッションでは、プログラム修了後日本企業に就職したABE修了生3名が、プログラム修了後のキャリアパス、登壇者自身の、卒業までの残りの期間をどのように有意義に過ごしたのか、個人的な経験談を前半部分で語り、後半の質疑応答部分では、留学生から多岐に渡る質問と、それに対する詳細な回答が繰り広げられました。

留学生からの質問には、インターン体験時に浮かんだ疑問として「日本人社員とどのように打ち解ければ良いのか?」という質問があがり、回答に日本語習得(語学)の重要性を第一に挙げ、日本の商習慣、物事の意思決定の仕方についての説明等、日本企業での就職経験者の先輩ならではの、様々な有益なアドバイスが示され、留学生たちも多くを吸収している様子でした。

その他、アフリカ出身の人材を受け入れた経験が全くない、特に日本の中小企業側がどう感じるか等、日本企業側からの視点に立つアドバイスも示し、最終的に相互理解をするためには何が必要かという、異文化交流の源泉を問う、深い洞察の元の意見交換が繰り広げられ、留学生たちにとって、学びの多いパネルディスカッションでした。

先輩である3名の登壇者へ、様々な質問を行う留学生たち

先輩である3名の登壇者へ、様々な質問を行う留学生たち

先輩である3名の登壇者へ、様々な質問を行う留学生たち

パネルディスカッションにて、詳細な返答を丁寧に行う登壇者3名

パネルディスカッションにて、詳細な返答を丁寧に行う登壇者3名

ABE修了生で作った組織「Kakehashi Africa(KA)」の紹介

Kakehashi Africa(KA)の設立の経緯・目的・活動状況、および事務所の連絡先についての説明を行うMs. Ihuoma Nkechi AGADA

Kakehashi Africa(KA)の設立の経緯・目的・活動状況、および事務所の連絡先についての説明を行うMs. Ihuoma Nkechi AGADA

パネルディスカッション後、パネルディスカッション登壇者の1人であるMs. Ihuoma Nkechi AGADAが、日本企業との架け橋となることを願うABE修了生を中心に形成された組織である「Kakehashi Africa(KA)」の紹介を行い、その設立経緯から日本企業との現在の活動紹介と、KAへの参加方法を分かり易く語りました。このセッションでは、KAの存在をまだ知らない留学生たちにとって、今後有効活用が見込まれる新たな情報として参考になり、アフリカ各地域にあるKA代表との連携方法は、午後の「グループワーク」セッションでも引用されました。

今後各自何が出来るのか?:日本と出身国との絆を具体化する為に考察

午後のグループディスカッションでは、まず留学生自ら残りの半年間に自分ができること・将来の目標を明確にする為にじっくりと考える時間を設け、ワークシートに洗い出して記載するという作業を通して、個人の状況を振り返ることから始められました。

最初の作業の「個人ワーク」で現況を洗い出し、今後の展望をシートに書きだす留学生たち

最初の作業の「個人ワーク」で現況を洗い出し、今後の展望をシートに書きだす留学生たち

その後、留学生たちは地域別または国別に分かれて話し合い、最終的には隣接のグループと発表し合いながら、留学生たちも、通常会うことのない近隣諸国のアフリカ出身留学生たちと直接話し合うことにより打ち解け合い、和気藹々としながら活発に意見を交換し合う和やかな雰囲気となりました。

参加の留学生全員が各自発言をする、実践的なグループディスカッションの様子

参加の留学生全員が各自発言をする、実践的なグループディスカッションの様子

今回のプログラムでは、日本とアフリカの各出身国との事業連携を例に出しながら、アイデアを駆使し考える実践ワークを通じて、日本全国から遥々参加した本セミナー出席の意義を有用に活用し、卒業前に具体的な方向性を考える貴重な機会を持つことが出来ました。この皆で語り合う体験は、多種多様なアフリカ各国の日本への留学生にとって、貴重なネットワーキングの機会となり、今後の彼らのビジネスやキャリア上で、確実に重要な分岐点となりました。


【実施概要】

会議名:JICAネットワーキングセミナー2024、アフリカ個別プログラム
開催日: 2024年2月28日(水)
主催: JICAアフリカ部
場所: 大田区産業振興センターPio

【参加者】

以下のプログラムに該当するアフリカ出身の留学生

  • ABEイニシアティブ第9バッチ
  • SDGsグローバルリーダー2022
  • 課題部組成コース
  • 公費・私費留学生

【プログラム概要】

2月28日(水)

  • 開会挨拶:梁瀬直樹JICAアフリカ部長
  • 個別プログラムの概要説明:JICE
  • 帰国後のJICAフォローアップ支援概要説明:JICAアフリカ部
  • パネルディスカッション
  - 残りの来日期間及び帰国後のキャリアや活動について
(パネリスト)
- Ms. Ihuoma Nkechi AGADA (ABE第3期修了生/Nigeria)
- Mr. Ahmed Arafat (ABE第2期修了生/Egypt)
- Mr. Chaimaa MRIBET (ABE第3期修了生/Morocco)
  • Kakehashi Africaの活動紹介:Ms. AGADA(Kakehashi Africa, Nigeria, Country Manager)
注)Kakehashi Africaは、ABEイニシアティブ留学生を中心に、アフリカと日本企業の連携促進を目指して立ちあがった団体
  • 個人ワークおよび、グループディスカッション 
  - 地域別グループに分かれ、残りの来日期間及び帰国後のキャリアや活動に関するディスカッション
  • 閉会挨拶:JICAアフリカ部