日本企業の技術を用いて、セネガルの無電化地域へ貢献~日本とセネガルの架け橋を目指して~

【研修員情報】

Mr. Momar Talla DIENG(セネガル、4バッチ)

Mr. Momar Talla DIENG(セネガル、4バッチ)

氏名:Mr. Momar Talla DIENG
氏名カナ:モマール タラ ジェン
出身国:セネガル
ABEバッチ数:4バッチ(2017年度来日)
本邦大学名・研究科:熊本大学大学院 自然科学研究科
インターンシップ先企業名(夏季・修了時):株式会社FUKUSHO

ABEイニシアティブ参加前は研究者を志していたセネガル第4バッチのMomarさん。ABEイニシアティブでの学びから、当初想定の進路を大きく変更し、現在はセネガルと日本の架け橋を目指して日々活動しています!

【ビジネスに興味を持ちABEイニシアティブへの参加を決意】

Momarさんは母国セネガルで修士号を習得しており、当初は研究者を志していました。セネガルでの博士課程の初年度に入ったばかりのとき、彼はABEイニシアティブのことを知った。これまで大学と研究一筋で民間セクターやビジネスに携わる経験がなかったため、最初はビジネスへの好奇心からABEイニシアティブへの参加を決めました。

【研究、企業とのネットワーキング、双方に精を出すMomarさん】

日本では熊本大学大学院に進学したMomarさん。母国セネガルの公用語は仏語であり、英語での修士号取得は彼にとって非常にハードルが高いものでした。しかし、指導教員や大学、JICAのサポートもあり、3つの研究論文が国際ジャーナルへ掲載されるなど、優秀な成績で無事修了することができました。研究室の日本人の後輩が、Momarさんが書いた論文や研究を参考にして研究に励む姿を見て、とても嬉しく感じたそうです。

熊本市の高校生と交流するMomarさん

熊本市の高校生と交流するMomarさん

来日中、JICA主催の企業交流のイベントでセネガル進出を検討していた株式会社FUKUSHO(以下、FUKUSHO)と出会い、セネガルでの太陽光発電事業の可能性について同社に情報を提供するようになりました。その後、その企業への夏季・修了時インターンシップが決まりました。

【修了後の進路について迷う-そんな中、ABEイニシアティブの目的を思い出す!】

大学院修了時、進路についてとても迷ったと語るMomarさん。指導教員から薦められた熊本大学での博士課程進学にも興味がありました。一方で、FUKUSHOとビジネスを進めていくという進路もとても魅力的でした。
そのタイミングで彼日本とアフリカのビジネスを繋ぐというABEイニシアティブの目的を思い出します。これまでにABEイニシアティブを通じて日本・JICAから受けたたくさんの支援を、すぐにでも日本に還元したいと考え、FUKUSHOで働く道を選びました。

FUKUSHOの皆さんと

FUKUSHOの皆さんと

【セネガルでの事業までの道のり~FUKUSHOの一員として、日本とセネガルを繋ぐ~】

MomarさんがFUKUSHOへ入社した2019年、FUKUSHOはセネガルでの太陽光発電事業を開始するにあたって、JICAの中小企業・SDGs(注)での採択を目指していました。MomarさんはFUKUSHOに入社し、現地の事情について助言し、申請書の内容を推敲する等でサポートを行いました。その結果、FUKUSHOは無事中小企業・SDGs事業として採択をされました。

セネガル電化プロジェクトに関するミーティング

セネガル電化プロジェクトに関するミーティング

その後しばらくは新型コロナウィルスの影響で会社として現地渡航できずにいましたが、2024年6月、現地での実証可能性調査を行うため、Momarさんを含むFUKUSHOの皆さんは満を持してセネガルへ渡航する予定です。
FUKUSHOで働く一方で、Momarさんは、セネガルの大学の博士課程をオンラインで修了するという非常に難度の高い取り組みも行いました。無事博士課程を修了することができ、学位を受け取るためセネガルに一時帰国した際、彼は現地で実証実験の候補となる村を探したり、現地政府とのコネクションを作ったりするなどの活動を一人で行いました。候補地の村にも、FUKUSHOの説明を行い、その村はFUKUSHOが今年現地渡航するのを待っているとのことです。
FUKUSHOは、中小企業・SDGsでの活動が成功した暁には、セネガルで支店を将来開業することを計画しており、Momarさんがその責任者として任される予定です。日本企業の技術を通じて、母国セネガルの無電化地域に電気を供給し、母国の開発に資する活動ができていることにMomarさんはこの上ない幸せを感じているとのことです。
Momarさんは、FUKUSHOのセネガル進出への貢献、そしてセネガルと日本の架け橋になることがこれからの夢だと語ります。

日本の会社の技術を用いて、母国セネガルの無電化地域に電気を供給し、母国の発展に貢献することがMomarさんの夢です

日本の会社の技術を用いて、母国セネガルの無電化地域に電気を供給し、母国の発展に貢献することがMomarさんの夢です

注:中小企業・SDGsビジネス支援事業について | 事業について - JICA